話題株ピックアップ【夕刊】(1):地銀株、くら寿司、野村不HD
■富士製薬工業 <4554> 1,418円 +85 円 (+6.4%) 本日終値
富士製薬工業<4554>が3日ぶりに反発。同社は18日取引終了後に、自社株式の消却を発表。消却前の発行済み株式総数の20.80%に相当する650万株を3月25日付で消却するとしており、需給の改善などが期待されているようだ。なお、消却後の発行済み株式数は2475万3800株、消却後の自己株式数は44万3379株になる予定だとしている。
■くら寿司 <2695> 7,500円 +430 円 (+6.1%) 本日終値
くら寿司<2695>が5日続伸。18日の取引終了後、4月30日を基準日として1株を2株に株式分割すると発表したことが好感された。投資単位の水準を引き下げることで、株式の流動性の向上及び投資家層の更なる拡大を図ることが目的という。また株式分割に伴い、株主優待制度の内容を変更すると発表した。現行制度では4月末時点の株主に対して保有株数に応じて2500円分から1万円分の食事券を贈呈していたが、分割後は保有株数に応じて2500円分から2万円分の優待割引券を贈呈することになり、優待額は実質増額になる。
■八十二銀行 <8359> 432円 +16 円 (+3.9%) 本日終値
地銀株が軒並み高、八十二銀行<8359>や岩手銀行<8345>、青森銀行<8342>、福井銀行<8362>などに買いが流入し値を飛ばした。前日の米10年債利回りが一時1.75%台に上昇した。これを受け、長短金利差拡大による業績改善期待が浮上し、米国ではJPモルガン・チェースなどが買われ、日本では三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>などメガバンクが上昇。この流れのなか、地銀株にも買いが流入している。地銀の場合、SBIホールディングス<8473>を中心とした再編思惑が強まっていることも買い材料となっている。
■クリーマ <4017> 4,550円 +165 円 (+3.8%) 本日終値
クリーマ<4017>が大幅高。午後2時ごろ、集計中の21年2月期連結業績について、売上高が19億3700万円から20億6200万円(前の期比35.9%増)へ、営業利益が1億6200万円から2億2600万円(同4.7倍)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感された。新型コロナウイルス感染症に伴う巣ごもり消費や、クリエイター及び生活者のオンラインシフトの加速などで、主力のハンドメイドマーケットプレイス「Creema」の流通総額が大幅に伸長したことが要因としている。なお、最終利益は第4四半期に自己新株予約権消却損5400万円を特別損失として計上したことから、1億9800万円から1億7800万円(前の期2800万円の赤字)へ下方修正した。
■ポールHD <3657> 1,400円 +44 円 (+3.2%) 本日終値
ポールトゥウィン・ピットクルーホールディングス<3657>が4日続伸し、連日の昨年来高値更新となった。米運用会社のダルトン・インベストメンツが18日の取引終了後、財務省に大量保有報告書を提出したことで、ダルトンのポールHD株式保有割合が5.03%となり、新たに5%を超えたことが判明。これを受けて、需給思惑的な買いが入ったようだ。なお、報告義務発生日は3月15日。
■野村不HD <3231> 2,707円 +81 円 (+3.1%) 本日終値
野村不動産ホールディングス<3231>が5日続伸。18日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、売上高を5800億円から5820億円(前期比14.0%減)へ、営業利益を710億円から740億円(同9.7%減)へ、純利益を370億円から400億円(同18.2%減)へ上方修正したことが好感された。新型コロナウイルス感染症による業績への影響が想定よりも軽微であることに加えて、全社的な経費抑制及び原価低減などの収益改善施策が寄与する見通し。
■三菱UFJ <8306> 659.4円 +12.4 円 (+1.9%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>などメガバンクが堅調な値動き。前日の米国株市場では米10年債利回りが1.7%台に急上昇したことを受けて主要株価指数が軟調となったが、ゴールドマン・サックスやJPモルガン、シティグループなど大手金融株は逆行高となった。米国事業を展開するメガバンクにとっても運用利ザヤの拡大期待から足もと買いが優勢となっている。また、きょうは日銀金融政策決定会合の結果と黒田日銀総裁の記者会見が予定されているが、金融政策の点検結果公表とあわせ事実上の長期金利上昇容認姿勢を示すとの思惑があり、これも株価にはポジティブ材料となる。
■日テレHD <9404> 1,591円 +27 円 (+1.7%) 本日終値
日本テレビホールディングス<9404>が3日続伸。SMBC日興証券が18日付で、投資評価を「2」から「1」とし、目標株価を1300円から2000円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。高視聴率を誇る同社は、テレビ広告需要のコロナ禍からの急回復の恩恵を同業他社以上に享受するものと同証券では予想。主力の地上波テレビ放送のスポット広告収入が同証券の想定を上回るペースで回復し拡大が見込まれることや、番組制作費を中心とした費用削減効果も同証券の想定を上回ると予想されることから、21年3月期の営業利益予想を285億円から345億円へ、22年3月期を同330億円から450億円へ引き上げた。
■クスリアオキ <3549> 8,800円 +130 円 (+1.5%) 本日終値
クスリのアオキホールディングス<3549>が3日ぶりに反発。同社は18日取引終了後に、21年5月期第3四半期累計(20年5月21日~21年2月20日)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比19.8%増の132億4500万円となり、通期計画165億円に対する進捗率は80.3%となった。売上高は同2.3%増の2268億7500万円で着地。新型コロナウイルス感染症の防止対策からマスクや消毒液などの売り上げが伸びたほか、外出自粛に伴う食料品・日用品などの需要も増加した。なお、通期業績予想は従来計画を据え置いている。
■FRONTEO <2158> 817円 +12 円 (+1.5%) 本日終値
FRONTEO<2158>が10日続伸。18日の取引終了後、東京女子医科大学先端生命医科学研究所先端工学外科学分野(FATS)と、論文探索AIシステム「Amanogawa(特許・商標出願中)」の教育・研究機関向けアカデミックプランについてライセンス契約を締結したと発表しており、これが好材料視されている。Amanogawaは、概念の検索を特徴としており、専門分野による表現や用語の違いなどの影響を受けずに論文を探索することが可能となっている。現在、FATSと東京女子医科大学新生児科が共同で取り組んでいる医療機器研究にAmanogawaが適していることから、今回の導入に至ったという。なお、同件はAmanogawaを医療機器領域の研究に活用する初の事例となる。
株探ニュース