話題株ピックアップ【夕刊】(1):いすゞ、東エレク、シンバイオ
■船井電機 <6839> 883円 +150 円 (+20.5%) ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率トップ
船井電機<6839>はストップ高。23日の取引終了後、IT関連やビジネス関連の書籍出版などを手掛ける秀和システム(東京都江東区)が、子会社の秀和システムホールディングスを通じて同社に対してTOBを実施すると発表しており、TOB価格918円にサヤ寄せする格好となった。非公開化することで中長期的な観点で経営改善に取り組み、早期の再建を図るのが狙い。買付予定数は2278万2386株(下限1116万20株、上限設定なし)で、買付期間は3月24日から5月10日まで。TOB成立後、船井電は所定の手続きを経て上場廃止となる予定で、この発表を受けて東京証券取引所は、同社株式を3月23日付で監理銘柄(確認中)に指定している。
■理想科学工業 <6413> 1,526円 +124 円 (+8.8%) 本日終値 東証1部 上昇率2位
理想科学工業<6413>が大幅反発。23日の取引終了後、21年3月期の連結業績予想について、売上高を665億円から677億円(前期比13.3%減)へ、営業利益を10億円から13億5000万円(同46.9%減)へ、純利益を5億円から7億円(同2.5%増)へ上方修正したことが好感された。新型コロナウイルス感染症の影響は今後も継続すると想定しているものの、従来予想よりも第4四半期の収益向上を見込んでいることが要因としている。なお、想定為替レートは、1ドル=105円、1ユーロ=123円としている。また同時に、3月31日付で240万6332株(発行済み株数の5.07%)の自社株を消却すると発表しており、これも好材料視されたようだ。
■いすゞ自動車 <7202> 1,186円 +61 円 (+5.4%) 本日終値 東証1部 上昇率8位
いすゞ自動車<7202>が後場急伸。トヨタ自動車<7203>が後場寄り前、いすゞ自動車と日野自動車との3社による共同記者会見をきょうの午後3時から開催すると発表した。これを受けて、両銘柄には思惑的な買いが向かったようだ。
■東京エレクトロン <8035> 44,250円 +2,130 円 (+5.1%) 本日終値
東京エレクトロン<8035>やレーザーテック<6920>などが全般地合い悪で主力銘柄の下げが目立つなか逆行高。前日の米国株市場では主要株3指数がいずれも安く、ハイテク株比率が高いナスダック総合指数や半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も下落したが、きょうの東京市場は半導体関連の一角が買い戻される展開となっている。世界的な半導体需給の逼迫が続くなか、米インテルが23日、アリゾナ州に200億ドル(日本円にして約2兆2000億円)を投じて半導体新工場を建設することを発表。日本の半導体製造装置メーカーにとっても商機が高まるとの見方が物色人気につながっている。
■グンゼ <3002> 4,115円 +65 円 (+1.6%) 本日終値
グンゼ<3002>が反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が23日付で、投資判断を「ホールド」から「バイ」とし、目標株価を4300円から6300円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券によると、21年3月期は減益となるが業績の底打ちは見えており、22/3期営業利益は前期比55.8%増になると予想。この背景として、単なるコロナ禍の反動による回復だけではなく、従来は想定していなかったアパレル事業の環境の好転が理由としている。また、22年初めに上市の新製品「癒着防止剤」は同社にとってインパクトの大きな製品になる可能性が高いとして、23年3月期はメディカル部門を従来予想より売り上げ・利益とも上方修正しており、これら好材料を新たに業績予想に織り込んだとしている。
■キングジム <7962> 941円 +14 円 (+1.5%) 本日終値
キングジム<7962>がしっかり。23日の取引終了後、4月20日付で100万株(発行済み株数の3.08%)の自社株を消却すると発表しており、これが好材料視された。なお、消却後の発行済み株数は3145万9692株となる予定だ。
■イオン九州 <2653> 1,952円 +25 円 (+1.3%) 本日終値
イオン九州<2653>が反発。23日の取引終了後、集計中の21年2月期単独業績について、売上高3400億円から3481億円(前の期比56.5%増)へ、営業利益を18億円から31億円(同5.0倍)へ、純利益を4億円から19億円(同6.4倍)へ上方修正したことが好感された。下期は売上構成比の高い食品や、コロナ禍の需要に対応したホームセンター事業が好調に推移したことが奏功したことが要因としている。また、販促のデジタルシフトなど店舗運営コストの低減に継続して取り組んだことも寄与したという。
■キトー <6409> 1,718円 +5 円 (+0.3%) 本日終値
キトー<6409>が高い。午後1時ごろ、21年3月期の連結業績予想について、売上高を500億円から510億円(前期比13.2%減)へ、営業利益を41億円から44億5000万円(同18.7%減)へ、純利益を18億円から22億5000万円(同29.8%減)へ上方修正し、あわせて12円を予定していた期末配当予想を18円に引き上げたことが好感された。経済活動の再開に伴い需要の回復基調が継続したことに加えて、更なる生産性の向上と継続的なコスト削減に努めたことが奏功したという。なお、年間配当は30円(前期48円)となる予定だ。
■シンバイオ製薬 <4582> 1,263円 -400 円 (-24.1%) ストップ安 本日終値
シンバイオ製薬<4582>が急落。東京証券取引所がこの日、上場廃止にかかる猶予期間入り銘柄に指定したことが嫌気された。同社がきょう提出した有価証券報告書などで、最近4事業年度(17年12月期から20年12月期まで)における営業利益及び営業活動によるキャッシュ・フローの額がマイナスであることが確認されたためという。猶予期間は22年12月31日まで。
■日本航空 <9201> 2,372円 -200 円 (-7.8%) 本日終値
日本航空<9201> ANAホールディングス<9202>がいずれも急落し「空運」が業種別値下がり率でトップに売り込まれた。また、業種別値下がり率第3位は「海運」で日本郵船<9101> 商船三井<9104>など大手2社の下げが際立っている。欧州での新型コロナ感染再拡大を受け、グローバル景気の先行き不透明感が再び意識されている。米長期金利も急低下するなか、米国株市場では景気敏感セクターへの売りが顕在化した。東京市場でもこれまで景気敏感株物色の象徴となっていた空運、海運セクターは目先利益確定売りを浴びる形を余儀なくされている。
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株探ニュース