トレンドは出難いものの底堅さが意識される/オープニングコメント
16日の日本株市場は底堅い相場展開が見込まれる。15日の米国市場はNYダウが305ドル高、ナスダックは180ポイント高だった。3月小売売上高が10カ月ぶりの大幅な伸びを記録したほか、週次新規失業保険申請件数も予想以上に減少したため強い景気回復への期待も強まり、終日堅調に推移。長期金利の低下を受けたハイテク株の買いも目立ち、相場を支援した。シカゴ日経225先物清算値は大阪比130円高の29750円。円相場は1ドル108円70銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から買い先行の展開から始まろう。米国市場では前日に売られていたハイテク株が買い戻されており、エヌビディアはアナリストによる投資判断引き上げを受けて5%を超える上昇となった。AMDの上昇率も5%を超えており、ハイテク株主導による相場展開が期待されよう。また、昨日の模様眺めムードの一因となっていたTSMCの決算については、予想を上回る業績内容ではあったが、株価は2%を超える下落となっている。ただし、昨日の段階で慎重姿勢が見えていたことから、改めて嫌気される流れには向かわないとみておきたい。
日経平均は29500円処での底堅さを確認しており、25日移動平均線が支持線として機能している。一方で上値は5日線レベルでの攻防を続けており、大きなトレンドは出難いと考えられるものの、5日線レベルでの底堅さが意識される場面においては、押し目狙いのスタンスは次第に高まることになりそうだ。週末要因のほか、米国では決算発表が本格化していることもあり、米国の流れを受けた買い一巡後は狭いレンジでのこう着に向かわせやすいところ。しかし、押し目狙いのスタンスにより底堅さは意識されやすいだろう。
物色の流れとしては昨日のバリューシフトからグロースへのリバランスを想定。そのため、TOPIX型から225型優位の展開が見込まれよう。また、決算など個別に材料の出ている銘柄での日替わり物色のほか、ナスダックの上昇やハイテク株高によるセンチメント改善を受けて、マザーズなどの中小型株には個人主体の短期値幅取り狙いの資金が向かいやすい。マザーズ指数も25日線を支持線として機能させる一方で、5日、75日線レベルでの攻防を見せている。もち合いを上放れてくる兆しをみせてくるようだと、指数寄与度の大きい時価総額上位銘柄へはリバウンド狙いの資金が集中しやすい。
《AK》