話題株ピックアップ【夕刊】(3):野村、三菱UFJ、日東電

注目
2021年4月28日 15時26分

■野村ホールディングス <8604>  591.9円  +9 円 (+1.5%)  本日終値

野村ホールディングス<8604>が続伸し3月末以来となる600円台に乗せる場面があったほか、証券株が軒並み高となり業種別騰落率でも東証1部33業種中トップに買われる状況となった。市場では「野村は前日に決算を発表しアルケゴス関連の損失も発表したが、これがアク抜け感につながった。同社株はショートポジションの解消もあって底値離脱の動きをみせている。この流れが証券セクター全体に波及する形となった」(国内投資顧問ストラテジスト)という。ここ全体相場が変調で売買代金も減少傾向にあることから、証券株や銀行株は空売りの動きが観測されていたもようで、足もとではその巻き戻しが反映されたとみられる。

■ミライトHD <1417>  1,790円  +27 円 (+1.5%)  本日終値

ミライト・ホールディングス<1417>が4日ぶりに反発。27日の取引終了後、21年3月期の連結経常利益を従来予想の243億円(前の期比4.7%増)から313億円(同34.9%増)へ上方修正すると発表。従来の4期連続での過去最高益予想を更に上乗せする形となり、これが好感された。コロナ禍でも主力の通信設備関連工事を継続できたことに加え、リモート環境整備に伴う需要の拡大や文教向けPC販売の増加などを背景に、NTT事業、マルチキャリア事業、ICTソリューション事業が伸長した。また、地域通建会社との経営統合効果や業務効率化の推進などで、完成工事総利益率と販管費率が改善したことも上振れの要因となった。

■三菱UFJ <8306>  583.7円  +8.1 円 (+1.4%)  本日終値

三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>や三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>といったメガバンクが高い。27日のニューヨーク債券市場で、米国の景気回復期待を背景に米10年債利回りは前の日に比べ0.045%高い1.618%に上昇した。これを受け、長短金利差拡大に伴う業績好転期待から米国市場ではJPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカなどが上昇。東京市場でも三菱UFJなど銀行株が買われた。

■日本瓦斯 <8174>  1,872円  +26 円 (+1.4%)  本日終値

日本瓦斯<8174>が3日ぶりに反発。同社は27日取引終了後、21年3月期の業績を発表するとともに増配と自社株買い、自社株消却の実施を明らかにしたことが好感された。21年3月期の連結営業利益は前の期比18.3%増の136億2700万円と最高益を更新、22年3月期の同利益も前期比6.4%増の145億円が見込まれている。同時に今期配当は前期から実質増額し50円にする予定。また、自社株買いも発表しており、200万株(発行済み株式数の1.7%)、40億円を上限に取得期間は4月28日から22年3月31日まで。更に自社株の消却も実施し発行済み株式数の1.7%の198万7800株を5月20日付で消却する。この日は好業績に加え積極的な株主還元を評価する買いも流入した。

■理想科学工業 <6413>  1,351円  +7 円 (+0.5%)  本日終値

理想科学工業<6413>は続伸。同社は27日取引終了後、21年3月期業績予想の増額修正と増配を発表したことが好感された。売上高は677億円から684億円(前の期比12.4%減)に修正したほか、純利益は7億円から16億5000万円(同2.4倍)に見直した。第4四半期(1~3月)に販売が前回予想を上回る見通しとなったほか、未実現利益の消去にかかる繰延税金資産を計上できる見込みとなったことが純利益を押し上げた。更に、期末一括配当は従来予想から25円増の40円(前期比25円増)とすることも明らかにした。

■日東電工 <6988>  9,090円  +30 円 (+0.3%)  本日終値

日東電工<6988>が反発。岩井コスモ証券は27日、同社株の投資判断「B+」を継続するとともに、目標株価を8000円から1万500円に引き上げた。21年3月期の連結営業利益は前の期比35%増の938億900万円と好調。情報機能材料に追い風が吹き、オプトロニクス事業が急回復した。22年3月期の同利益は前期比19%増の1120億円(会社予想1050億円)と4期ぶりに1000億円の大台を上回る見通しだ。インダストリアルテープ(工業用テープ)が牽引役となる見込み。安定成長が期待できることを評価し、目標株価を引き上げている。

■岩谷産業 <8088>  6,750円  +20 円 (+0.3%)  本日終値

岩谷産業<8088>は3日ぶりに反発。27日の取引終了後、集計中21年3月期連結業績について、営業利益が247億円から299億円(前の期比4.1%増)へ、純利益が173億円から232億円(同10.5%増)へ上振れ、減益予想から一転して営業増益で着地したようだと発表しており、これが好感された。新型コロナウイルスの影響により在宅率が上昇し消費者向け商品の販売が増加したものの、工業分野向け主力商品の販売が減少したことが響き、売上高は6775億円の予想に対して6355億円(同7.5%減)へ下振れた。ただ、LPガスについて相対的に安値の在庫を販売したことに加え、営業活動の制限により販管費が減少したことが業績に貢献した。更に、株式持ち合い解消に伴う投資有価証券売却益の発生も寄与した。

■アンリツ <6754>  2,207円  -179 円 (-7.5%)  本日終値  東証1部 下落率7位

アンリツ<6754>が大幅安。同社が27日取引終了後に発表した21年3月期決算発表は、営業利益が前の期比13%増の196億5100万円と2ケタ成長を確保した。また、22年3月期は前期比4%増の205億円を見込んでいる。通信計測器大手で高速通信規格5G関連の需要を取り込み利益を伸ばしている。ただ、今期については伸び率が大幅鈍化し事前の市場コンセンサスに届かなかった。5G関連のシンボルストックに位置づけられている銘柄で、マーケットの注目度も高かっただけに売りを誘発する形となった。

■メタウォーター <9551>  2,061円  -162 円 (-7.3%)  本日終値  東証1部 下落率8位

27日に決算を発表。「今期経常は23%減益へ」が嫌気された。

メタウォーター <9551> が4月27日大引け後(15:00)に決算を発表。21年3月期の連結経常利益は前の期比35.9%増の110億円に拡大したが、22年3月期は前期比23.1%減の85億円に減る見通しとなった。

⇒⇒メタウォーターの詳しい業績推移表を見る

■カノークス <8076>  856円  +150 円 (+21.3%) ストップ高   本日終値

カノークス<8076>がストップ高。27日の取引終了後、集計中の21年3月連結業績について、営業利益が7億1800万円から8億3200万円(前の期比45.4%減)へ、純利益が4億5600万円から6億2700万円(同44.4%減)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。売上高は1057億5200万円から1057億1800万円(同14.9%減)へ下振れたものの、経費圧縮の効果や雇用調整助成金の収入があったことが寄与した。同時に、従来10円を予定していた期末配当を25円にすると発表。年間配当は30円(前の期37円)となる。

■新内外綿 <3125>  609円  +100 円 (+19.7%) ストップ高   本日終値

新内外綿<3125>が100円高はストップ高となる609円に買われた。シキボウ<3109>がきょうの前引け後に、株式交換により連結子会社の新内外綿を完全子会社化すると発表しており、これが材料視された。内外綿株式1株に対して、シキボウの普通株式0.64株が割り当て交付される。効力発生日は21年7月26日で、同株式交換に伴い7月20日付で内外綿は上場廃止となる予定だ。あわせて発表した21年3月期決算は、売上高29億3900万円(前の期比27.9%減)、営業損益2億3000万円の赤字(前の期8500万円の赤字)だった。

●ストップ高銘柄

東京ボード工業 <7815>  661円  +100 円 (+17.8%) ストップ高   本日終値

など、3銘柄

●ストップ安銘柄

なし

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