前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

注目
2021年4月30日 5時30分

■デンソー <6902>  7,285円 (+446円、+6.5%)

デンソー <6902> が大幅反発。28日11時10分に連結決算(国際会計基準)を発表。21年3月期の税引き前利益は前の期比2.2倍の1937億5300万円だった。続く22年3月期の同利益予想は前期比2.3倍の4510億円と4期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなり、これを好感する買いが入った。前期は新型コロナウイルス感染拡大の影響で第1四半期に車両販売が大幅に減少し減収となったが、体質変革を進めたことで大幅増益を達成した。今期は半導体などの需給不安があるものの、予防安全製品の販売拡大や車両電動化の進展、固定費削減などを通じて増収増益を見込む。

■SBテク <4726>  3,475円 (+210円、+6.4%)

SBテクノロジー <4726> が続急伸。同社は27日大引け後に決算を発表。21年3月期の連結経常利益は前の期比31.3%増の39.8億円に拡大し、22年3月期も前期比8.0%増の43億円に伸びを見込み、3期連続で過去最高益を更新する見通しとなった。3期連続増益になる。同時に、前期の年間配当を30円→40円(前の期は30円)に増額し、今期も40円を継続する方針とした。

■ネットワン <7518>  3,655円 (+210円、+6.1%)

ネットワンシステムズ <7518> が続急伸。27日の取引終了後に発表した21年3月期の連結業績で経常利益は前の期比11.1%増の182億800万円に伸びて着地。続く22年3月期は前期比20.8%増の220億円と3期連続で過去最高益を更新する見通しとなり、これが好材料視された。前期業績はGIGAスクール案件の獲得が収益拡大に大きく貢献した。今期は法人向けでデジタル化、セキュリティー強化、クラウド活用、働き方改革のビジネスを拡大するほか、全国的に更新需要が高まる自治体情報セキュリティー案件の獲得に注力する構えだ。GIGAスクール案件は剥落を想定している。業績好調に伴い、前期の年間配当を48円から64円(前の期は45円)に増額し、今期も前期比8円増の72円に増配する方針としたことも好感された。

■東急不HD <3289>  623円 (+32円、+5.4%)

東急不動産ホールディングス <3289> が大幅高で5日続伸。27日の取引終了後、集計中の21年3月期連結業績について、売上高が8950億円から9070億円(前の期比5.8%減)へ、営業利益が440億円から565億円(同28.8%減)へ、純利益が170億円から215億円(同44.3%減)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。分譲マンション事業、売買仲介事業、再生可能エネルギー事業などが想定より好調となったほか、全社的な費用削減の取り組みなどが寄与した。

■ノリタケ <5331>  3,550円 (+135円、+4.0%)

ノリタケカンパニーリミテド <5331> が大幅高で4日ぶりに反発。27日の取引終了後、集計中の21年3月連結業績について、売上高が1050億円から1070億円(前の期比11.3%減)へ、営業利益が15億円から25億円(同40.6%減)へ、純利益が20億円から28億円(同18.0%減)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。工業機材事業の自動車関連及びセラミック・マテリアル事業の電子部材の売り上げが想定を上回ったことに加えて、コロナ禍での費用抑制や子会社での退職給付費用の圧縮などが業績に貢献したとしている。また、期末に向け為替の円安によるプラス効果も寄与した。

■NECキャピ <8793>  1,970円 (+64円、+3.4%)

NECキャピタルソリューション <8793> が大幅高で3日続伸。27日の取引終了後に発表した21年3月期の連結経常利益は前の期比33.0%減の60億8900万円に落ち込んだ。一方、22年3月期の同利益は前期比64.2%増の100億円にV字回復する見通しとなり、これを好感する買いが入った。前期業績はリサ・パートナーズが展開するリサ事業が、前の期にファンドによる大型の営業投資有価証券の売却や販売用不動産の売却があったことの反動で業績が縮小したことが響いた。今期は賃貸・割賦事業の伸長に加え、リサ社ののれん償却費用減少と新規事業の収益化を見込み、増収増益を計画する。併せて、今期の年間配当は前期比4円増の64円に増配する方針としたことも好材料視された。

■図研 <6947>  2,971円 (+79円、+2.7%)

図研 <6947> が反発。27日の取引終了後、集計中の21年3月期連結業績について、営業利益が27億円から28億9000万円(前の期比14.8%減)へ、純利益が17億5000万円から21億3000万円(同17.9%減)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。売上高は290億円から288億円(同1.7%減)へ下振れたものの、第4四半期も新型コロナウイルス感染拡大に伴う企業活動の制限や、リモートワークを推進するなど業務の効率化による諸経費の圧縮が継続され利益を押し上げた。また、円安の進行による為替差益が発生したことも寄与した。

■ファナック <6954>  25,930円 (+515円、+2.0%)

ファナック <6954> が反発。同社は27日取引終了後、21年3月期の決算を発表したが、営業利益は前の期比27%増の1125億1400万円と高水準の伸びを達成。パソコンやタブレットなど情報端末の金属加工に使う切削加工機の売り上げが伸びているほか、工作機械用数値制御装置などが業績に寄与した。また、22年3月期営業利益は前期比32%増の1484億円を見込んでいる。ただ、市場コンセンサスには届かず、目先上値も重い。もっとも今月中旬以降、株価は調整色を強めていたこともあり下値に対する抵抗力も発揮している。

■トヨタ <7203>  8,299円 (+127円、+1.6%)

トヨタ自動車 <7203> が4日ぶりに反発。株価は4月下旬に入って下値模索の動きが続いてきたが、目先75日移動平均線近辺でリバウンド狙いの買いが入ってきた。半導体不足による生産調整などが引き続き警戒されるものの、買いの根拠に挙げられるのが外国為替市場での円安進行だ。直近は米10年債利回りが反転局面にあり、27日は終値ベースで2週間ぶりに1.6%台を回復。これを受け日米金利差拡大思惑からドル・円相場でドル買いの動きを誘発、28日は1ドル=108円90銭近辺の推移となった。上場企業の中でも群を抜いて為替感応度の高い同社株は輸出採算改善に伴う収益メリットを材料視した買いを誘導した。また、直近では同社とイオン <8267> が協業体制で脱炭素化に取り組むとの日経新聞報道なども株価を刺激したもようだ。

■野村 <8604>  591.9円 (+9円、+1.5%)

野村ホールディングス <8604> が続伸し3月末以来となる600円台に乗せる場面があったほか、証券株が軒並み高となり業種別騰落率でも東証1部33業種中トップに買われる状況となった。市場では「野村は前日27日に決算を発表しアルケゴス関連の損失も発表したが、これがアク抜け感につながった。同社株はショートポジションの解消もあって底値離脱の動きをみせている。この流れが証券セクター全体に波及する形となった」(国内投資顧問ストラテジスト)という。ここ全体相場が変調で売買代金も減少傾向にあることから、証券株や銀行株は空売りの動きが観測されていたもようで、足もとではその巻き戻しが反映されたとみられる。

■ミライトHD <1417>  1,790円 (+27円、+1.5%)

ミライト・ホールディングス <1417> が4日ぶりに反発。27日の取引終了後、21年3月期の連結経常利益を従来予想の243億円(前の期比4.7%増)から313億円(同34.9%増)へ上方修正すると発表。従来の4期連続での過去最高益予想を更に上乗せする形となり、これが好感された。コロナ禍でも主力の通信設備関連工事を継続できたことに加え、リモート環境整備に伴う需要の拡大や文教向けPC販売の増加などを背景に、NTT事業、マルチキャリア事業、ICTソリューション事業が伸長した。また、地域通建会社との経営統合効果や業務効率化の推進などで、完成工事総利益率と販管費率が改善したことも上振れの要因となった。

■三菱UFJ <8306>  583.7円 (+8.1円、+1.4%)

三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> や三井住友フィナンシャルグループ <8316> 、みずほフィナンシャルグループ <8411> といったメガバンクが高い。27日のニューヨーク債券市場で、米国の景気回復期待を背景に米10年債利回りは前日27日に比べ0.045%高い1.618%に上昇した。これを受け、長短金利差拡大に伴う業績好転期待から米国市場ではJPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカなどが上昇。東京市場でも三菱UFJなど銀行株が買われた。

■日ガス <8174>  1,872円 (+26円、+1.4%)

日本瓦斯 <8174> が3日ぶりに反発。同社は27日取引終了後、21年3月期の業績を発表するとともに増配と自社株買い、自社株消却の実施を明らかにしたことが好感された。21年3月期の連結営業利益は前の期比18.3%増の136億2700万円と最高益を更新、22年3月期の同利益も前期比6.4%増の145億円が見込まれている。同時に今期配当は前期から実質増額し50円にする予定。また、自社株買いも発表しており、200万株(発行済み株式数の1.7%)、40億円を上限に取得期間は4月28日から22年3月31日まで。更に自社株の消却も実施し発行済み株式数の1.7%の198万7800株を5月20日付で消却する。28日は好業績に加え積極的な株主還元を評価する買いも流入した。

※28日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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