話題株ピックアップ【夕刊】(1):冶金工、EPS、船井総研HD
■日本冶金工業 <5480> 2,494円 +408 円 (+19.6%) 本日終値 東証1部 上昇率3位
日本冶金工業<5480>に物色人気集中、寄り付き大口の買い注文に商いが成立せず気配値で水準を切り上げる展開となった。同社はニッケル系を中心とするステンレス鋼専業メーカー大手で足もと世界的に販売好調な自動車向けで需要を取り込んでいる。前週末7日取引終了後に発表した21年3月期決算は営業利益段階で前の期比22%減の61億4500万円と減益だったが、これは株価には織り込み済みだった。一方、22年3月期は一転して前期比51%増の93億円を予想しており、年間配当も前期実績比25円増配の70円を計画、これがポジティブ視された。加えて、同日に発行済み株式数の1%に相当する15万7000株、2億5000万円を上限とする自社株買いを実施することを発表したことも買い人気を増幅させた。
■ローランド <7944> 5,320円 +705 円 (+15.3%) ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率4位
ローランド<7944>がストップ高の5320円に買われた。前週末7日の取引終了後、21年12月期の連結業績予想について、売上高を684億円から788億円(前期比23.0%増)へ、営業利益を75億円から108億円(同51.8%増)へ、純利益を52億円から77億円(同79.0%増)へ上方修正したことが好感された。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う工場稼働率の低下に備え、同社では前期末に一時的に在庫水準を高めていたが、継続的な強い電子楽器需要を受けて、第1四半期に積み上げた在庫を想定以上の速さで消化したことや、重大な工場稼働率低下が発生しなかったことなどが要因。また、引き続き強い電子楽器需要の継続を見込んでいることも織り込んだ。なお、同時に発表した第1四半期(1~3月)決算は、売上高223億5500万円(前年同期比56.5%増)、営業利益46億1000万円(同4.2倍)、純利益34億2300万円(同5.2倍)だった。
■EPSホールディングス <4282> 1,400円 +180 円 (+14.8%) 本日終値 東証1部 上昇率5位
EPSホールディングス<4282>が4連騰で一時、15.6%高の1410円に買われ、年初来高値を更新した。前週末7日の取引終了後、21年9月期の連結業績予想について、売上高を698億円から750億円(前期比12.5%増)へ、営業利益を48億円から55億円(同20.8%増)へ、純利益を26億円から33億円(同65.4%増)へ上方修正したことがポジティブサプライズとなったようだ。上期決算が順調な進捗となったことに加えて、尚捷集団やCACクロアを買収した効果も織り込んだ。また、5月30日に創業30周年を迎えることから、中間配当は2円50銭の記念配当を含め12円50銭にするとあわせて発表しており、年間配当は22円50銭(前期20円)となる予定だ。なお、同時に発表した第2四半期累計(20年10月~21年3月)決算は、国内CRO(医薬品開発受託機関)事業やCSO(医薬品販売事業受託機関)事業が伸長し、売上高353億9000万円(前年同期比5.1%増)、営業利益38億700万円(同41.9%増)、純利益26億1700万円(同36.5%増)だった。
■船井総研HD <9757> 2,269円 +275 円 (+13.8%) 本日終値 東証1部 上昇率7位
7日に決算を発表。「1-3月期(1Q)経常は14%増益で着地」が好感された。
船井総研ホールディングス <9757> が5月7日大引け後(15:30)に決算を発表。21年12月期第1四半期(1-3月)の連結経常利益は前年同期比14.0%増の17.3億円に伸び、1-6月期(上期)計画の28億円に対する進捗率は61.9%に達し、5年平均の51.3%も上回った。
■メンバーズ <2130> 2,976円 +333 円 (+12.6%) 本日終値 東証1部 上昇率8位
メンバーズ<2130>がカイ気配スタートで3連騰。同社はネット広告の仲介やWebサイトのデザイン制作などのほか、デジタル人材の育成・派遣にも注力し、これが奏功して業績成長トレンドが鮮明だ。前週末7日取引終了後、21年3月期決算を発表したが、トップラインの伸びが顕著で前の期比14%増の120億8700万円と大幅な伸びを示した。営業利益は人材コスト増加などの影響で同1%増の12億6100万円と微増にとどまったが、続く22年3月期はトップラインが前期比26%増の152億円予想と拡大基調が一段と加速、営業利益も同43%増の18億円と急増を見込み過去最高利益更新が続く見通しとなった。21年3月期の年間配当を従来計画比1円増額の17円50銭とし、22年3月期については前期比6円増配となる23円50銭を計画している。これを好感する買いを呼び込む格好となった。
■トーモク <3946> 2,047円 +199 円 (+10.8%) 本日終値 東証1部 上昇率10位
トーモク<3946>が大幅に4日続伸し、年初来高値を更新した。同社は7日取引終了後に、22年3月期通期の連結業績予想を公表。営業利益見通しを前期比24.5%増の90億円としていることや、年間配当計画を前期比7円増配の52円としていることが好感されたようだ。売上高は同19.6%増の2100億円を見込む。主力の段ボール事業は、デジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みによる労働生産性の向上や、海外での生産能力増強に向けた最新鋭の設備導入を進める計画。住宅事業ではWEB対策や法人営業を強化し、運輸倉庫事業では複合物流センター「TLP(TohunLogisticsProvider)」ブランドの展開などによる売り上げ拡大を図るとしている。
■日本システムウエア <9739> 2,215円 +161 円 (+7.8%) 本日終値
日本システムウエア<9739>は後場急伸し年初来高値を更新。午前11時30分ごろに発表した22年3月期の連結業績予想で、売上高420億円(前期比6.9%増)、営業利益43億円(同2.4%増)、純利益29億5000万円(同6.7%増)と連続で営業最高益更新を見込むことが好感された。経営やビジネスモデルの変革にITを活用するデジタルトランスフォーメーション(DX)や、新型コロナウイルス感染症の影響で浸透した新しい働き方などに関連する需要の拡大を見込む。なお、21年3月期決算は、売上高392億8200万円(前の期比2.6%増)、営業利益41億9700万円(同8.7%増)、純利益27億6500万円(同3.6%増)だった。
■松風 <7979> 2,137円 +144 円 (+7.2%) 本日終値
松風<7979>が大幅高で3日ぶりに反発し、年初来高値を更新。前週末7日の取引終了後、集計中の21年3月期連結業績について、売上高が232億8700万円から246億8000万円(前の期比5.5%減)へ、営業利益が17億3300万円から23億円(同4.1%増)へ、純利益が10億7200万円から16億7400万円(同2.4倍)へ上振れ、減益予想から一転して営業増益で着地したようだと発表しており、これが好感された。新型コロナウイルス感染症の影響による歯科診療の受診機会の減少や、営業活動の制限などにより減収を余儀なくされたものの、国内、海外ともに想定よりも回復が早かったことが要因。また、見込みに比べて広告宣伝費用などの販管費が減少し、為替差益などの営業外収益が増加したことも寄与した。なお、期末配当は10円から21円へ引き上げられ、年間配当は29円(前の期26円)となる。
■JFE <5411> 1,725円 +116 円 (+7.2%) 本日終値
7日に決算を発表。「前期税引き前が上振れ着地・今期は黒字浮上へ」が好感された。
ジェイ エフ イー ホールディングス <5411> が5月7日大引け後(15:00)に決算(国際会計基準=IFRS)を発表。21年3月期の連結税引き前損益は49.3億円の赤字(前の期は2134億円の赤字)に赤字幅が縮小し、従来予想の230億円の赤字を上回って着地。22年3月期は1900億円の黒字に浮上する見通しとなった。
■扶桑化学工業 <4368> 4,280円 +280 円 (+7.0%) 本日終値
7日に決算を発表。「今期経常は5%増益、2円増配へ」が好感された。
扶桑化学工業 <4368> が5月7日大引け後(16:00)に決算を発表。21年3月期の連結経常利益は前の期比8.8%増の97.4億円になり、22年3月期も前期比4.7%増の102億円に伸びる見通しとなった。
株探ニュース