話題株ピックアップ【夕刊】(2):宇部興産、三井化学、旭化成
■アース製薬 <4985> 6,480円 +430 円 (+7.1%) 本日終値
アース製薬<4985>は急反発。12日の取引終了後に発表した21年12月期第1四半期(1~3月)の連結決算は、売上高492億7800万円(前年同期比8.4%増)、経常利益82億600万円(同59.6%増)となり、これが好材料視された。主力の虫ケア用品が好調な初動をみせたほか、新型コロナウイルス感染拡大による需要変化を背景に入浴剤が大きく伸びた。また、販売構成比の良化に伴う原価率の改善に加え、マーケティング費用を抑制したことも大幅増益に貢献した。
■バンドー化学 <5195> 794円 +48 円 (+6.4%) 本日終値
バンドー化学<5195>が後場急伸。同社はきょう午後1時40分頃に、21年3月期通期の連結決算を発表。売上収益は前の期比9.8%減の813億7100万円(従来予想は800億円)、営業利益は同2.6倍の53億7700万円(従来予想は45億円)で着地した。自動車部品事業などが回復したほか、利益面では徹底した原価低減活動が寄与した。また、期末配当を従来計画比4円増額の20円とすることも発表。中間配6円をあわせた年間配当は26円となる。22年3月期通期の連結業績予想については、売上収益が前期比10.6%増の900億円、営業利益が同20.9%増の65億円を見込む。年間配当は前期比6円増配の32円を計画している。
■メック <4971> 2,599円 +155 円 (+6.3%) 本日終値
メック<4971>が3日ぶりに急反発。12日の取引終了後、21年12月期上期(1~6月)の連結経常利益を従来予想の11億5000万円から18億5000万円(前年同期比64.3%増)へ引き上げると発表しており、これを好感する買いが向かった。新型コロナウイルス感染拡大によるパソコン・サーバーの旺盛な需要を背景に、半導体を搭載するパッケージ基板向け密着向上剤などの販売が想定より伸びる見込みとなった。また、薬品生産量の増加による利益率改善も上振れに大きく貢献する。併せて、通期の同利益も従来予想の25億円から32億円(前期比34.0%増)へ上方修正し、従来の2期連続での過去最高益予想を更に上乗せした。
■宇部興産 <4208> 2,379円 +127 円 (+5.6%) 本日終値
宇部興産<4208>は逆行高、一時169円高の2421円まで上値を伸ばす場面があった。テクニカル的にも今週5日・25日移動平均線のゴールデンクロスを示現しており、戻り足を明示している。12日取引終了後に発表した22年3月期の業績予想は市況改善効果などを背景に営業利益が前期比43%増の370億円と急回復を見込んでいる。更に同日、発行済み株式数の5.9%相当の600万株、100億円を上限に自社株買いを実施することも併せて発表しており、これが株価に浮揚力を与える形となった。
■三井化学 <4183> 3,650円 +185 円 (+5.3%) 本日終値
三井化学<4183>が後場急伸。同社はきょう午後1時頃に、22年3月期通期の連結業績予想を公表。営業利益見通しを前期比44.7%増の1130億円としていることや、年間配当計画を前期比10円増配の110円としていることが好感されたようだ。売上収益は同15.5%増の1兆4000億円を予想。ICT関連材料やビジョンケア材料、農薬などの成長を見込んでいる。
■旭化成 <3407> 1,214円 +59 円 (+5.1%) 本日終値
旭化成<3407>が後場一段高。きょう昼ごろに発表した21年3月期の連結経常利益は前の期比3.2%減の1780億3600万円と減益着地になったものの、続く22年3月期は前期比10.1%増の1960億円に伸びる見通しとなり、これが好材料視された。今期は前期に新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けて低迷したマテリアル部門の収益回復を見込む。自動車関連市場や石化製品市況の回復が継続することに加え、衣料関連市場の緩やかな回復が追い風となり、大幅な増収増益を計画している。
■みずほリース <8425> 3,425円 +165 円 (+5.1%) 本日終値
12日に決算を発表。「今期経常は20%増で5期連続最高益、前期配当を8円増額・今期は18円増配へ」が好感された。
みずほリース <8425> が5月12日大引け後(15:00)に決算を発表。21年3月期の連結経常利益は前の期比3.1%増の275億円になり、従来予想の255億円を上回り、減益予想から一転して増益で着地。22年3月期も前期比19.8%増の330億円に伸びを見込み、5期連続で過去最高益を更新する見通しとなった。6期連続増益になる。同時に、前期の年間配当を84円→92円(前の期は82円)に増額し、今期も前期比18円増の110円に増配する方針とした。
■セブン&アイ <3382> 4,820円 +228 円 (+5.0%) 本日終値
セブン&アイ・ホールディングス<3382>が4日ぶり急反発に転じた。5月7日につけた年初来高値4871円を上回り年初来高値に買われた。米有力アクティビストとして存在感を示すバリューアクト・キャピタルが12日、同社の株式を4.4%まで取得したとのメディア報道が株価を強く刺激する格好となった。セブン&アイはコンビニエンスストア事業を展開する「セブンイレブン」がグループの利益中枢となっているが、このコンビニ事業を分離し独立させた場合、企業価値は大幅に高まるという主張が背景にあるとみられる。市場では「コンビニ事業のスピンオフについてはその通りだが、現時点ではまだ発言力は乏しいだろう。逆に(バリューアクトが)今後も同社株を買い増す可能性が高いとの見方で、短期筋が値上がりを見込んだ買いを入れているもようだ」(ネット証券マーケットアナリスト)という。
■MDV <3902> 1,896円 +79 円 (+4.4%) 本日終値
メディカル・データ・ビジョン<3902>が大幅高で5日ぶりに反発。12日の取引終了後に発表した21年12月期第1四半期(1~3月)の連結決算は、売上高14億2900万円(前年同期比37.1%増)、経常利益4億5300万円(同98.7%増)に拡大しており、これが好感された。データ利活用サービスで製薬会社向けを中心に大規模診療データベースを活用した調査・分析サービスが大きく伸びた。また、子会社Doctorbookの医療動画配信サービスの売り上げが拡大したことに加え、システム ビィー・アルファの新規連結効果も寄与した。
■王子ホールディングス <3861> 756円 +31 円 (+4.3%) 本日終値
王子ホールディングス<3861>が後場動意づき、年初来高値を更新した。同社はきょう午後1時頃に、22年3月期通期の連結業績予想を公表。営業利益見通しを前期比41.5%増の1200億円としていることが好感されたようだ。売上高は同6.7%増の1兆4500億円を予想している。引き続き「国内事業の収益力アップ」「海外事業の拡充」「イノベーションの推進」に注力するほか、緩やかな市況回復やパルプ販売価格の上昇を見込んでいる。
株探ニュース