利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第1弾 38社選出 <成長株特集>
本特集では、4月下旬から5月中旬までの決算発表集中期間に配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。今回は総集編 第1弾として、時価総額1000億円以上の東証1部銘柄を対象に、21年1-3月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。
下表では、本決算月にかかわらず、1-3月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を3%以上、上振れて更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している38社を選び出し、1-3月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのは、産業ロボット用精密減速機や自動ドアで高シェアを誇る制御機器大手のナブテスコ <6268> 。21年1-3月期(第1四半期)の経常利益は1244億円と過去最高だった直前の10-12月期を9.6倍も上回って着地。協業関係を解消したハーモニック・ドライブ・システムズ <6324> [JQ]の持ち分法適用除外に伴う評価益を計上したことが利益を大きく押し上げた。
2位に入ったサイバーエージェント <4751> の1-3月期(第2四半期)は、ゲーム事業で2月にリリースしたスマートフォン向け育成型ゲーム「ウマ娘プリティーダービー」、スクウェア・エニックスとの共同タイトル「NieR Re[in]carnation」がヒットした。また、インターネット広告事業は昨年の新型コロナウイルス感染拡大の影響から復調し、21四半期ぶりに経常利益の過去最高を塗り替えた。業績好調に伴い、21年9月期通期の同利益を5期ぶり最高益見通しへ大幅上方修正している。
3位のJCRファーマ <4552> は研究開発の進捗に基づく契約金収入が大幅に増加し、1-3月期(第4四半期)の経常利益は2四半期連続で過去最高を記録した。同時に発表した22年3月期の同利益は前期比2.2倍の187億円と2期連続の最高益更新を見込む。英アストラゼネカから受託している新型コロナウイルスワクチン原液の製造が収益を大きく押し上げる。
4位にリスト入りしたNECネッツエスアイ <1973> の1-3月期(第4四半期)は、投資が集中したGIGAスクール案件を獲得したほか、デジタルトランスフォーメーション(DX)技術を活用した働き方改革に関連したICTサービスや通信事業者向けインフラ整備などの注力領域も好調だった。また、プロジェクト管理の徹底に加え、不採算案件に対する損失引当金が減少したことも寄与し、売上高、経常利益ともに四半期ベースの過去最高を達成した。
5位のダイヘン <6622> は5G関連のインフラ整備に伴う半導体投資の拡大を背景に、半導体関連機器の販売が大きく伸びたことに加え、中国や台湾を中心に産業用ロボットの需要が回復し、1-3月期(第4四半期)の経常利益は過去最高だった前年同期を42.0%上回る63.5億円で着地。続く6位のニフコ <7988> は主力の合成樹脂成形品事業で自動車用ファスナーの販売が回復したほか、固定費の削減や円安進行による為替差損益の改善も利益を押し上げた。
18位にリストアップされたミライト・ホールディングス <1417> の1-3月期(第4四半期)は、ICTソリューション事業でオンライン授業やテレワークの普及を背景にLAN・Wi-Fi工事が増加したうえ、GIGAスクール構想に関連するパソコンやサーバーを販売し、4四半期ぶりに最高益を塗り替えた。同時に、22年3月期の連続最高益見通しや増配予想、自社株買いの実施を発表したことも好感され、株価は5月25日に1987年以来、実に約34年ぶりとなる2000円大台乗せを果たしている。
27位に入ったオカムラ <7994> の株価も頑強な動きをみせる。1-3月期(第4四半期)は食品スーパーを中心とする旺盛な改装需要を取り込んだほか、コロナ禍での働き方に対応したオフィス改装が本格化し、経常利益は前年同期比7.8%増の81.8億円に伸びた。続く22年3月期の同利益は前期比4.1%増の160億円と3期連続最高益を見込み、配当は同8円増の40円を計画している。好業績や意欲的な株主還元を背景に、株価は上値追い基調を続けている。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 1-3月 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<6268> ナブテスコ 859 124494 12979 367 163000 34907 5.4
<4751> サイバー 104 26097 12814 69.8 60000 35341 42.7
<4552> JCRファ 64.9 4443 2694 120 18700 8488 29.8
<1973> NESIC 50.3 11637 7742 2.0 26000 25493 16.2
<6622> ダイヘン 42.0 6353 4474 0.3 13800 13762 13.1
<7988> ニフコ 38.0 13291 9632 4.3 31700 30380 19.5
<1926> ライト 24.4 4288 3447 0.5 12200 12136 11.1
<4348> インフォコム 23.0 3723 3026 0.6 11000 10936 22.3
<6326> クボタ 20.8 78318 64844 5.1 225000 214007 19.0
<1824> 前田建 20.7 15116 12523 0.7 46000 45665 7.9
<7518> ネットワン 17.2 7757 6616 20.8 22000 18208 19.0
<2412> ベネ・ワン 17.2 2898 2473 20.0 11830 9858 61.6
<3865> 北越コーポ 16.7 8014 6865 27.8 20000 15652 6.0
<4739> CTC 15.9 20905 18034 11.5 49000 43952 23.1
<3064> モノタロウ 15.5 6083 5266 25.8 24738 19671 71.4
<9746> TKC 15.4 5270 4568 0.1 11700 11685 22.3
<9682> DTS 15.3 3665 3179 0.6 11200 11131 15.7
<1417> ミライトHD 14.8 14741 12845 0.8 32000 31739 9.5
<4021> 日産化 14.2 19927 17448 2.3 44900 43893 23.9
<3769> GMO-PG 13.7 3600 3165 13.1 12426 10989 118
<9749> 富士ソフト 13.3 5162 4556 3.4 16900 16343 19.0
<8424> 芙蓉リース 12.7 14160 12568 4.2 50000 47996 7.1
<6544> Jエレベータ 9.6 1052 960 13.1 4200 3715 78.7
<1414> ショーボンド 9.4 5376 4913 16.2 15700 13507 23.6
<8088> 岩谷産 9.4 15596 14259 6.1 36500 34406 15.2
<2331> ALSOK 9.2 12969 11881 10.9 43500 39212 18.6
<7994> オカムラ 7.8 8186 7596 4.1 16000 15377 12.7
<7309> シマノ 7.6 36948 34343 8.3 109500 101110 27.9
<1721> コムシスHD 7.1 19109 17845 1.3 43500 42941 13.6
<8096> 兼松エレク 6.5 4691 4405 4.2 11500 11041 13.4
<4206> アイカ 6.0 6247 5894 0.3 21400 21333 19.6
<6965> ホトニクス 5.8 9371 8856 0.0 28100 28088 49.8
<2326> デジアーツ 5.5 1009 956 23.7 3700 2991 44.2
<5344> MARUWA 5.3 2917 2769 6.5 11000 10330 17.8
<7164> 全国保証 5.3 17088 16227 1.0 39400 38991 11.8
<8035> 東エレク 5.1 111451 106035 37.2 442000 322103 22.8
<3076> あいHD 3.8 2641 2544 0.1 9300 9291 18.1
<2491> Vコマース 3.1 1838 1782 19.6 7500 6271 32.4
※ 2020年1月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
株探ニュース