10日の米国市場ダイジェスト:NYダウ19ドル高、長期金利低下でハイテク株に買い

市況
2021年6月11日 7時44分

■NY株式:NYダウ19ドル高、長期金利低下でハイテク株に買い

米国株式市場は反発。ダウ平均は19.10ドル高の34466.24ドル、ナスダックは108.58ポイント高の14020.33で取引を終了した。朝方発表された5月CPIは市場予想を上回ったものの、連邦準備制度理事会(FRB)が金融緩和の縮小を急ぐほどではないと受け止められ、買いの安心感が広がった。週次新規失業保険申請件数も市場予想は上回ったものの、前週より減少し、労働市場の回復が続いていることが確認された。足元で売られていた景気敏感株が買い戻され、長期金利の低下はハイテク株など、PERの高い銘柄への買いを誘った。ダウは引けにかけて上げ幅を縮小し小幅高、ナスダックは終日堅調に推移した。セクター別では、医薬品・バイオテクが大きく上昇した一方、銀行、耐久消費財・アパレルが下げた。

高級家具小売りのRH(RH)は決算が市場予想を上回る内容で急伸。通期の見通しも上方修正した。企業管理ソフトウエアを手掛けるサービスナウ(NOW)は、ゴールドマン・サックスが強い買い推奨銘柄「コンビクションバイ」リストに追加したことを受けて、上昇した。ゲーム販売会社のゲームストップ(GME)は、前日引け後にアマゾン・ドット・コム出身者をトップに起用する人事と新株発行を伴う資金調達計画を発表し、下落。証券取引委員会(SEC)から調査を受けていると明らかにしたことも嫌気された。住宅市場の需要の減退が指摘され、DRホートン(DHI)やレナ?(LEN)などの住宅建設会社が軒並み下落した。

石油輸出国機構(OPEC)は10日に公表した月報で、今年の原油需要見通しを据え置いた。下期に石油需要の回復が加速すると見込んでいる。

Horiko Capital Management LLC

■NY為替:米物価・雇用指標受けドル買い後、長期金利低下で売り

10日のニューヨーク外為市場でドル・円は、109円80銭まで上昇後、109円31銭まで下落し、109円32銭で引けた。米国の5月消費者物価指数の予想を上回る伸び拡大、週次新規失業保険申請件数の一段の減少を受けて、ドル買いが先行。その後、今週の国債入札を順調に終えて10年債利回りが1.43%台まで低下し、ドル売りになった。

ユーロ・ドルは1.2144ドルから1.2195ドルで上下し、1.2176ドルで引けた。ユーロ・円は133円76銭まで上昇後、133円04銭まで下落した。欧州中央銀行(ECB)の成長率やインフレ率の予測引き上げでユーロ買い、ラガルドECB総裁の量的緩和縮小の議論は尚早との発言でユーロ売りになった。

ポンド・ドルは1.4086ドルまで下落後、1.4178ドルまで上昇。前日のブレグジットをめぐる懸念はいったん後退し、ポンドの買い戻しが目立ったもよう。ドル・スイスフランは0.8991フランまで上昇後、0.8941フランまで下落した。

■NY原油:やや反発で70.29ドル、原油需要増大の思惑も

NY原油先物7月限は、やや反発(NYMEX原油7月限終値:70.29 ↑0.33)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は、前営業日比+0.33ドルの70.29ドルで通常取引終了。時間外取引を含めた取引レンジは68.68ドル-70.65ドル。石油輸出国機構(OPEC)の6月月報で「世界の石油需要回復が下期に勢いを増す見通し」と指摘されたことから、70.65ドルまで買われた。その後、「米政府はイランの元石油当局者に対する制裁を一部解除」との報道で一時68.68ドルまで下落したが、米国株高を意識した買いが入っており、時間外取引で70ドル台に戻している。

■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC) 41.69ドル -0.63ドル(-1.49%)

モルガン・スタンレー(MS) 91.68ドル -0.99ドル(-1.07%)

ゴールドマン・サックス(GS)373.94ドル -8.84ドル(-2.31%)

インテル(INTC) 57.38ドル +0.38ドル(+0.67%)

アップル(AAPL) 126.11ドル -1.02ドル(-0.80%)

アルファベット(GOOG) 2521.60ドル +30.20ドル(+1.21%)

フェイスブック(FB) 332.46ドル +2.21ドル(+0.67%)

キャタピラー(CAT) 225.73ドル -8.92ドル(-3.80%)

アルコア(AA) 37.42ドル -0.56ドル(-1.47%)

ウォルマート(WMT) 139.88ドル +0.80ドル(+0.58%)

《ST》

提供:フィスコ

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