話題株ピックアップ【昼刊】:タムラ、TOREX、三菱UFJ

注目
2021年6月17日 11時39分

■タムラ製作所 <6768>  851円  +150 円 (+21.4%) ストップ高買い気配   11:30現在  東証1部 上昇率トップ

タムラ製作所<6768>は続急騰、前日に値幅制限いっぱいに買われ大引けに買い物を残す人気となったが、きょうも勢いは衰えず、大量の買い注文に気配値のまま水準を切り上げる展開となっている。酸化ガリウムパワー半導体の開発に早くから取り組み業界を先駆しており、同社の技術を切り出して設立したベンチャー企業ノベルクリスタルテクノロジーが同分野の研究開発を推進している。このノベルクリスタルテクノロジーが酸化ガリウムの100ミリウエハーの量産に世界で初めて成功したことが伝わったことが、投資マネーの食指を動かした。次世代パワー半導体では、電力損失を大幅低減できるSiC(炭化ケイ素)やGan(窒化ガリウム)を使ったものが既に実用化されているが、最近では第3の次世代半導体として更に高性能かつ基板コストの低い酸化ガリウム製の半導体が注目されている。酸化ガリウム半導体は、従来のシリコン製に比べ消失電力をおよそ1000分の1まで縮小できる強みを持ち、価格も安く抑えられることで今後、再生可能エネルギーや電気自動車(EV)など脱炭素分野で急速な普及が見込まれている。その関連最右翼として同社株にスポットが当たった格好だ。

■TOREX <6616>  2,743円  +261 円 (+10.5%)  11:30現在  東証1部 上昇率2位

トレックス・セミコンダクター<6616>が急騰、全体地合い悪に逆行し一時14%を超える上昇をみせた。時価は株式分割考慮で2014年11月以来、約6年7カ月ぶりの高値圏を走っている。アナログ電源ICの製造販売を手掛けるが、車載向けなどで強みをもっている。米国や中国をはじめ世界的な自動車販売の好調で、収益環境に吹く追い風は強力で、21年3月期の営業78%増益に続き22年3月期も65%増益を見込むなど業績急拡大局面にある。脱炭素への取り組みと合わせ省電力ニーズが高まるなか、省電力ICのほかパワー半導体分野も注力している。タムラ製作所<6768>の株価急騰の材料となったノベルクリスタルテクノロジーには同社も出資していることで、物色人気を助長する形となった。

■第一稀元素化学工業 <4082>  1,914円  +124 円 (+6.9%)  11:30現在  東証1部 上昇率6位

第一稀元素化学工業<4082>は日経平均が400円近い下げをみせるなかで異彩の上昇をみせている。8%高の1932円まで上値を伸ばし、今月7日につけた上場来高値を更新、青空圏に再突入した。電材向けジルコニウム化合物を製造、自動車排ガス触媒材で群を抜くシェアを誇る。脱炭素関連のテーマにも乗る銘柄でここ注目を集めているが、足もと自動車排ガス触媒が好調で業績回復色が強まっていることが投資資金の流入を加速させている。22年3月期は営業利益段階で前期比1.5倍となる30億円を見込み、2円増配も計画している。

■UACJ <5741>  2,873円  +131 円 (+4.8%)  11:30現在  東証1部 上昇率9位

UACJ<5741>が急反発。株価は5月11日につけた年初来高値2940円まであと4円に迫る場面があった。SMBC日興証券が16日付で同社の投資判断を「2(中立)」から「1(強気)」に引き上げ、目標株価を前回の3000円から3500円に増額しており、これが好材料視されている。レポートでは、海外事業の収穫期入りに加え、国内における構造改革を評価。また、同社は業績下方修正を繰り返すことが多かったが、アルミ板市場と同社の収益構造は過去とは大きく変化していると指摘している。その理由として、(1)内需主体の構造から米国、タイ、日本の3拠点体制になった、(2)飲料缶向けの需要増加でアルミ板の需給逼迫、(3)不振の国内事業は不採算事業の整理と設備集約で復調する見通し、の3点を挙げている。

■フリュー <6238>  1,315円  +38 円 (+3.0%)  11:30現在

フリュー<6238>が続伸している。16日の取引終了後に発表した月次概況(速報)で、5月売上高は前年同月比82.5%増の26億6500万円となり、3カ月連続で前年実績を上回ったことが好感されている。プリントシール事業をはじめ、キャラクタMD事業、ゲーム事業の売上高が倍増となったほか、コンテンツ・メディア事業も2ケタ増収となっている。

■メイコー <6787>  3,295円  +70 円 (+2.2%)  11:30現在

メイコー<6787>が反発。17日付の日本経済新聞朝刊で「プリント基板大手のメイコーは2022年にも約100億円を投資して山形県に新工場を建設する」と報じられており、これが材料視されている。記事によると、国内の車向け先端基板の生産能力を3倍にするという。日本での大型投資は15年ぶりで、これまで家電や携帯電話向けの海外投資が中心だったが、車の電子化を進める国内の自動車メーカーに照準を合わせ先端部品の供給を拡大するとしている。22年3月期は3期ぶりの営業最高益見通しと業績が好調に推移するなか、需要が高まる車載向けの取り込みによる一段の成長に期待が膨らんでいるようだ。

■三菱UFJ <8306>  618.9円  +8.1 円 (+1.3%)  11:30現在

三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>がカイ気配スタートで3日続伸となったほか、第一生命ホールディングス<8750>も続伸するなどメガバンクや大手生保株に買いが優勢となっている。FOMCの結果を受け金融緩和策の縮小が予想以上のペースで進むとの見方から米長期金利が上昇、終値ベースで1.578%まで水準を切り上げた。前日の米国株市場ではNYダウが260ドルあまりの下げをみせたが、JPモルガンやバンカメなど大手金融株の一角は高く引けている。東京市場でも米国事業を展開する大手金融セクターには米長期金利上昇に伴う運用環境の改善がプラスの思惑として働いている。

■トヨタ自動車 <7203>  10,195円  +20 円 (+0.2%)  11:30現在

トヨタ自動車<7203>、ホンダ<7267>、日産自動車<7201>など自動車株が頑強な値動き。注目されたFOMCでFRBの金融緩和政策の正常化がマーケットのコンセンサスよりも早まるとの見方が強まり、米長期金利が急上昇、これを背景に外国為替市場では各国通貨に対してドルが買われる展開となった。ドル・円相場は1ドル=110円台後半まで一気に円安方向に振れており、これを背景に、輸出セクターのなかでも特に為替感応度の高い自動車株は輸出採算改善期待から買いを誘導する格好となっている。トヨタ、ホンダ、日産自いずれも22年3月期の想定為替レートは1ドル=105円で設定されており、実勢はそこから6円近い円安となっていることで業績予想上振れの思惑を呼んでいる。

■コーセル <6905>  1,115円  -44 円 (-3.8%)  11:30現在

コーセル<6905>は6日ぶりに反落している。16日の取引終了後、21年5月期の連結業績予想について、純利益を17億円から10億7700万円(前の期比3.6倍)へ下方修正しており、これが嫌気されているようだ。スウェーデン子会社の固定資産の一部で減損損失を認識し、10億9700万円の特別損失を計上することが要因。一方、新型コロナウイルス感染拡大を見越した先行発注による売り上げ増加や経費節減により、売上高は260億円から270億2000万円(同13.2%増)へ、営業利益は24億2000万円から30億2000万円(同81.1%増)へ上振れる見込み。

■日経レバ <1570>  15,870円  -460 円 (-2.8%)  11:30現在

NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>が続落。今週に入って約1カ月ぶりに75日移動平均線を上回ったが、きょうはマドを開けて売られ、再びこの同移動平均線を下回る不安定な動きとなっている。日経レバは日経平均株価に連動するETFで価格変動率は日経平均の2倍に基本設定されている。ボラティリティが高く、全体相場が上下に大きく振れる局面では個人投資家をはじめとした短期資金の売買が活発化する傾向がある。きょうは、全体相場が先物を絡め想定よりも押しが深くなり、必然的に日経レバに対する関心も高まった。売買代金は全上場企業の中で断トツとなったソフトバンクグループ<9984>を更に上回る水準をこなしている。

■ソフトバンクグループ <9984>  7,835円  -174 円 (-2.2%)  11:30現在

ソフトバンクグループ<9984>が3日続落。5月にMSCIの指数イベントに絡み急落したが、その後もジリ安の展開を強いられている。きょうは日経平均が先物主導で売り込まれており、日経平均寄与度の高い同社株は売り圧力に晒されている。また、同社が外資系金融機関から借り入れが急増しているとの報道もあり、これも株価の不安定要因となっているもようだ。株価はフシ目の8000円大台を割り込んだが、同社株が終値ベースで7000円台をつけたのは今年1月初旬までさかのぼる。PERは3倍と超割安圏にあるが、市場では「ビジネスモデル的に株価指標は下値を支えるストッパーとはならない」(国内証券ストラテジスト)としている。

■KNTCT <9726>  1,362円  -24 円 (-1.7%)  11:30現在

KNT-CTホールディングス<9726>が5日続落。株価は一時、前日に比べ約12%下落する場面があった。東京証券取引所は16日、同社株が上場廃止にかかる猶予期間に入ったと発表したことが嫌気された。同社が21年3月期で債務超過状態となったことが確認されたため。猶予期間は21年4月1日から23年3月31日まで。新型コロナウイルスの影響に起因するため、猶予期間は2年間としている。

■ジャフコ グループ <8595>  7,140円  -50 円 (-0.7%)  11:30現在

ジャフコ グループ<8595>はしっかり。16日の取引終了後、6月29日付で333万株(発行済み株数の11.0%)の自社株を消却すると発表した。なお、消却後の発行済み株数は2697万株となる予定だ。

■平山ホールディングス <7781>  1,550円  +198 円 (+14.6%)  11:30現在

16日に業績修正を発表。「今期配当を8円増額修正」が好感された。

平山ホールディングス <7781> [JQ] が6月16日大引け後(16:00)に配当修正を発表。21年6月期の期末一括配当を従来計画の30円→38円(前期は30円)に増額修正した。

⇒⇒平山ホールディングスの詳しい業績推移表を見る

■ファンペップ <4881>  503円  +36 円 (+7.7%)  11:30現在

ファンペップ<4881>が急伸、400円台後半のもみ合いを一気に上放れてきた。同社は昨年12月に東証マザーズに上場したニューフェースで、機能性ペプチドを用いた医薬品の研究開発を行っている。16日取引終了後、機能性ペプチド「SR-0379」の皮膚潰瘍患者を対象とする第3相臨床試験を開始したことを発表、これを材料視する買いを呼び込んだ。なお、今回の臨床開始に伴うマイルストーン収入が1億2500万円に確定したことも公表した。これを21年12月期第2四半期の事業収益として計上するが、通期業績予想の修正はない。

●ストップ高銘柄

タムラ製作所 <6768>  851円  +150 円 (+21.4%) ストップ高買い気配   11:30現在

以上、1銘柄

●ストップ安銘柄

WT天然ガス <1689>  1円  0 円 (0.0%) ストップ安   11:30現在

以上、1銘柄

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