富田隆弥の【CHART CLUB】 「波乱はSQによる一時的なもの」
◆6月18日にNYダウは533ドル安と急落、一時3万3271ドルまで下げた。16日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利上げ時期が早まったことやテーパリング(量的緩和縮小開始)の議論を始めたことが嫌気された。
◆だが、週明け21日にNYダウは586ドル高と急反発、24日は3万4200ドル台を回復した。ナスダックは22日に1万4253ポイントで終え過去最高値を更新、24日に高値を1万4400ポイント台に伸ばしている。
◆18日から21日にかけての乱高下を見ると、その要因はFOMC(米連邦公開市場委員会)というよりも、18日の米国メジャーSQ(クワドルプル・ウィッチング※)にあったと思われる。先物の清算に絡んだ売買がその要因であり、乱高下は一時的なものであろう。その後のNYダウやナスダックの堅調ぶりを見ると、その可能性は高い。テーパリング(量的緩和の縮小)は織り込み済みであり、改めて需給相場を背景に上値模索へ動き出したと言えよう。(※株式先物指数、株式指数オプション、個別株オプション、個別株先物の取引満了日が重なる日)
◆とはいえ、NYダウの日足を見れば、3万4500ドル近辺の保ち合いを下放れており、割り込んだ25日移動平均線(24日時点3万4287ドル)のまだ下にある。チャートは「崩れた後のアヤ戻し」にすぎず、好転を確認するには少なくとも25日移動平均線や6月1日の高値(3万4849ドル)を上抜く「3万4850ドル以上」への上昇が求められる。
◆日経平均株価も21日に2万7795円まで急落したが、23日に2万9007円をつけ、急落前の水準をすぐに取り戻した。だが、日足チャートはやはり保ち合いを下放れており、好転を確認するには75日移動平均線(同2万9068円)や15日高値の2万9480円を上抜く必要がある。
◆カギを握る米国株が堅調に推移し、為替(ドル円)が111円をつけたこともあり、日経平均株価が上昇に転じる可能性は小さくない。6月下旬にボーナスが支給され、7月になれば4日に東京都議選があり、23日から東京オリンピックが始まる。21日につけた安値2万7795円を注視しながら、それを維持しているうちは「7月は3万円指向」を想定しておきたい。
(6月24日 記、毎週土曜日に更新)
株探ニュース