FRBのコンセンサスは未形成 住信SBIネット銀行(馬渕磨理子)

経済
2021年6月28日 11時45分

皆さん、こんにちは。フィスコ企業リサーチレポーター馬渕磨理子です。まずは、先週のマーケットを振り返ってみましょう。

ドル・円は、強含みとなりました。ユーロ、豪ドルに対するリスク選好的な円売りが活発となったことや、リスク回避の円買いは縮小したことから、6月24日に昨年3月以来となる111円12銭まで上昇しています。1ドル=111円台では顧客筋などのドル売りがやや活発となったが、米国のインフラ投資計画実現への期待が再浮上し、ドル・円は110円台後半で底堅い動きを維持しています。

ユーロ・円は反発。欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は6月21日、「米国のインフレ加速がユーロ圏のインフレに及ぼす全体的な影響は抑制的である」と指摘したことから、週初に130円04銭まで下落しています。ただ、ユーロ圏の企業景況感の改善などを好感してユーロ売りは縮小し、週後半は主に132円台で推移しています。

さて、今週のマーケットはどうなるのか?チェックすべきポイントについて住信SBIネット銀行の「ウィークリーレポート」を見てまいりましょう。

ドル・円は『底堅い値動き』を予想しています。利上げ開始時期について米連邦準備制度理事会(FRB)のコンセンサスは形成されていないようです。『セントルイス連銀のブラード総裁は早期利上げの必要性に言及し、サンフランシスコ連銀のデイリー総裁とダラス連銀のカプラン総裁は資産買取りの段階的縮小(テーパリング)論議の前倒しを主張』しています。一方、『ウイリアムズNY連銀総裁は急激な物価上昇は一時的と指摘し、パウエル8RB議長は予防的な利上げには否定的とみられる』と述べています。

ユーロ・円については『下げ渋り』を予想しています。『ユーロ圏の6月消費者物価指数や5月失業率は前回実績と同水準と予想』されています。市場予想と一致した場合、『リスク回避的なユーロ売り・円買いは縮小する見通し。ただし、米長期金利が再び上昇した場合、ユーロ売り・米ドル買いが活発となり、米ドル・円相場が円安方向に振れてもユーロ・円は伸び悩む可能性がある』と分析しています。

ポンド・円は『底堅い値動き』を予想しています。23-24日に開催された英中央銀行金融政策委員会(MPC)で緩和縮小に関する議論は後退し、『今後の政策金利や資産買入れで引き締めを期待したポンド買い・円売りは縮小』しました。ただ、『ジョンソン政権は7月中に経済制限措置を緩和するとの思惑が広がっており、リスク回避的なポンド売りはやや縮小する可能性がある』と述べています。

今週の豪ドル・円は『もみ合い』を予想しています。豪準備銀行(中央銀行)は完全雇用の達成を重要な優先事項とし、『現行の金融緩和政策の縮小を急がない姿勢を示しており、豪ドルは基本的に買いづらい』展開に言及しています。ロウ総裁の討論会参加での発言が注目されています。『引き続き新型コロナウイルス変異種の感染状況や主要国の金融政策の行方などをめぐり、株価や資源価格の動向見極めへ』と述べています。

参考にしてみてくださいね。

上記の詳細コメントは、住信SBIネット銀行サイト内の「ウィークリーレポート」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。

フィスコ企業リサーチレポーター 馬渕磨理子

《FA》

提供:フィスコ

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