話題株ピックアップ【夕刊】(2):ソフトバンクG、3DM、アクリート

注目
2021年6月29日 15時16分

■ソフトバンクグループ <9984>  7,755円  -170 円 (-2.2%)  本日終値

ソフトバンクグループ<9984>が続落、今月21日ザラ場に7400円台まで売り込まれた後は急速に戻り歩調となり、その3日後の24日は取引時間中に8000円台を回復するなど株価は底入れの動きをみせていた。しかし、8000円大台近辺では戻り売り圧力が強く押し返される格好となっている。同社は米ハイテク企業に積極投資しており、米国株市場でハイテク株比率の高いナスダック総合指数との株価連動性が高いことで知られる。そうしたなか、前日にナスダック指数は過去最高値を更新したが、同社株への買い意欲は限定的だった。5月中旬の急落をチャンスと見た個人投資家が信用取引を活用して買い向かったが、リバウンドの思惑が外れた。直近データでは信用買い残が1750万株近くに達しており、これは今年1月末以来約5カ月ぶりの高水準で、上値の重石となっている。

■メルカリ <4385>  5,930円  -100 円 (-1.7%)  本日終値

メルカリ<4385>が5日ぶりに反落。28日の取引終了後、2本立てのユーロ円建転換社債(CB)型新株予約権付社債を発行すると発表しており、1株当たり利益の希薄化が警戒された。発行金額は合計500億円。2026年7月満期の5年債と2028年7月満期の7年債の2本立てで、発行金額はそれぞれ250億円ずつ。転換価格は28日終値を54.99%上回る9346円で決まった。調達資金は、借入金の返済やメルカリUSにおけるプロダクト開発のための人材採用やマーケティング費用、メルペイにおけるサービス拡大に伴う運転資金などに充てる。

■三菱UFJ <8306>  601.6円  -9.3 円 (-1.5%)  本日終値

三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>のメガバンク3社がいずれも軟調なほか、第一生命ホールディングス<8750>、T&Dホールディングス<8795>など生保株も売りに押される展開で、大手金融株への売り圧力が強い。ここ米国での早期利上げ懸念が一服し、米長期金利が低下傾向にある。前日の米10年債利回りは終値ベースで1.47%台まで低下し、再び1.5%台を下回ってきた。米国株市場では運用利ザヤが縮小するとの思惑からゴールドマン・サックス<GS>やバンカメ<BAC>など金融株の一角が軟調気味に推移しており、東京市場でも米国事業を展開するメガバンクや大手生保には風向きが悪くなっている。

■3DM <7777>  402円  +80 円 (+24.8%) ストップ高   本日終値

スリー・ディー・マトリックス<7777>がストップ高。株価は前日に15%高と値を飛ばしていたが、きょうは一段と投資資金の流入が加速している。同社は自己組織化ペプチド技術を活用した医療製品の開発を手掛けるバイオベンチャーで、欧米向けに止血材が伸びており、胃潰瘍出血用途など新たな適応拡大に期待が大きい。28日取引終了後、米国で消化器内視鏡領域を適応領域とした止血剤「PuraStat-GI(仮称)」の承認を取得したことを発表、これを材料視する形で物色人気が集中した。

■アクリート <4395>  1,732円  +181 円 (+11.7%)  本日終値

アクリート<4395>が急反発。NTTドコモ(東京都千代田区)、KDDI<9433>、ソフトバンク<9434>の3社が28日、企業が消費者向けに携帯電話のショートメッセージサービス(SMS)を利用する場合に使う番号を、3社で共通化すると発表したことを受けて、利便性向上によりSMSの利用が促進されるとの思惑から買われたようだ。これまで消費者向けに企業がSMSを送受信する場合には、企業側が携帯3社の利用者向けにそれぞれ個別の番号を用意する必要があったが、共通化により1つの番号でSMSの問い合わせを受け付け、同じ番号からSMSで回答するなどの対応が可能になり、双方向のコミュニケーションが容易になるという。SMSは、2段階認証や荷物配達時の通知などの利用が広がっているが、共通番号によりさらに利用が促進されれば、SMS配信代行大手の同社の商機拡大につながるとの見方が強い。

■昭文社ホールディングス <9475>  514円  +43 円 (+9.1%) 一時ストップ高   本日終値  東証1部 上昇率トップ

昭文社ホールディングス<9475>が急伸。同社はきょう、ヘッドスプリング(東京都品川区)と資本・業務提携したと発表。昭文社HD子会社のマップルを中心に蓄電システムの共同開発や関連製品を軸とした各種ソリューション事業を協業するとしており、これが材料視されたようだ。ヘッドスプリングは、独自の電力変換(パワーエレクトロニクス)技術をベースに、蓄電池や電気自動車(EV)向けの電力変換製品の開発・提供、蓄電システム全般の製品化支援などパワーエレクトロニクスに関わるさまざまな事業を展開している企業。今回の提携により共同開発する蓄電システムには、ヘッドスプリングが持つ次世代パワー半導体を活用した高周波スイッチング技術を適用し、低価格で小型・高効率な製品を実現するとしている。

■AI CROSS <4476>  2,177円  +161 円 (+8.0%)  本日終値

AI CROSS<4476>が急反発。28日の取引終了後、新たなHR(ヒューマン・リソース)関連サービスとして、戦略人事AIアナリティクス「HYOUMAN BOX」をリリースすると発表しており、これが好感された。同サービスは、社員のパーソナリティーを適性検査により可視化し、可視化されたデータを多様に分析することで、自社に適した活躍人材を見極め、最適配置を実施するシステム。人事のデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現し、感覚人事から脱却することで組織パフォーマンスを最大にするとしている。

■ユビテック <6662>  315円  +23 円 (+7.9%)  本日終値

ユビテック<6662>が4日続伸。28日の取引終了後、作業者の安全見守りサービス「Work Mate」が米アップル<AAPL>の「Apple Watch」に対応したと発表しており、これが好感された。「Work Mate」は、スマートウオッチを装着しシステムと連携させることで、製造現場や建設現場などの作業者の「転倒・転落検知」「SOSアラート通知」「屋内外位置測位」「バイタル情報測定」の各種情報を取得できる作業者の安全見守りサービス。今回の「Apple Watch」への対応は、専用のアプリケーションをダウンロードすることで可能となり、利便性向上による利用層の拡大が期待されている。

■ニーズウェル <3992>  663円  +38 円 (+6.1%)  本日終値  東証1部 上昇率3位

ニーズウェル<3992>が反発。28日の取引終了後、21年9月期の期末一括配当予想を17円から23円に引き上げると発表しており、これが好感された。10月1日に設立35周年を迎えることを記念して、普通配当を1円増額するとともに記念配当5円を実施する。

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