三栄コーポ Research Memo(3):家具家庭用品、服飾雑貨、家電の3事業が柱

特集
2021年6月29日 16時03分

■事業概要

1. 家具家庭用品事業の動向

三栄コーポレーション<8119>最大の事業セグメントが家具家庭用品事業である。この事業は、OEMの比率が高い(売上高の90%前後)。良品計画に代表される大手顧客の事業の伸びとともに成長してきた。2013年3月期に17,007百万円だった売上高は2017年3月期に27,431百万円まで成長した。その後は欧州顧客の大口のスポット受注の剥落や米国量販店向けの縮小などが影響して調整局面を迎え、2021年3月期はコロナ禍の影響を受けた。しかし、今後も大黒柱であることは間違いない。成長著しいブランドとして、自社のeコマースブランド「MINT(ミント)」等がある。楽天市場やYahoo!ショッピングで1,000を超えるアイテムを販売しており、リーズナブルな価格の良質なベッドやマットレス、アンティーク調家具、インテリア等が消費者のニーズに合致している。コロナ禍においては巣ごもり消費の追い風もあって急成長し、売上高40億円規模に拡大した(2021年3月期)。2019年3月にはマレーシアで家具・インテリアの自社工場(約4,000m2)が稼働を開始し、自社ブランドやOEM商品の製造はもちろん、ODM提案が図れる開発拠点としても活用していく方針である。

2. 服飾雑貨事業の動向

服飾雑貨事業ではブランド事業の存在感が高く(売上高の約50%)、本来は収益性の高いセグメントである。同社が取り扱う最大のブランドが、ドイツで240年以上の伝統がある機能美に優れたコンフォートサンダル・シューズブランド「BIRKENSTOCK」である。1万円前後の価格帯にもかかわらず根強いファン層に支持されており、50ヶ所の直営店舗とeコマースで販売され、長く使う顧客が多い商品だけに自社運営のアフターサービスも充実している。直営店舗は集客力のあるショッピングセンターや有名百貨店に出店している。「BIRKENSTOCK」の小売店事業は子会社ベネクシーが運営する。2021年3月期は一時期のブームが落ち着いたことやコロナ禍に伴う集客難が重なり、損失を計上した。不採算店の閉鎖やスタッフ・販売員の販売力強化を進めており、スクラップ&ビルドが進捗し2019年3月末の65店舗から50店舗に減少した。

3. 家電事業の動向

OEM事業では、中国の子会社である三發電器製品(東莞)有限公司、また香港の子会社である三發電器製造廠有限公司が小物家電を製造・販売する。ブランド事業においては、調理家電の「Vitantonio」、理美容家電の「mod’s hair」、業務用調理機器の「MULTI CHEF(マルチシェフ)」などを製造販売している。近年、セグメント全体として売上高・営業利益ともに堅調に推移してきたが、2021年3月期はコロナ禍の影響で減収減益となった。

直近で勢いがあるのは、コロナ禍での巣ごもり消費に関連する調理家電「Vitantonio」である。特にホットサンドベーカーやコードレスボトルブレンダーなどが売れ筋となっている。ホットサンドを家庭で作るという生活スタイルやオリジナルドリンクが楽しめる生活スタイルなどを提案するユニークな家電ブランドとして人気が高い。特許技術に裏打ちされた高機能音波式歯ブラシ「ION-Sei(イオンセイ)」は、コロナ禍で健康志向が高まるなか、家でできるパーソナルヘルスケアというコンセプトがニーズに合致し、欧州(イギリス、ドイツ)を中心に浸透している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

《EY》

提供:フィスコ

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