三栄コーポ Research Memo(5):売上高8.9%増の360億円、ベネクシーの改革が進捗し利益回復の予想

特集
2021年6月29日 16時05分

■今後の見通し

三栄コーポレーション<8119>の2022年3月期の連結業績は、売上高が前期比8.9%増の36,000百万円、営業利益が100百万円(前期は709百万円の損失)、経常利益が100百万円(前期は446百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益が10百万円(前期は717百万円の損失)とコロナ禍の影響は残るものの一定の回復を予想する。

売上高予想に関しては、上期が16,000百万円(前年同期比12.1%増)、下期20,000百万円(前年同期比6.5%増)となり、特に厳格な自粛や営業時間の短縮が行われた2021年3月期上期からの伸びが大きい。鈍い回復予想となった背景としては、商業施設を中心とした小売店舗の集客の低迷である。2021年4月下旬から6月下旬まで東京都などで緊急事態宣言が発出しており、夏に向けた商戦(特に服飾雑貨など外出時の商品)を中心に少なからず影響がある。一方下期に関しては、2021年3月期下期からさらに回復が進む予想だ。2022年3月期下期(特に2022年1月から3月にかけて)は家具家庭用品などが繁忙期となり、コロナ禍においての成長を見込む。活動方針のなかで、増収につながる項目としては、アジアの拠点(台湾、ベトナム、中国、マレーシアなど)を活用した現地での販売強化、家具を中心としたeコマースのさらなる成長などである。いずれもコロナ禍において有効な施策であると弊社は考える。なお、子会社ベネクシー(「BIRKENSTOCK」小売り)で2021年3月期に不採算店舗の本格的な削減(2019年3月末の65店舗体制から15店削減)を行っており、2022年3月期は4店舗の削減を計画している。一定の減収要因とはなるが、影響は限定的である見込みとしている。

営業利益面では、上期が損失450百万円(前年同期は損失810百万円)、下期が利益550百万円(前年同期は利益100百万円)となり、いずれの期間も増益基調が鮮明となる予想だ。ブランド事業においては、2021年3月期の本格的なベネクシーの不採算店舗の削減などの対策により、損失額は大幅に減少する見込みである。OEM事業では、ベトナムや台湾の現地法人設立などアジア圏での販売の強化や本部・国内外子会社すべてでのコストオペレーションの徹底などが増益に有効な施策である。弊社では、ワクチン接種などコロナ禍からの脱却の見通しが立ってきたこと、2021年3月期の損失の主な要因は服飾雑貨セグメントでありその対策が進捗していること、eコマースの成長が著しいこと、などから、同社の利益回復シナリオは十分に妥当性があると考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

《EY》

提供:フィスコ

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