株価指数先物【寄り前コメント】 目先的には2万8500円~2万9000円辺りでのレンジを想定

市況
2021年7月1日 8時29分

大阪9月限ナイトセッション

日経225先物 28770 +20 (+0.06%)

TOPIX先物 1942.5 +1.0 (+0.05%)

シカゴ先物 28765 +15

(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

30日の米国市場ではNYダウS&P500が上昇する一方で、ナスダックは下落。6月のADP雇用統計で雇用者数が予想を上回る伸びとなり、労働市場の改善による景気回復への期待が高まった。また、5月の中古住宅販売成約指数が予想外の上昇となったことも材料視されており、足元で持ち高調整が続いていた景気敏感株を見直す動きにつながった。一方で、ナスダックはハイテク株の利益確定の動きにより、小幅な下落となった。ただし、半導体大手のアドバンスト・マイクロ・デバイシズ<AMD>は5%近い上昇を見せており、ザイリンクス<XLNX>の買収を巡り、欧州委員会から無条件の合併承認を獲得したと伝わったことが材料視されていた。S&P業種別指数はエネルギー、資本財、食品・生活必需品小売が上昇する一方で、不動産、ソフトウエア・サービス、ヘルスケア機器・サービスが下落した。

シカゴ先物清算値は日中大阪比15円高の2万8765円だった。日経225先物のナイトセッションは日中比10円安の2万8740円で始まると、開始直後に2万8530円まで下落幅を広げる場面が見られた。しかし、その後は持ち直し、概ね2万8650円~2万8720円辺りでの推移に。米国市場の取引後半にレンジを上放れプラスに転じると、一時2万8790円まで上昇幅を広げ、2万8770円で取引を終えた。

本日はシカゴ先物にサヤ寄せする形で、やや買い先行で始まることになろうが、米国市場は四半期末からリバランスの動きが中心となっており、底堅さは意識されるものの、全体としてはこう着感の強い相場展開が続きそうである。

また、昨夕のナイトセッションの開始直後に2万8530円まで軟化する局面が見られており、日中においても同水準まで売り仕掛けてくる可能性には注意しておきたい。特に先物の手口ではクレディスイスのショートの動きが見られているため、薄商いのなかでCTA経由のショートの動きとなれば、瞬間的に大きく振らされやすくなる。月末による持ち高調整の動きは一巡したことから底堅い展開が見込まれるものの、目先的には2万8500円~2万9000円辺りでのレンジを想定しておきたい。

NT倍率は足元で14.80倍を挟んだ狭いレンジでの推移を続けており、スプレッド狙いのトレードが難しくなっているほか、25日移動平均線に上値を抑えられていることから、トレンドとしてはNT低下が想定されやすい。ただし、52週線水準での攻防を続けていることもあり、52週線を明確に下放れてくる動きを見せてくるまでは、NTショートは避け、現段階ではボトム圏でのNTロングのポジション組成に。なお、VIX指数は15.83に低下しており、リスク選好の状況から調整が強まる局面では、その後のショートカバーを想定したロングスタンスになりそうだ。

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