話題株ピックアップ【夕刊】(3):三菱UFJ、ソフトバンクG、直近IPO

注目
2021年7月2日 15時21分

■三菱UFJ <8306>  607.1円  +7.2 円 (+1.2%)  本日終値

三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>などメガバンクが頑強な値動き。ここ米長期金利が低下基調にあるが、日米の大手金融株は強さを発揮している。前日は米10年債利回りが終値ベースで1.45%台まで低下し、6月18日以来の低い水準となったが米国株市場ではJPモルガン・チェース<JPM>やバンク・オブ・アメリカ<BAC>、シティグループ<C>などの大手銀行株は堅調だった。東京市場でも米国事業を展開するメガバンクは、米長期金利低下による運用利ザヤの縮小がマイナス材料となるが、株価的には織り込みが進み連動しにくくなっている。足もとでは配当利回りの高さなどに着目して押し目を拾う動きがやや優勢となっている。

■ソフトバンクグループ <9984>  7,812円  +86 円 (+1.1%)  本日終値

ソフトバンクグループ<9984>は強弱観対立の中で売り買いを錯綜させている。MSCIの指数イベント絡みで5月中旬に急落した後も次第安の展開となっていたが、6月21日の7500円割れで底値を確認しリバウンドに転じた。自社株買いなどの株主還元策への期待が反転の足掛かりとなった。しかし、依然として上値の重い展開が続いている。直近では6月末に同社がビジョンファンドを通じて出資する中国配車最大手滴滴出行(ディディ)が米国株市場に新規上場し、時価総額は上場初日終値ベースで日本円にして約7兆3700億円と巨額でマーケットの注目を集めた。ビジョンファンドは同社株式の2割を握るとされ、その含み益が期待されるところだが、今のところソフトバンクGの株価へのポジティブインパクトは限定的となっている。

■富士ソフト <9749>  5,510円  +60 円 (+1.1%)  本日終値

富士ソフト<9749>が反発。同社は1日、三菱UFJリサーチ&コンサルティング(MURC、東京都港区)と顧客のデジタル化推進支援で協業すると発表しており、これが買い手掛かりとなったようだ。両社はこのほど、覚書を締結。MURCの幅広い知見及び豊富な実績を持つコンサルティングと、富士ソフトのインフラ構築から運用保守までのノウハウと技術でソリューションを強化し、顧客のデジタル化推進をワンストップで支援するとしている。

■王将フードサービス <9936>  5,680円  +40 円 (+0.7%)  本日終値

王将フードサービス<9936>は続伸。午後1時ごろに発表した6月度の月次売上高(速報)で、既存店売上高が前年同月比2.4%増と3カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。高まるテイクアウト・デリバリーニーズへ対応して、タイムリーな販促活動の実施で店外売上高が51.5%増の伸長となったことが牽引した。なお、直営全店売上高は3.7%増だった。

■電通グループ <4324>  4,000円  +20 円 (+0.5%)  本日終値

電通グループ<4324>が続伸。SMBC日興証券が1日付で投資評価「1」を継続し、目標株価を3800円から4800円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、広告市場環境の回復が鮮明になっていることに加えて、事業構造改革の進捗による本格的な業績回復期待を株価が織り込む局面にあると指摘。21年12月期の営業利予想を516億円から1748億円へ、22年12月期を同1213億円から1300億円へ引き上げている。

■クスリアオキ <3549>  7,580円  -770 円 (-9.2%)  本日終値  東証1部 下落率トップ

クスリのアオキホールディングス<3549>が急反落。1日の取引終了後、21年5月期決算を発表し、売上高は3058億8000万円(前の期比1.9%増)、営業利益は166億1900万円(同1.6%増)と小幅ながらも増収増益で着地。続く22年5月期の連結業績予想は、「収益認識に関する会計基準」が適用されるため単純比較はできないが、売上高は3380億円で増収となる一方、営業利益は163億円とやや減益の見通し。同社はここ10年ほど2ケタ増収増益を続け、高成長路線をひた走ってきただけに、直近通期業績の成長ペース鈍化に対する警戒感が高まっているようだ。

■大阪有機化学工業 <4187>  4,055円  -270 円 (-6.2%)  本日終値  東証1部 下落率3位

大阪有機化学工業<4187>は大幅続落。1日の取引終了後に発表した第2四半期累計(20年12月~21年5月)連結決算は、売上高169億3300万円(前年同期比18.1%増)、営業利益28億4200万円(同19.2%増)、純利益22億4600万円(同32.8%増)と2ケタ営業増益だったものの、5月21日に発表した修正値の営業利益29億円をやや下回ったことから売られたようだ。上期はArFレジスト用原料など電子材料が伸長したほか、自動車塗料用や光学材料向け粘着剤用を中心に販売が回復した化成品事業が好調だった。また、2月1日付で三菱ケミカルから頭髪化粧品用アクリル樹脂事業の譲渡を受けたことも寄与した。なお、21年11月期通期業績予想は、売上高340億円(前期比18.5%増)、営業利益58億円(同30.6%増)、純利益44億円(同32.8%増)の従来見通しを据え置いている。

■レーザーテック <6920>  20,420円  -1,230 円 (-5.7%)  本日終値  東証1部 下落率6位

レーザーテック<6920>が大幅反落、1000円を超える下げで2万円トビ台まで水準を切り下げた。半導体製造装置ではマスクブランクス検査装置でシェアを独占し、ニッチトップ企業として高い評価を受けてきたが、ここにきてPERの高さが嫌気され買いポジションを低める動きが出ているようだ。市場関係者によると「同社の成長力の高さは不変ながら、22年6月期の1株利益予想は210円前後がコンセンサスとなっており、時価換算でPERは100倍程度。23年6月期以降は分からないが、少なくとも次期の成長を織り込んだ段階でも買われ過ぎといえる水準にある。また、1日付でJPモルガン証券が同社株の投資判断をバイからニュートラルに引き下げたことも影響している」(ネット証券マーケットアナリスト)という。下値メドについては「リバウンドを交えながらも下値を切り下げ、75日移動平均線が位置する1万8000円台後半くらいまでの深押しも考えられる」(同)としている。

■ワークマン <7564>  7,380円  -320 円 (-4.2%)  本日終値

ワークマン<7564>は3日続落。1日の取引終了後に発表した6月度の月次売上高速報で、既存店売上高が前年同月比17.5%減と4カ月ぶりに前年実績を下回ったことが嫌気された。気温の上昇に伴い、盛夏物の空調ファン付ウェアや防暑小物などが動き始めたほか、女性衣料でリラックスやDRY素材の半袖Tシャツが好調に推移した。ただ、前年同月は1回目の緊急事態宣言解除や特別定額給付金の支給及び気温の上昇などで、売り上げ・客数とも大幅に伸長しており、その反動で前年割れを余儀なくされた。なお、チェーン全店売上高は同12.8%減だった。

■ベイシス <4068>  6,500円  +1,000 円 (+18.2%) ストップ高   本日終値

日本電解<5759>やベイシス<4068>、アイ・パートナーズフィナンシャル<7345>、アイドマ・ホールディングス<7373>といった直近IPO銘柄が高い。全体相場が手掛かり材料難で上値の重い展開が続くなか、新鮮味のある直近IPO銘柄に買い資金が流入している様子だ。日本電解は一時ストップ高と連日の急騰。車載リチウムイオン電池用銅箔などを製造し電気自動車(EV)としても注目されている。先月25日の新規上場日につけた初値は公開価格と同値の1900円だったが、この日は一時3400円台まで上昇と7割強上昇している。ベイシスはストップ高。通信インフラのエンジニアリングサービス会社で25日につけた初値は公開価格比で2.5倍と人気化し、その後、調整していたが新高値に切り返した。IFA(独立系資産運用アドバイザー)による金融サービスを提供しているAIPFは初値が公開価格比で3.2倍と急騰後、調整していたが、この日は急反発。中小企業の法人営業の支援を主としたワーク・イノベーション事業を手掛けるアイドマHDも大幅続伸している。

●ストップ高銘柄

カルナバイオサイエンス <4572>  1,678円  +300 円 (+21.8%) ストップ高   本日終値

アイビー化粧品 <4918>  1,125円  +150 円 (+15.4%) ストップ高   本日終値

AIPF <7345>  7,570円  +1,000 円 (+15.2%) ストップ高   本日終値

など、4銘柄

●ストップ安銘柄

なし

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