三洋化成工業----AIを応用した「匂いセンサー」を活用した日本酒造り 都鶴酒造と共同研究を開始
三洋化成工業<4471>は13日、AI技術を応用した「匂いセンサー」を活用した新しい日本酒造りを目指し、都鶴酒造と共同研究を開始したと発表した。
「匂いセンサー」は、同社と長瀬産業<8012>が共同で事業化に取り組んでいる、匂いを識別する人工嗅覚技術。匂いを数値として可視化し、さまざまな分野でソリューションの提供を目指し、その一つに日本酒造りへの活用を検討している。
同社は、界面制御技術を織り込んだ樹脂材料を用いて、嗅覚受容体に相当するプローブの開発を行っている。界面活性剤および機能性高分子に関する技術と知見を活かし、独自の組成設計に基づいた樹脂材料により、匂いの識別を可能にする高精度なプローブの実現を目指すとしている。
都鶴酒造は、京都伏見で江戸時代から続く酒蔵。少量高品質なこだわりの酒造りを行う。これまで醸造工程は職人の感覚で行っていたが、「匂いセンサー」を日本酒の醸造工程に活用することで、安定した品質管理や製造工程の省力化につなげ、香りの観点によるマーケティングで新商品開発への活用を目指す。
得られたデータはプローブの機能付与、「匂いセンサー」改良開発に反映し、「匂いセンサー」早期実用化につなげていくとしている。
《ST》