話題株ピックアップ【夕刊】(2):INPEX、三井不、日経レバ
■INPEX <1605> 757円 -36 円 (-4.5%) 本日終値
INPEX<1605>と石油資源開発<1662>が4日続落。19日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の8月限が前週末比5.39ドル安の1バレル=66.42ドルと急落した。サウジアラビアなど石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどから構成される「OPECプラス」で協調減産の縮小が合意され、原油市場の需給緩和観測が台頭した。また、感染力の強い新型コロナウイルスのインド型(デルタ型)の世界的な感染拡大により、景気回復が遅れ原油需要も伸び悩むとの見方も浮上した。これを受け、INPEXなど原油関連株には売りが膨らんだ。
■三井不動産 <8801> 2,563.5円 -95 円 (-3.6%) 本日終値
三井不動産<8801>、住友不動産<8830>など大手不動産株に売りがかさむ展開。不動産セクターは東証1部業種別騰落でも値下がり率の上位に入るなど軟調ぶりが目立つ。国内でも新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、特に感染力の強いインド型変異株であるデルタ株の広がりが顕著で警戒感が強まっている。東京都で4度目の緊急事態宣言が発令されるなど人流抑制の政策が再び発動されていることで、内需株には逆風が強い。企業のテレワーク導入などで都心のビルの稼働率が低下するとの思惑から、不動産株にはネガティブに作用している。
■日経レバ <1570> 14,220円 -250 円 (-1.7%) 本日終値
NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>が5日続落。前日までの4営業日合計で価格を1200円近く下落させたが、なお、下値模索の動きを続けている。今月9日につけた直近安値1万4240円を下回った。同銘柄は日経平均株価に連動する仕組みのETFで変動率が日経平均の2倍に設定されており、全体相場が上下に波乱含みの展開となる場面では、個人投資家をはじめとする短期資金の参戦が活発化する傾向が強い。前日も売買代金は1200億円を超え、全市場を通じて断トツの水準をこなしていたが、きょうも日経平均は荒れた展開が想定され、マーケットの注目度は引き続き高い。
■トヨタ自動車 <7203> 9,612円 -128 円 (-1.3%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>が続落。足もとでは世界的に新型コロナウイルスの感染再拡大に対する警戒感が強まり、株式市場でリスクオフの動きが強まっている。外国為替市場でも同様で、リスク回避によるドル売り・円買いの動きが加速、足もとでは1ドル=110円台を大きく割り込み、109円台半ばまでドル安・円高が進んだ。日本の製造業の中でも為替感応度が突出する同社にとって輸出採算向上に対する期待感の剥落につながっている。また同社は東京五輪の最高位スポンサーだが、開幕を目前とした19日に大会関連のテレビコマーシャルを見送る方針を明らかにした。コロナ禍でコマーシャルがイメージダウンにつながるとの懸念が浮上しているためで、これは株価にもネガティブ材料として働きやすい。
■元旦ビューティ工業 <5935> 4,870円 +570 円 (+13.3%) 本日終値
元旦ビューティ工業<5935>が急伸。同社は19日、屋根施工と同時に上から、断熱・吸音・遮音性を満たす直天井をつくる「PASTEM-Z(パステムZ)」を製品化し、正式に販売開始したと発表しており、これが好感された。従来の天井工事は、屋根工事が完了した後に内装業者によって施工されるが、パステムZは屋根と同時に上から天井の施工を行うことができ、大幅な工期短縮と内部足場などの仮設費用を低減するのが特徴。在来工法に比べて屋根・天井材と、それらの下地材の重量が軽量になるため、大スパンにも使用可能で、プロスポーツや音楽イベント開催の施設に適しているという。
■ザインエレクトロニクス <6769> 899円 +77 円 (+9.4%) 本日終値
ザインエレクトロニクス<6769>が急伸。19日の取引終了後、集計中の第2四半期累計(1~6月)連結業績について、営業損益が4500万円の赤字から1億2800万円の黒字(前年同期2億3100万円の赤字)へ、最終損益が4700万円の赤字から2億3400万円の黒字(同1億7000万円の赤字)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。AIOT事業で一部顧客向けの製品出荷の後倒しや計画見直しの影響があり、売上高は19億5500万円から18億6400万円(前年同期比21.8%増)へ下振れたものの、LSI事業で主に国内及び中国市場向けの製品出荷が急速に回復したことで売上総利益が計画を上回り利益を押し上げた。また、コスト削減を進めたことや、保有する外貨建て資産の換算差益の計上なども寄与した。
■日本アジア投資 <8518> 303円 +23 円 (+8.2%) 本日終値 東証1部 上昇率2位
日本アジア投資<8518>は日経平均株価が波乱含みに下値を探るなか、大口の買い注文を集め急動意、300円大台を回復してきた。株価は6月中旬に200円台前半から318円の年初来高値まで一気に上昇し、その後は反落と再上昇を繰り返しながら200円台後半で収れんする典型的な三角もち合いを形成していた。しかし、足もとでは煮詰まり限界から急速に投資資金が流れ込み上放れる展開に。世界的に脱炭素への取り組みが本格化するなか、菅政権では2030年度までに温室効果ガスの排出量を13年度比で46%削減する目標を掲げるが、経済産業省では30年度で太陽光発電を8760万キロワットまで増強する見通しを開示し、関連銘柄を動意づかせている。そのなか、同社は太陽光発電を中心に再生可能エネルギー投資事業に傾注、売却案件は高水準で22年3月期の業績変貌期待が大きい。株式需給面でも思惑が取り沙汰されるほか、無配ながら黒字転換となれば0.7倍台のPBRも割安感につながる。
■オプトエレクトロニクス <6664> 733円 +49 円 (+7.2%) 本日終値
オプトエレクトロニクス<6664>が急反騰。レーザー式を主力にバーコード読み取り装置などを手掛ける。売上高の過半を海外向けで占めているが、米国では医療機器メーカー向けに同社の2次元ハンディスキャナ「L―22X」が新型コロナウイルス検査装置に採用されるなどの実績を持つ。ここ米国をはじめ海外でも新型コロナウイルスの感染拡大が警戒される状況にあり、関連有力株として再び投資資金が向かっている。また、足もとの業績も回復色が鮮明で21年11月期営業損益は10億3000万円の黒字(前期実績は3億800万円の赤字)を見込んでいる。
■ワッツ <2735> 931円 +54 円 (+6.2%) 本日終値 東証1部 上昇率4位
ワッツ<2735>が急反発。19日の取引終了後、21年8月期の年間配当予想について15円から22円(前期実績15円)へ増額すると発表しており、これが好感されたようだ。通期の利益見通しが期初予想を大きく上回る見込みにあるほか、足もとの業績動向などを勘案し配当予想を引き上げた。
■大泉製作所 <6618> 1,179円 +41 円 (+3.6%) 本日終値
大泉製作所<6618>の上値指向の強さが際立っている。きょうは地合い悪のなか前日比6%を超える上昇で1200円台まで上値を伸ばした。6月末に1239円の年初来高値を形成しているが、その更新を射程圏に捉えている。仮にここをクリアすると2018年2月以来約3年半ぶりの高値圏に浮上する。車載用を主力に温度センサーなどを手掛けるが、中国展開を強みとする半導体設投関連のフェローテックホールディングス<6890>の傘下に入ったことで、中国での需要開拓に期待が膨らんでいる。商用化本番の5G向けエレメントも好調で収益貢献が期待される。22年3月期は増収増益見込みで上振れも視野に。
株探ニュース