朝方急上昇も失速、連休明けの株高に望みをつなぐには・・・/後場の投資戦略

市況
2021年7月21日 12時13分

日経平均 : 27523.75 (+135.59)

TOPIX  : 1905.61 (+16.72)

[後場の投資戦略]

連休前の最終営業日の日経平均は米株の急反発を手掛かりに朝方は大幅に反発。一先ず、200日移動平均線が位置している27700円近辺まで戻したことで同線が下値支持線として意識され、安心感が強まったが、前引けにかけては同線を割り込む水準にまで押し戻されており、不安感を残す形で前場を終えている。連休明けの株高へ望みをつなぐには本日終値で同線をキープしておきたいところだ。

日経平均は200日線が位置する現在の水準がテクニカル的にもボトム感があるが、小節目となる27500円を切るところまで下がると、PERは13倍台前半にまで低下し、PBRでは1.2倍を割り込むため、バリュエーション的にもこのあたりがボトムとして意識される。後場は正念場となるが、できれば200日線上は維持したいし、最低でも27500円はキープしたいところ。仮に27500円も割り込んで終えるとなると、かなりムードは悪く、連休中の海外市場の動きにもよるが、連休明けの27000円割れも覚悟しておく必要がありそうだ。

また、日経平均は急落した後に急反発といった動きを繰り返しているが、前回の戻り高値を上回れないことで、バブル崩壊後の最高値を記録した2月中旬以降、上値切り下げトレンドが継続している。この5カ月の間に信用買い残が積み上がっており、短期反発の度に上値で買ってしまっている投資家も多いため、28000円以上の水準ではしこりも多く出来てしまっていると考えられる。下値余地は限られる一方、上昇するにも、ここからは辛抱強く戻り待ちの売りをこなす必要があるため、水準の切り上げには時間がかるだろう。

そのほか、本日は大引け後に日本電産<6594>の第1四半期決算が発表される。今期見通しは半導体不足を考慮して保守的な計画になっているとの声が多い。4~6月の間、半導体不足によって自動車生産が抑えられているといったニュースフローは多かったが、影響が大きいのは従来型の内燃型機関車で、同社が注力している電気自動車(EV)については各メーカーが生産を優先していることもあり、影響は大きくないと予想される。先んじて発表されている安川電機<6506>や前日のキヤノン<7751>など、製造業の業績はこれまでのところ非常に良好なところが多い。日本電産も1四半期から大きく上振れて早々に業績予想を引き上げてくれば、相場にポジティブな影響をもたらすと同時に、来週から本格化する決算シーズンに対する期待値も高まるだろう。

後場は、前述したように日経平均で27500円および200日線(27700円)をキープできるかという正念場になるが、27500円はキープできるのではないかと予想する。NYダウは大幅反発しているが、前の日の急落分は取り戻せていないうえ、不透明要素も数多く残っており、全体的なムードは確実に良くない。しかし、引け後の日本電産の決算を前にここから一段と売り崩すことは考えにくいほか、東京市場が連休中の間に決算を手掛かりに米株が再び高値を更新してくる展開も想定されるため、ポジションを一方向に傾けることは考えにくい。後場は前引け水準からの一進一退、もしくは、200日線回復に向けた再上昇といった動きになるのではないだろうか。

《AK》

提供:フィスコ

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