BBT Research Memo(4):2021年3月期はコロナ禍のマイナス影響を第2四半期以降挽回し、増収増益で着地

特集
2021年7月21日 15時04分

■業績動向

1. 2021年3月期の業績概要

ビジネス・ブレークスルー<2464>の2021年3月期の連結業績は、売上高が前期比5.1%増の5,888百万円、営業利益が同25.1%増の200百万円、経常利益が同7.7%増の200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同128.5%増の100百万円となった。2020年4月から5月までコロナ禍による政府の緊急事態宣言が発出されたことにより、第1四半期はバイリンガルプリスクールや集合型IT研修を主体とする子会社等を中心に売上高は前年同期比13.9%減と大きく落ち込んだものの、第2四半期以降は創業以来のオンライン教育のノウハウが事業全体の成長に寄与し、通期では11期連続の増収となった。

営業利益についても同様に、第1四半期の落込みを第2四半期以降にカバーして2期ぶりの増益に転じた。増収効果で売上総利益率が前期比0.9ポイント上昇した効果による。販管費は、人件費※が142百万円増加したほか、業務委託費が43百万円増加したが、その他経費の抑制に取り組んだことで、前期比5.9%の増加となった。

※人件費=役員報酬+給与及び手当+法定福利費

2021年3月期におけるコロナ禍の影響について見ると、リカレント教育事業において集合研修の中止や見直しがあったほか、企業業績悪化に伴う教育研修費用の削減等、プラットフォームサービス事業においては2020年4~5月にAJBで登校生徒数の規模を縮小した運営を行う等のマイナス影響があった。プラス要因として、リカレント教育事業ではオンライン研修の需要増加や、BBT大学/大学院の新規入学生徒数の増加、学びなおしニーズの増加などの動きがあった。プラットフォームサービス事業についても3年前からブレンド型教育(集合型と遠隔型の混合教育)に取り組んできたことから、緊急事態宣言下でもスムーズにオンライン教育に移行することができた。学校教育が2020年5月まで一斉休校となったなかで、AJISでは学びを継続することができ、生徒や保護者からの評価が高まり、グループ全体としては追い風になったものと考えられる。

事業セグメント別業績で見れば、すべての事業で増収となった一方、営業利益は先行投資費用が嵩んだプラットフォームサービス事業が減益となり、リカレント教育事業やその他・調整額の増益でカバーする格好となった。その他・調整額の増収は書籍出版による印税収入や施設利用料の増加等によるもので、利益に関しては増収効果に加えて企業研修のオンライン化やインターナショナルスクールの生徒数増加に伴う授業料の増収などにより収益性が改善した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《NB》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.