ナガイレーベ Research Memo(6):2021年8月期は増収増益予想、上振れの可能性も

特集
2021年7月21日 15時26分

■今後の見通し

● 2021年8月期の連結業績見通し

ナガイレーベン<7447>の2021年8月期の連結業績は、売上高が前期比1.4%増の17,300百万円、営業利益が同2.7%増の5,068百万円、経常利益が同2.2%増の5,140百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同1.3%増の3,518百万円とする期初予想を据え置いている。上期実績が計画を上回ったものの、コロナ禍の状況も含めて先行きが不透明であることから、同社は予想を据え置いた。しかしながら足元の状況は堅調であり、円安が進行しているものの2021年8月期の為替は既に先物予約されていることなどを考慮すれば、予想を上回る可能性は高そうだ。

売上総利益率は46.1%(前期は45.8%)、売上総利益は前期比166百万円増加する見込みだが、売上増による要因で108百万円の増加を、生産による要因で59百万円の増加を見込んでいる。このうち生産による増加は、海外生産比率の上昇(49.5%から50.8%へ上昇)による要因で65百万円を見込んでいる。一方で原価面では、国内加工賃上昇や原材料等の値上げによる影響が2020年8月期で一巡していることから、2021年8月期に対してはニュートラルと予想している。また2021年8月期の為替レートは104.6円/米ドル(2020年8月期は106.0円/米ドル)を予想しており、これによる原価低減効果は27百万円を見込んでいる。

販管費においては、営業活動がある程度通常に戻ると予想されることから旅費交通費が6百万円増加する見込み。また海外向けのカタログ制作を計画しており、これによる広告宣伝費の増加15百万円を予算化している。これらを含めて、販管費は前期比1.2%増の2,908百万円となると予想しており、その結果、営業利益は前期比2.7%増の5,068百万円を計画している。

しかし2021年8月期第3四半期までの結果を見ると、物流費の上昇は予想されたほどではなく、販管費も前年同期比でマイナスとなっている。このような点を考慮すると、通期の予想が上方修正される可能性は高そうだ。

(1) アイテム別売上高予想

アイテム別売上高は、ヘルスケアウェアが前期比5.0%増の9,390百万円、ドクターウェアが同4.4%増の2,585百万円、ユーティリティウェアが同3.9%増の410百万円、患者ウェアが同15.1%増の2,380百万円、手術ウェアが同1.2%増の1,740百万円、シューズ・他が同2.3%減の340百万円、感染対策商品が同59.2%減の455百万円を見込んでいる。

主力のヘルスケアウェア及びドクターウェアについては、今後の営業活動の進捗に不透明感は残るものの、市場はおおむね安定的に順調に推移すると同社では見ている。引き続き、2020年8月期からの期ずれ物件を着実に取り込むことで増収を目指す。患者ウェアは、2020年8月期に中断された新規物件の取り組みの実現及び新規開拓による増収を計画している。手術ウェアは、感染対策での需要は一段落しつつあり、2020年8月期下期が大幅増収であったことから通期では前期並みを見込んでいる。ユーティリティウェアについては、感染予防の需要は一段落したものの、通期では増収を計画している。一方で、2020年8月期第4四半期から2021年8月期第1四半期まで売上増に寄与した厚生労働省向けの特需及びリユーザブルマスクの一過性需要が一巡することから、感染対策商品は大幅な減収を見込んでいる。

(2) 地域別売上高予想

地域別売上高は、東日本が前期比5.5%増の9,000百万円、中部日本が同3.9%増の1,800百万円、西日本が同6.0%増の6,000百万円、海外が同8.1%減の185百万円、厚生労働省(全国)が同66.7%減の315百万円を見込んでいる。

東日本では市場は安定しており、大型物件及び期ずれ物件を確実に取り込むことに加え、感染対策商品の拡販にも注力して増収を図る。中部日本は、更新予定物件を着実に獲得することで過去最高売上を計画している。西日本では、期ずれ物件の納入及び新規獲得に努めるとともに、引き続き患者ウェアへの取り組みを推進する。海外は、コロナ禍の影響で営業活動が停滞しているが、遅れていた台湾において同社ビジネスモデル(リネン業者への販売)を推進することで2021年8月期下期は回復を目指す。厚生労働省向けは、2021年8月期第1四半期(315百万円)までは確定しているが、現時点ではそれ以降の予定はない。

(3) 商品別売上高予想

商品別売上高は、ハイエンド商品が前期比4.5%増の1,120百万円、高付加価値商品が同5.3%増の9,155百万円、付加価値商品が同7.3%増の6,010百万円、量販品が同7.4%減の700百万円、厚生労働省向けが同66.7%減の315百万円を見込んでいる。

ハイエンド商品は、新商品(ヘルスケアウェア、ドクターコート)の新商品ラインナップ強化により市場を活性化することで、増収を計画している。高付加価値商品は、更新物件の確実な受注に向けさらなる機能アップとデザイン性を高めることで付加価値の向上を追求し、増収を目指す。付加価値商品は、2020年8月期からの新商品投入により他社物件も含め量販品からの引き上げ移行を推進する計画だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《YM》

提供:フィスコ

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