株価指数先物【寄り前コメント】 半導体株物色によりやや日経平均型が優位か

市況
2021年7月29日 8時10分

大阪9月限ナイトセッション

日経225先物 27760 +230 (+0.83%)

TOPIX先物 1927.0 +11.5 (+0.60%)

シカゴ先物 27790 +260

(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

28日の米国市場はNYダウ S&P500が下落する一方で、ナスダックは上昇。米連邦準備制度理事会(FRB)が米連邦公開市場委員会(FOMC)で金融政策の現状維持を決定したほか、パウエル議長が会見でテーパリングの時期はまだ先との認識を示した。ただし、想定の範囲内と受け止められる一方で、新型コロナウイルスのインド型(デルタ株)の感染拡大が警戒され、景気敏感株を中心に売り優勢の展開。そのなかで、前日に予想を上回る決算を発表したアドバンスト・マイクロ・デバイシズ<AMD>が7%を超える上昇となり、他の半導体株にも買いが波及しナスダックは反発した。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、医薬品・バイオテクノロジー、エネルギーが上昇する一方で、消費者サービス、家庭用品・パーソナル用品、食品・飲料・タバコが下落。

シカゴ先物清算値は日中大阪比260円高の2万7790円で取引を終えた。日経225先物のナイトセッションは日中比30円高の2万7560円で始まると、その後も緩やかな上昇を続け、2万7700円~2万7800円辺りで推移に。一時2万7890円まで上昇する場面が見られたものの、引けにかけて上げ幅を縮め、2万7760円で取引を終えた。

本日はシカゴ先物にサヤ寄せする形で、ギャップアップから始まることになろう。AMDがけん引する格好で米国市場では半導体株が買われており、この流れを受けて前日に弱い値動きを見せていた東京エレクトロン <8035> 、アドバンテスト <6857> などへの波及が期待される。特にアドバンテストはコンセンサスを若干上回る決算を発表したほか、通期予想を上方修正しており、日経平均株価をけん引することが期待されよう。

ただし、寄り付き後は次第にこう着感が強まりやすいほか、香港市場の動向に関心が向かいやすい。ハンセン指数のほか、これを受けたグローベックスの米株先物などの動向次第で、短期的な売買の影響を受けることになろう。なお、若干ではあるものの、クレディスイスが徐々にショートカバーを進めている。弱含む局面では、押し目狙いのスタンスを想定しておきたい。

NT倍率は先物中心限月で14.37倍に低下しており、方向性としては昨年9月水準となる14.10倍台が意識されている。本日は値がさハイテク株への物色によってNT倍率は反発を見せてくる可能性があるものの、上値抵抗線として機能している5日移動平均線を明確に上回ってくるまでは、NTロングには傾けづらいだろう。なお、VIX指数は23.25に上昇しており、直近の戻り高値水準を捉えていることも神経質にさせよう。

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