30日の米国市場ダイジェスト:米国株式市場は反落、新型コロナ再流行を懸念
■NY株式:米国株式市場は反落、新型コロナ再流行を懸念
ダウ平均は149.06ドル安の34,935.47ドル、ナスダックは105.58ポイント安の14,672.68で取引を終了した。
中国テクノロジー株の下落を受けた警戒感や疾病対策センター(CDC)が新型コロナウイルス変異株「デルタ」に水ぼうそう並みの感染力があり、従来のコロナウイルスよりも重症化する可能性を警告したため回復への警戒感も再燃し、寄り付き後、下落。月末で、利益確定の売りも目立ち、終日軟調に推移した。セクター別では、小売りが大きく下落した一方で、商業・専門サービスが小幅上昇。
消費財メーカーのプロクター・アンド・ギャンブル(PG)は四半期決算の内容が予想を上回り上昇。マイケル・コースやベルサーチといった高級ブランドを傘下に持つカプリ・ホールディングス(CPRI)も決算内容が予想上回ったほか、本年2度目となる見通し引き上げが好感され、大きく買われた。ナスダック市場に29日新規株式公開(IPO)した株式取引アプリを運営するロビンフッド(HOOD)はキャシー・ウッド氏率いるアーク・インベストメントによる同社株購入が明らかになり堅調に推移。一方、画像共有サイトのピンタレスト(PINS)は第2四半期決算において、月間アクティブユーザー(MAU)の減少を報告し、大きく売られた。クルーズ船を運営するロイヤル・カリビアン(RCL)は乗客の6名のコロナウイルス陽性が判明したと発表し、下落。同業のノルウェ?ジャン・クルーズ(NCLH)やカーニバル(CCL)も連られて売られた。エンターテインメントのディズ二?(DIS)はマーベル映画の最新作「ブラック・ウィドウ」配信を巡る主演俳優による提訴が嫌気され下落。
米証券取引委員会(SEC)は、中国政府による新たな規制強化のリスクを投資家に開示する新たなガイダンスが作成されるまで、中国企業の国内IPOや有価証券の売り出しに関する登録手続きを停止すると報じられた。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:米経済指標改善でドル買い強まる
30日のニューヨーク外為市場でドル・円は、109円59銭から109円83銭まで上昇し、109円69銭で引けた。米7月シカゴ購買部協会景気指数(PMI)が予想外に6月から上昇、7月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値は予想外に上方修正され、また、上院が超党派インフラ案で法制化に向けて一段と前進したため、景気回復期待を受けたドル買いが優勢となった。
ユーロ・ドルは1.1897ドルから1.1852ドルまで下落し、1.1869ドルで引けた。ユーロ・円は130円43銭から130円07銭まで下落。米疾病対策センター(CDC)は「新型コロナウイルスの変異株(デルタ)には水ぼうそう並みの感染力がある」との新たな報告書を公表し、警戒感からリスク回避の円買いが優勢となった。ポンド・ドルは1.3968ドルから1.3888ドルまで下落した。ドル・スイスは0.9075フランから0.9050フランまで下落した。
■NY原油:小幅続伸、一時74ドル台に上昇
30日のNY原油先物9月限は小幅続伸(NYMEX原油9月限終値:73.95 ↑0.33)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物9月限は、前営業日比+0.33ドルの73.95ドルで通常取引終了。時間外取引を含めた取引レンジは72.93ドル-74.23ドル。アジア市場で72.93ドルまで下げた後、ニューヨーク市場の終盤にかけて74ドル台まで買われた。時間外取引で74.23ドルまで上げ幅は拡大している。米国株式は下落したが、長期金利の低下を意識した買いが入った。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 38.36ドル -0.32ドル(-0.83%)
モルガン・スタンレー(MS) 95.98ドル -0.30ドル(-0.31%)
ゴールドマン・サックス(GS)374.88ドル -2.67ドル(-0.71%)
インテル(INTC) 53.72ドル +0.02ドル(+0.04%)
アップル(AAPL) 145.86ドル +0.22ドル(+0.15%)
アルファベット(GOOG) 2704.42ドル -26.39ドル(-0.97%)
フェイスブック(FB) 356.30ドル -2.02ドル(-0.56%)
キャタピラー(CAT) 206.75ドル -5.81ドル(-2.73%)
アルコア(AA) 40.15ドル +0.78ドル(+1.98%)
ウォルマート(WMT) 142.55ドル +0.31ドル(+0.22%)
《ST》