注目銘柄ダイジェスト(前場):エイシアンスタ、リコー、楽天グループなど

市況
2021年8月5日 12時00分

リコー<7752>:1069円(-144円)

大幅反落。前日に第1四半期決算を発表、営業利益は57億円で、前年同期213億円の赤字から黒字転換となっている。ただ、通期計画500億円との比較では進捗率は低く、市場コンセンサスも20億円程度下振れている。オフィスプリンティングの回復鈍化などが想定比下振れの背景とみられる。サプライズ決算となったキヤノン<7751>との比較感からも、ネガティブな反応が優勢になっている。

テルモ<4543>:4479円(+213円)

大幅反発。前日に第1四半期決算を発表、営業利益は362億円で前年同期比2.0倍と急拡大、市場予想を90億円程度上回っている。通期計画は従来予想レンジ1070-1130億円から1200億円、前期比22.0%増にまで上方修正。欧米を中心とした症例数の増加によって、心臓血管カンパニー事業の売上高が急回復している。コロナ禍からの回復度合いは想定以上との評価が優勢になっているもよう。

ソニーG<6758>:11305円(+230円)

反発。前日に第1四半期決算を発表、営業利益は2801億円で前年同期比26.3%増益となり、2100億円程度の市場予想を大幅に上回っている。EP&Sの改善幅が大きくなった。通期予想も従来の9300億円から9800億円に引き上げている。通期修正幅にサプライズは乏しいものの、コロナ禍で先行き不透明感強い中での第1四半期段階の上方修正実施、中国スマホ減速懸念が強かった中でのI&SSの第1四半期増益確保などを評価の動きに。

楽天グループ<4755>:1347円(+94円)

大幅続伸。持分法適用会社の米アルティオスターを完全子会社化すると発表している。企業価値10億ドル程度とされているアルティオスターは、4Gおよび5Gネットワークに対応した、仮想化されたオープンな無線アクセスネットワークソリューションを提供している。同社にとっては海外展開の本格化などを期待する動きが先行しているようだ。また、本日5日に、ドイツ通信事業者1&1社とモバイルネットワーク構築について長期的なパートナーシップを締結することを発表し、成長期待がストレートに反映される展開へ。

トヨタ自<7203>:9955円(-15円)

続落。前日の取引時間中に決算を発表、直後に急落する動きになった。その後はやや下げ渋ったが、本日も戻りは限定的な展開になっている。第1四半期営業利益は9975億円で市場予想の7300億円程度を大きく上回ったが、半導体供給不足の長期化などにより、通期予想は据え置かれており、目先の出尽くし感などが優勢となっているようだ。なお、野村證券では収益体質の改善などを評価、目標株価を11700円から13000円に引き上げ。

アジャイル<6573>:530円(+32円)

大幅に反発。筆頭株主で投資育成業のサイブリッジ合同会社(東京都渋谷区)が保有株数を24万8300株から28万2300株に増やしたと発表している。議決権所有割合は9.99%から11.37%に上昇した。4日提出の変更報告書によると、保有目的は「投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為などを行うこともありうる」としている。サイブリッジによる今後の買い増しに対する期待が株高要因となっているようだ。

綜研化学<4972>:2146円(+118円)

大幅に4日続伸。22年3月期第1四半期(21年4-6月)の営業利益を前年同期比25.7%増の7.80億円と発表している。粘着剤関連製品で中国市場を中心に需要拡大が続く液晶ディスプレイ関連用途向けの販売が伸びたほか、微粉体製品や加工製品も好調だった。国内設備投資の回復を背景に装置システムが順調だったことも増益に寄与した。通期予想は前期比11.7%減の30.00億円で据え置いた。

エイシアンスタ<8946>:110円(+18円)

年初来高値。21年12月期第2四半期累計(21年1-6月)の営業損益を従来予想の0.32億円の赤字から0.59億円の黒字(前年同期実績0.29億円の赤字)に上方修正している。販売用不動産の売却を前倒しで実施したほか、昨年買収した中国子会社の業績が好調に推移しているため。通期予想(0.90億円の黒字)は据え置いたが、修正する必要があると判断した場合は速やかに開示するとしている。

《ST》

提供:フィスコ

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