【M&Aリポート】 IT・ソフトウエア業界の2021年4-6月のM&A

特集
2021年8月11日 13時30分

「件数は過去最多、金額は2番目に」

IT・ソフトウエア業界の2021年4-6月のM&A発表件数は38件で、4-6月としては2012年以降の10年間では、2020年の36件を上回り過去最多となった。

取引金額は約8276億円で、4-6月としては2012年以降の10年間では2016年の約8379億円に次ぐ2番目となった。7000億円を超える大型の案件があったため、金額が大きく伸びた。

全上場企業に義務づけられた東証適時開示情報のうち、経営権の移転を伴うM&A(グループ内再編は除く)について、M&A仲介のストライク(M&A Online)が集計した。

◆金額のトップはパナソニックの7800億円

取引金額のトップは、パナソニック <6752>が製造業や流通業、物流業などの業務を効率化するためのサプライチェーン(供給網)用ソフトウエアの専門会社である米ブルーヨンダー(アリゾナ州)の株式80%を取得し、子会社化すると発表した案件。買収金額は株式取得で56億ドル、有利子負債の返済を含めて71億ドル(約7800億円、ほかにアドバイザリー費用約30億円)。

パナソニックは2020年7月にブルーヨンダーの株式20%を取得しており、今回の株式の追加取得で完全子会社化する。顧客企業の生産性向上などに向けたサプライチェーンマネジメントサービスを強化し、世界規模で事業拡大につなげるのが狙いで、2021年度第3四半期(2021年10-12月)までに買収完了を見込む。

取引金額の2番目は、AOI TYO Holdings <3975>が米カーライル・グループと組んでMBO(経営陣による買収)で株式を非公開化すると発表した案件で、買付代金は最大213億9058万円。

中江康人代表取締役グループCEO(最高経営責任者)ら経営陣の依頼に基づき、カーライル・グループがTOB(株式公開買い付け)を実施し、全株取得を目指す。

AOI TYOはテレビCM制作トップだが、コロナ禍の影響拡大でCM需要が大幅に減少し、2020年12月期決算は営業赤字に陥った。こうした中、広告のデジタル化への対応などを進めるうえで、非公開化を通じて中期的な視点で経営を進められる体制を作り出すことが不可欠と判断した。

金額の3番目は、PKSHA Technology <3993> [東証M]が買収目的会社を通じてオウケイウェイヴ <3808> [名証C]のソリューション事業を買収することを決めた案件で、取得金額は73億1400万円。オウケイウェイヴが対象事業を会社分割して設立する新会社PRAZNA(東京都港区)の全株式を取得する。

オウケイウェイヴのソリューション事業は、法人向けFAQ(よくある質問)/お問い合わせ管理システム「OKBIZ.」シリーズなど。PKSHAはグループ企業を通じて展開する自動応答エンジンとの掛け合わせにより、高付加価値化などにつなげる。

このほかに10億円-50億円台が5件、10億円未満が9件、金額非公表などが21件あった。

【IT・ソフトウエア業界の2021年4-6月のM&A】

【タイトル】

【タイトル】

提供:M&A Online(ストライク)

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.