明日の株式相場に向けて=「8月円高」アノマリー浮上か
「8月は円高」とはよく語られる言葉だが、16日に1ドル=109円30銭台までドル安・円高が進行。足もとでは、アノマリー(経験則)通りにお盆の時期を経て円高基調が強まっている。
市場では、今月下旬の米ジャクソンホール会議の内容が注目されているが、13日発表の米8月ミシガン大学消費者態度指数が市場予想を下回ったことから、「米景気ピークアウト説」がまた、頭をもたげてきた格好だ。加えて、アフガニスタン情勢の緊迫化や中国景気の不透明感もリスクオフ姿勢に拍車をかける。
東京市場の上値の重さは、外需頼みで内需が期待できないことが背景にある。新型コロナに対するワクチン接種で消費回復への期待感も高まったが、変異種(デルタ株)の感染拡大で、その期待も再び後退した格好だ。とはいえ、日経平均株価の今期予想連結PERは13倍台。海運株にみられるように大幅増配に踏み切る企業も少なくない。好業績株を中心とする個別株物色の流れは続きそうだ。増配を発表した日本冶金工業<5480>や荏原<6361>などに期待したい。
4~6月期決算はほぼ一巡したが、最終盤を飾る格好でこの日夕方に発表された東京エレクトロン<8035>は22年3月期の業績予想が大幅増額されたうえ、増配も公表しており株価の反応が注目される。また、あすの引け後にはパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス<7532>が21年6月期決算を発表する。