富田隆弥の【CHART CLUB】 「節を突破なら3万円を視野に」
◆8月下旬から日本株の動きが明らかに変わってきた。日経平均株価は8月20日に2万6954円の安値をつけて52週移動平均線にタッチしてから切り返し、9月2日には2万8543円と7週ぶりに2万8500円台を回復した。高値期日が明け、懸念要因の重なった8月から一転、9月は「悪抜け感、期待感」が膨らむ可能性もある。日経平均株価は半年にわたるジリ貧相場に終止符を打つことも想定される。
◆日経平均株価の日足チャートは、25日移動平均線(9月2日時点2万7744円)に続き、2万8300円近辺にある75日線と200日線を一気に上抜いた。週足チャートは13週移動平均線(同2万8117円)を抜いて、26週線(同2万8661円)に差し掛かった。この26週線は2月から続く上値抵抗線とも重なることから、2万8700円抜けが基調好転への最後の節目となりそうだ。
◆日経平均株価は4日続伸しており(2日時点)、26週移動平均線と上値抵抗線の節目に差し掛かることから、目先的には一服してもおかしくない。だが、9月相場は3年前に8連騰、2年前には10連騰するなど、下期入りに伴って連騰しやすい月でもある。週足のRCI(順位相関指数)は13週線が-64%、26週線が-84%と底値圏で好転を見せたところであり、上昇余地を残していることを示唆する。
◆岸田前政調会長が党総裁選に立候補し、覇気のなかった政局に動きが出てきた。景気対策期待が加わり、出遅れていた日本株がここで一気に基調を好転させてくる可能性は十分にある。日経平均株価が2万8700円の節を突破するなら「3万円」大台を視野に入れることになる。
(9月2日 記、毎週土曜日に更新)
情報提供:富田隆弥のチャートクラブ
株探ニュース