【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─新政権の誕生期待相場に乗る!
「新政権の誕生期待相場に乗る!」
●市場は常に目先の期待感で動く
株式投資にサプライズはつき物だ。といっても、年中それがあるわけではない。めったにないからサプライズなのだが、本日(9月3日)、それが久しぶりに起こった。
「菅首相、自民党総裁選に立候補せず、退陣へ」――まさに青天の霹靂だ。
昨年8月28日、安倍前首相が退陣を表明した。正直、大きなサプライズだった。人気が高かっただけに惜しむ人も多かったが、後任の菅首相がまさか1年で退陣することになるとは、だ。
しかし、東京市場は首相退陣の報を歓迎する形になった。ご承知のように日経平均株価は首相退陣が報じられるとともに急騰、一気に2万9000円台に乗せて引けた。
この動きは菅首相の退陣をシンプルに歓迎しただけではないだろう。次期首相への期待感、これによる上昇と見るのが自然だ。
では、誰が新首相になるのか。現時点ではそれはまったく分からない。それでも日経平均株価は上昇した。誰が首相になろうが、ともかく菅政権が終わってくれればよい。こう考えてのことか。だが、それは違うと見てよい。
市場はやはり新首相に期待している。新首相はコロナを克服してくれる、と。もちろん、これは市場の勝手な期待だ。それが達成される確率は、実際は菅首相が続投した場合とさほど変わらないだろうが、市場は常に目先の期待感で動く。
そして、新首相が誕生し、しばらくしてさほど状況が変わらないとなると期待感は急激に萎み、支持率も低下する。そうなると、また首相交代となりかねず、再び日本は政権が短期間でコロコロ変わる国になってしまう恐れがある。
しかし、いまはまだそこまで考える必要はない。いまは新首相に期待して、それが誰になろうが構うことなく、まずは新政権の誕生期待相場に乗る。これが正解だ。
●ポストコロナ関連の一角に注目
さて、注目銘柄だが、具体的には市場がまず期待しているのは 飲食や旅行、コンサートなどへ自由に行ける生活の回復なので、オリエンタルランド <4661> になる。
飲食店情報サイトを運営しているカカクコム <2371> 、ビール大手のアサヒグループホールディングス <2502> 、清酒・焼酎首位の宝ホールディングス <2531> なども魅力的だ。
カラオケにも行きたい―こんな人も多いことを考えると、コシダカホールディングス <2157> がある。コシダカとなれば、同社から20年3月にスピンアウトしたカーブスホールディングス <7085> がある。女性専用のフィットネスクラブに加え、男性向けジムを展開中で、今後、集客増が見込める。
外出の機会が増えるとなると、やはり髪のおしゃれが不可欠になることからI-ne <4933> [東証M] に注目だ。ヘアケアの「ボタニスト」と美容家電の販売に強く、いまは両方とも需要が回復中だけに株価も期待が持てる。
最後にマネジメントソリューションズ <7033> を。企業や団体などのプロジェクト実行支援やコンサルタントに強く、大企業向けのサービス提供が好調。株価は戻り歩調となっているだけに、これまた魅力的だ。
2021年9月3日 記
株探ニュース