前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

注目
2021年9月7日 5時20分

■明和産 <8103>  1,286円 (+239円、+22.8%)

東証1部の上昇率2位。明和産業 <8103> が4連騰。一時353円高の1400円まで買われる場面があった。同社は化学品や樹脂を主力に扱う三菱系商社だが、8月末の引け後に22年3月期業績予想の増額とともに、年間配当計画の大幅上方修正を発表しマーケットで脚光を浴びた。今期配当について、従来無配としていた上期配当を47円(前年同期は無配)とし、下期配当は従来計画の22円から68円に増額することで、年間配当は115円と前期実績の15円に対し100円上乗せされた前代未聞の大幅増配となる。これを受けて同社株は9月1日の寄り付きから買い注文殺到で取引時間中に値がつかない状況となり、前週末3日には値幅制限を上方拡大したが、結局一本値でストップ高配分の400円高に買われる人気となった。6日の高値までわずか4営業日で、株価はほぼ3倍化した。

■総合商研 <7850>  870円 (+150円、+20.8%) ストップ高

総合商研 <7850> [JQ]がストップ高。前週末3日の取引終了後、集計中の21年7月期連結業績予想について、売上高が160億円から161億6000万円(前の期比1.1%増)へ、営業利益が1億5000万円から3億4300万円(前の期1億8800万円の赤字)へ、最終利益が1億4500万円から2億5900万円(同1億6900万円の赤字)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感された。老朽化に伴う建て替え工事が完了し、昨年10月に本格稼働した新白石工場で各工程の見直しや最新設備の導入により作業工程の自動化を図ったほか、作業の共有やマルチタスク化により効率的に人員を配置することで、業務委託費や人件費の大幅な削減を実現したことが寄与した。また、他の各種業務でも委託先の見直しや内製化を行うなど徹底した経費削減に努めたことや、コロナ禍で出張や対面での営業を自粛し各経費が削減されたことも寄与した。

■松屋R&D <7317>  4,375円 (+700円、+19.1%) ストップ高

松屋アールアンドディ <7317> [東証M]がストップ高。前週末3日の取引終了後、9月30日を基準日として1株を2株に株式分割すると発表しており、これが好感された。投資単位当たりの金額を引き下げることにより、流動性の向上及び投資家層の拡大を図ることが目的という。なお、効力発生日は10月1日。

■キャリア <6198>  654円 (+100円、+18.1%) ストップ高

Career <6198> [東証M]がストップ高。前週末3日の取引終了後、21年9月期の連結業績予想について、売上高を137億円から140億円(前期比14.3%増)へ、営業利益を2億5000万円から4億円(前期100万円)へ、最終利益を1億円から1億3000万円(同3900万円の赤字)へ上方修正したことが好感された。新型コロナウイルスのワクチン接種関連の受注予測に関して、大規模接種会場事業の延長の可能性や、予想よりも早い政府からのワクチン供給量の回復、予想を上回る職域接種関連の受注増加などで、売上高が想定を上回る見通しであることが要因という。

■gumi <3903>  1,025円 (+150円、+17.1%) ストップ高

東証1部の上昇率3位。gumi <3903> がストップ高。前週末3日の取引終了後、出資先のdouble jump.tokyo(ダブルジャンプトーキョー)がZホールディングス <4689> のコーポレートベンチャーキャピタルに対して第三者割当増資を実施したと発表しており、これを好材料視した買いが入ったようだ。ZHD傘下のLINEとブロックチェーン領域での協業関係を強化していく。あわせて、ダブルジャンプがバンダイナムコホールディングス <7832> 傘下のバンダイナムコエンターテインメントとバンダイナムコライブクリエイティブ、仮想通貨交換業を手掛けるbitFlyer Holdings(HD)に対し、それぞれ第三者割当増資を実施したことも明らかにした。バンダイナムコグループとはエンターテインメント領域、bitFlyerHDとはNFT事業で協業する方針。

■レノバ <9519>  4,900円 (+655円、+15.4%)

東証1部の上昇率4位。レノバ <9519> 大幅高で3日続伸、25日移動平均線を陽線で上回ってきた。世界的に加速する脱炭素への取り組みを背景として、日本では2030年度までに温室効果ガスの排出量を13年度比で46%削減する目標を掲げるが、これは自民党総裁が交代しても政策の方向性に変更はないとみられている。そのなか同社は太陽光発電を主力に再生可能エネルギーの開発・運営を手掛けており、シンボルストックとして存在感を示す。特に、今回の自民党総裁選に出馬する意向を示している河野太郎規制改革相は脱原発と脱炭素を持論としており、仮に総裁選で勝利した場合には、レノバをはじめとする同関連株を改めて刺激する公算が大きいとの見方もでている。

■ティーライフ <3172>  1,644円 (+189円、+13.0%)

東証1部の上昇率5位。ティーライフ <3172> が急反騰。前週末3日の取引終了後、21年7月期決算を発表し、売上高は117億1900万円(前の期比10.8%増)、営業利益は9億100万円(同81.7%増)だった。続く22年7月期業績予想は、売上高が119億600万円、営業利益が9億7100万円で、会計基準の変更により単純比較はできないものの増収増益路線を継続する見通しとなったことが好感されたようだ。前期は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う消費者ニーズの変化に対応した商品販売に注力し、健康・美容関連商品や育児関連商品、ペット用品などが好調だった。また、巣ごもり需要を背景にテレビショッピング向けの販売も伸びた。今期については、競合他社との競争激化が進むとともに、感染状況によって変動する消費動向への迅速な対応が要求される状況が続くと見込む。なお、配当予想は52円(中間・期末それぞれ26円)とし、前期から1円増配した。

■ニューラル <4056>  3,250円 (+317円、+10.8%) 一時ストップ高

ニューラルポケット <4056> [東証M]が急反騰。6日午前11時ごろ、イオンファンタジー <4343> と共同で、AIカメラによる商業施設における子ども世代の属性解析技術を開発したと発表しており、これが好感された。両社は共同で店舗内AI解析の検討に関する取り組みを実施しており、そのなかでニューラルは、カメラに映る子ども世代の年齢をより細かく推定できるAIモデルを開発した。同取り組みにより、子ども世代の来館者とその同行者の施設内での行動をAIカメラによって見える化し、マーケティングに活用できる定量的なデータとして蓄積できるようになったという。今後は、イオンファンタジーが運営する施設へAIカメラを搭載したデジタルサイネージなどの機器設置を進めると同時に、子育て世代を対象とする店舗や商業施設での活用を広げるとしている。なお、今回の取り組みではソフトバンク <9434> の協力を受けたとしている。

■日本郵船 <9101>  9,830円 (+890円、+10.0%)

日本郵船 <9101> 、商船三井 <9104> 、川崎汽船 <9107> など大手海運株が揃って上昇、コンテナ船市況の高騰に加えばら積み船市況の回復も顕著で、足もとの収益変貌に注目した買いが続いた。鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数については、8月末を境に調整局面に移行しており、前週末時点では4000の大台を割り込んだものの依然として約14年ぶりの高値水準に位置している。郵船は7月末から急騰トレンドに突入し2ヵ月あまりの短期間で4000円強の上昇をみせているが、それでも今期配当700円予想から換算した配当利回りは7.3%前後という高さでインカムゲイン狙いの買いを引き寄せている。

■日本電子 <6951>  8,850円 (+720円、+8.9%)

日本電子 <6951> が大幅高で3連騰となり、前週末につけた上場来高値を連日更新となった。電子顕微鏡の世界トップメーカーだが、レーザー分野の高い技術力を半導体分野に活用、従来のシングルビームと比べ描画時間が約3分の1に短縮できるマルチビーム描画装置で業界を先駆している。8月末の引け後に、200万株の公募と250万株の株式売り出し、上限67万5000株のオーバーアロットメントによる売り出しを実施すると発表、これが嫌気される形で今月1日には500円安に売り込まれた経緯がある。しかし、その調整場面を大口の資金が拾い、翌2日から急速に切り返しに転じ、3日ザラ場には早くも急落前の水準を上回り最高値圏に再浮上している。6日はその余勢を駆って一段高、微細化・高集積化の進む次世代半導体分野での活躍に期待した買いを呼び込んだ。

■サイバダイン <7779>  483円 (+37円、+8.3%)

CYBERDYNE <7779> [東証M]が急反発。6日午後1時15分ごろ、英ハンプシャー州議会から「HAL腰タイプ介護・自立支援用」の長期大型契約を締結したと発表しており、これが材料視されたようだ。受注台数は127台。契約金額は約5億円で、期間は5年間レンタル(3年後に契約終了オプションあり)となっている。今後、22年3月期から5年間にわたってレンタル売上を計上する予定で、今3月期については約2700万円の売り上げを見込む。また会社側によると、ハンプシャー州議会では同契約での使用状況や効果に応じて柔軟に拡張ができるよう、5年間で総額1000万ポンド(約15億円)を上限にHAL腰タイプの調達を行うことを示唆しているという。

■野村マイクロ <6254>  5,510円 (+350円、+6.8%)

野村マイクロ・サイエンス <6254> が大幅高で3連騰、一時8.5%高の5600円まで駆け上がり、8月13日につけた上場来高値5420円を上抜き約3週間ぶりに上場来高値を更新した。同社は水処理装置メーカーで半導体業界を主要顧客とし、超純水製造装置で高い商品競争力を誇る。特に台湾のTSMC<TSM>や韓国サムスン電子などアジアの大手半導体メーカー向けで実績が高い。現在、世界的な半導体需給逼迫を背景に、TSMCとサムスン電子は生産設備の増強を競う状況にあり、野村マイクロはその恩恵を中期的に享受することが予想される。22年3月期業績は、前期急伸の反動もあって営業利益段階で前期比9%減の36億円を見込むが大幅な上振れが濃厚との見方が強まっている。

■スマレジ <4431>  4,160円 (+210円、+5.3%)

スマレジ <4431> [東証M]が4日ぶり急反発。前週末3日の取引終了後に発表した8月度のクラウドPOSレジ「スマレジ」の月次登録店舗数が前月比1145店増の10万1337店舗となり、登録店舗数が順調に積み上がっていることが好感された。無料プランが同862店増の8万174店舗となったほか、有料プランが同283店増の2万1163店舗となった。

■日本取引所 <8697>  2,853円 (+130円、+4.8%)

日本取引所グループ <8697> が大幅続伸。4日の日本経済新聞朝刊で「東京証券取引所は午後3時までとしている現物株の取引時間を30分延ばす検討に入った」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、実現すればシステムの刷新を控える24年となる見通しで、10月中に結論を出すことしている。

※6日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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