話題株ピックアップ【夕刊】(1):東電HD、フロンテオ、アイモバイル

注目
2021年9月9日 15時14分

■東電HD <9501>  322円  +32 円 (+11.0%)  本日終値  東証1部 上昇率3位

東京電力ホールディングス<9501>、関西電力<9503>、中部電力<9502>、九州電力<9508>など電力株が一斉高。業種別値上がり率では東証1部33業種中、断トツとなっている。自民党総裁選の行方は接戦が予想され、現状は誰が勝利するか判断できない段階にあるが、株式市場では国民的支持の高い河野太郎規制改革相の勝利が有力とみる動きがある。ここ脱炭素関連株が相次いで人気化しているのはその流れの一環だが、もう一つ河野氏の持論は脱原発であり、電力株売りの背景ともなっていた。しかし、河野氏は、直近では党内支持を意識してか、原発ゼロを目指すのは短期ではなくあくまで長期視野でということを主張し、当面は容認する姿勢を明示、これが電力株を買い戻す動きにつながっている。

■FRONTEO <2158>  1,871円  +164 円 (+9.6%)  本日終値

FRONTEO<2158>が急反発に転じている。業績予想の大幅上方修正を契機に8月17日にストップ高に買われ、それ以降も急速な上昇トレンドを形成、今月6日ザラ場には1870円の上場来高値に買われ約3週間で株価はほぼ2倍となった。前日はひと押し入れたものの、きょうはすかさず切り返す展開で再び1700円台半ばに浮上してきた。前日引け後に、東京都に管理医療機器販売業の届出を行い受理されたことを発表、今回の届け出により同社が出荷・上市した医療機器の、医療機関などへの自社流通及び販売が可能となったことから、株高を後押しする材料となった。

■アイモバイル <6535>  1,613円  +130 円 (+8.8%)  本日終値  東証1部 上昇率6位

アイモバイル<6535>が大幅高で3日続伸。8日の取引終了後、21年7月期決算を発表。売上高が178億3300万円(前の期比19.7%増)、営業利益が33億8200万円(同50.6%増)と大幅増収増益で着地。ふるさと納税事業「ふるなび」の会員数などが前年同期を大きく上回ったほか、インターネット広告事業も市場の回復を追い風に好調だった。なお、同時に発表した22年7月期の連結業績予想は、売上高142億7000万円、営業利益37億5000万円の見通し。会計基準の変更により前期との比較はない。あわせて、24年7月期を最終年度とする中期経営計画を発表した。最終年度に売上高160億4400万円、営業利益45億円とする目標を掲げている。

■フリークHD <6094>  2,268円  +132 円 (+6.2%)  本日終値

フリークアウト・ホールディングス<6094>が高い。スカパーJSATホールディングス<9412>が8日の取引終了後、フリークHDとそのグループ会社フリークアウトとコネクテッドTV領域で業務提携したと発表。これにより、フリークアウトグループが持つインターネット動画広告における広告プラットフォームの機能を活用し、スカパーJの動画配信サービス「SPOOX(スプークス)」において個々の顧客に最適化した広告を挿入するアドレッサブル広告などのトライアルを共同で進める。また、今後拡大が予想されるコネクテッドTV領域における事業について、さまざまなステークホルダーと協業し共同検討を進めていく。

■シグマクシス <6088>  3,030円  +165 円 (+5.8%)  本日終値

シグマクシス<6088>の上げ足が止まらない。一時215円高の3080円と連日で上場来高値を更新した。同社は経営コンサルティング会社で人工知能(AI)などを活用した案件に強みを発揮し、戦略立案から開発、実行までワンストップで対応できる強みを持っている。企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)投資が進むなか、ここにきてバックオフィス領域にもデジタルシフトの動きが顕在化しており、同社の活躍余地が高まっている。8日付の5%ルール報告書でワサッチ・アドバイザーズ・インクの同社株保有比率が6.35%から7.56%に増加しており、同社株を買い増す動きを続けていることが、株高思惑を助長している。ワサッチ・アドバイザーズは同社株以外に、HENNGE<4475>などにも投資している。

■第一稀元素化学工業 <4082>  1,775円  +66 円 (+3.9%)  本日終値

第一稀元素化学工業<4082>が全般地合い悪に抗して続伸、26週移動平均線を足場に再浮上の兆しをみせている。電材向けジルコニウム化合剤の大手で、自動車用排ガス触媒ではグローバルニッチトップ企業に位置づけられている。世界的な脱炭素への取り組みを背景に、自動車市場も従来のガソリン車から電気自動車(EV)への需要シフトが起こっている。そうしたなか、トヨタ自動車<7203>は7日、EVなどに使用する車載電池の開発に2030年までに1兆5000億円を投資する方針を表明しており、株式市場でも2次電池関連株ににわかに光が当たった。稀元素は車載用2次電池材料を製造しており、この流れに乗る銘柄として注目が集まっている。

■セルソース <4880>  17,700円  +560 円 (+3.3%)  本日終値

セルソース<4880>が3日ぶりに反発。同社は8日、乳がん治療・乳房再建に関する情報提供サービス「Sakura Pass」を開始すると発表。第1弾の取り組みとして、MRKホールディングス<9980>グループで体型補整用婦人下着を販売するマルコと提携し、マルコの約62万人の会員を対象としたサービスとして運用。まずはマルコ直営サロン22店舗で「Sakura Passカード」の配布を始め、対象店舗を順次拡大するとしている。

■ニコン <7731>  1,299円  +29 円 (+2.3%)  本日終値

ニコン<7731>は続伸し新値追い。8日の取引終了後、保有する日本電子<6951>株式のうち、200万株を売却したのに伴い、22年3月期業績に投資有価証券売却益155億円を計上すると発表した。

■ラクーンHD <3031>  1,561円  +34 円 (+2.2%)  本日終値

ラクーンホールディングス<3031>が続伸。午前11時ごろ、子会社ラクーンフィナンシャルが提供するBtoB掛売り決済サービス「Paid(ペイド)」が、NTTデータ中国(広島市南区)が運営する「@OnDemand接続サービス」の決済手段として導入されたと発表。「@OnDemand接続サービス」は、インターネット回線にNTTデータ中国のオンデマンドアダプタ(VPN)を設置することで医療機関と審査支払機関を安心、安全に接続できるネットワークサービス。本格稼働時から数多くの医療機関・調剤薬局の利用を見込んでおり、今後の拡大を見越して請求業務の効率化が課題だったが、「Paid」を導入することで、与信審査から口座振替のやりとり、請求書の発送や督促など一連の請求業務をアウトソースできるようになり、細かな作業の削減につながるとしている。

■前田工繊 <7821>  3,495円  +75 円 (+2.2%)  本日終値

前田工繊<7821>が3日続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が8日付で、投資判断「オーバーウエート」を継続し目標株価を3900円から4050円へ引き上げた。同証券では、BBS事業(インダストリーインフラに含む)の成長局面入りとソーシャルインフラ事業の持続的成長により、24年9月期まで2ケタ営業増益を継続するとの見方を継続。営業利益予想は21年9月期62億円の従来予想を据え置いたものの、22年9月期を78億円から79億円へ、23年9月期を91億円から92億円へ引き上げている。

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