9日の米国市場ダイジェスト:続落、景気回復や企業業績の鈍化を警戒
■NY株式:続落、景気回復や企業業績の鈍化を警戒
米国株式市場は続落。ダウ平均は151.69ドル安の34879.38ドル、ナスダックは38.39ポイント安の15248.25で取引を終了した。新規失業保険申請件数が予想以上に減少し、パンデミック以降で最小となったことを好感し、寄り付き後、上昇。しかし、新型コロナウイルス変異株の流行によりソフトウェアメーカーのマイクロソフト(MSFT)が従業員のオフィス復帰を無期限に延期したほか、航空各社が予約減少で見通しに慎重な見方を見せたため、消費、景気への影響を警戒した売りが強まり、下落に転じた。セクター別では、耐久消費財・アパレルや銀行が上昇した一方、不動産、医薬品・バイオテクが下落。
バイオのモデルナ(MRNA)は新型コロナウイルスワクチンの追加接種(ブースター接種)と季節性インフルエンザワクチンの接種が1回で済むワクチンの開発に着手していることを明らかにし買われた。百貨店のメーシーズ(M)はアナリストの投資判断引き上げを受けて上昇。ソーシャルネットワークサイトを運営するフェイスブック(FB)はサングラスメーカー、レイバンと共同で開発したスマートグラスを発表し、堅調に推移した。一方、自動車メーカーのフォード(F)はインドでの自動車生産から撤退すると発表し、下落。同業GM(GM)も電気自動車「シボレー・ボルトEV」の生産停止延長を発表し、売られた。また、ビールメーカーのボストンビア(SAM)はハードセルツァーの売り上げが低調で通年の業績見通しを引き下げ、下落した。通販者向けに後払い決済サービスを提供するフィンテック、アファーム(AFRM)は取引終了後に四半期決算を発表。内容は予想を上回り、時間外取引で上昇している。
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■NY為替:ドル売りが優勢 ECBの金融緩和策継続でユーロ弱含み
9日のニューヨーク外為市場でドル・円は、109円96銭から109円62銭まで下落し、109円73銭で引けた。30年国債入札が強い結果となったため、長期金利低下に伴うドル売りが優勢となった。
ユーロ・ドルは1.1841ドルまで上昇後、1.1805ドルまで下落し、1.1823ドルで引けた。欧州中央銀行(ECB)は定例理事会で予想通り政策金利の据え置きを決定。同時に景気回復にともない今後3カ月の緩和措置微調整で、パンデミック資産購入プロブラム(PEPP)のペース減速を決定したためユーロ買いに拍車がかかった。しかし、理事会後の会見で、ラガルド総裁がテーパリングではないとハト派姿勢を強調したため、ユーロ売りが強まった。ユーロ・円は130円15銭まで上昇後、129円67銭まで下落した。ポンド・ドルは1.3821ドルから1.3863ドルまで上昇した。ドル・スイスは0.9196フランから0.9161フランまで下落した。
■NY原油:中国の石油備蓄放出計画などを意識した売りが強まる
9日のNY原油先物10月限は反落。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は、前営業日比-1.16ドルの68.14ドルで通常取引終了。時間外取引を含めた取引レンジは67.56ドル-69.89ドル。ロンドン市場で69.89ドルまで買われたが、ニューヨーク市場では、中国が石油備蓄の放出計画を発表したことや、株安を意識して伸び悩み、67.56ドルまで下落。通常取引終了後の時間外取引では主に67ドル台後半で推移した。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 40.93ドル +0.15ドル(+0.37%)
モルガン・スタンレー(MS) 103.84ドル +0.27ドル(+0.26%)
ゴールドマン・サックス(GS)404.58ドル -0.42ドル(-0.10%)
インテル(INTC) 53.40ドル -0.17ドル(-0.32%)
アップル(AAPL) 154.07ドル -1.04ドル(-0.67%)
アルファベット(GOOG) 2898.27ドル +0.60ドル(+0.02%)
フェイスブック(FB) 378.00ドル +0.43ドル(+0.11%)
キャタピラー(CAT) 205.42ドル -1.35ドル(-0.65%)
アルコア(AA) 47.51ドル +1.78ドル(+3.89%)
ウォルマート(WMT) 146.42ドル -1.04ドル(-0.71%)
《NH》