話題株ピックアップ【夕刊】(2):トヨタ、トクヤマ、郵船
■スタジオアリス <2305> 2,404円 +43 円 (+1.8%) 本日終値
スタジオアリス<2305>はしっかり。13日の取引終了後に発表した8月度の月次売上高(単体)が前年同月比8.0%減と3カ月連続で前年実績を下回ったが、前月の同19.4%減から大きく縮小しており、これが好材料視されたようだ。買い上げ単価が全店ベースで同5.4%増となったものの、撮影件数(客数)が同11.3%減と2ケタ減となったことが響いた。なお、8月は1店舗を移転し、1店舗を退店した。
■トヨタ自動車 <7203> 9,946円 +151 円 (+1.5%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>は買い先行で反発に転じている。1万円大台近辺は売り圧力が強く、なかなか大台を維持できない局面が続いているが、国内製造業を代表する企業にしてPBR1.1倍台は指標面から割安感が強い。9月だけでなく、10月も生産台数を削減する計画で、前週末10日に9~10月の世界生産台数を従来比約40万台減らすことを発表、通期の生産台数についても900万台と従来計画から30万台下方修正し、これが株価にネガティブ材料となっている。一方、自動車生産台数を減らすのはサプライチェーンの問題であり、自動車販売需要そのものは旺盛で今後も世界的に高水準が続くことが見込まれるなか、下値では押し目買いニーズが強い。
■トクヤマ <4043> 2,315円 +32 円 (+1.4%) 本日終値
トクヤマ<4043>が続伸。午後1時40分ごろ、パナソニック<6752>と副生水素を用いた純水素型燃料電池の実証を開始したと発表。トクヤマの徳山製造所(山口県周南市)で発生する副生水素を用いた実証で、実証機はパナソニックが開発する6台の純水素型燃料電池を1つのユニットに収めたシステム構成。水素の供給配管や熱配管、電力出力ラインなどを集約してユニットに接続し、6台の純水素型燃料電池を1つのシステムとして稼働させる連携制御を実現する。なお、純水素型燃料電池の6台連携制御の実証は国内初となる。
■エフ・シー・シー <7296> 1,620円 +22 円 (+1.4%) 本日終値
エフ・シー・シー<7296>が3日続伸。13日の取引終了後、薪ストーブ・暖房器具の輸入卸販売を手掛けるファイヤーサイド(長野県駒ヶ根市)から、薪ストーブ用触媒を新規に受注したと発表。同社は、クラッチの摩擦材製造で培った抄紙技術を応用した排ガス浄化用触媒事業を行っており、今回は新たに薪ストーブ用触媒を開発したという。新製品は、他社の従来品に対して2倍の除去・浄化性能とレアメタル使用量80%減を実現するとともに、耐久性も向上させたとしており、こうした技術が評価され、国内有数の取扱実績を有するファイヤーサイド社からの受注に至ったという。
■日本郵船 <9101> 9,960円 +130 円 (+1.3%) 本日終値
日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>など大手3社をはじめ海運株が軒並み高。前日の米国株市場では新型コロナウイルス感染がピークアウトしたとの観測から景気敏感株が買い戻されており、この流れを継いで、グローバル物流を手掛ける海運セクターは景気敏感を代表する業種として物色の矛先が向いている。直近では、鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数の戻り足が急で、これも株価の刺激材料となった。同指数は前週後半から反騰態勢に入っており、前日13日は299ポイント高と大幅高で4163まで水準を切り上げた。既に2007年以来14年ぶりの高値近辺にあり、ここからの同指数の動きが注目される。
■フリー <4478> 8,770円 +100 円 (+1.2%) 本日終値
フリー<4478>が反発。13日の取引終了後、愛媛銀行<8541>と、スモールビジネスのIT化推進に向けて業務提携を開始したと発表。今回の提携では、フリーの「freee会計」や「freee人事労務」などの導入提案を共同で実施し、顧客の業務効率化や地域のデジタルトランスフォーメーションを推進する。愛媛銀行担当者が顧客に対してIT導入コンサルティングを行い、業務効率化や生産性向上だけではなく、経営の意思決定に必要な情報を見える化することで事業課題の解決に寄与するとしている。
■MDV <3902> 1,733円 +8 円 (+0.5%) 本日終値
メディカル・データ・ビジョン<3902>はしっかり。13日の取引終了後、上限を20万株(発行済み株数の0.51%)、または3億4500万円とする自社株を14日朝の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)で取得すると発表。資本効率の向上を通じた株主利益の向上や、M&Aなどの機動的な資本政策の遂行、従業員に対するインセンティブ・プランの活用による人材の確保を図るためとしている。
■任天堂 <7974> 54,210円 -1,060 円 (-1.9%) 本日終値
任天堂<7974>が軟調な動き。きょう付けの日本経済新聞朝刊で、「13日、主力ゲーム機『ニンテンドースイッチ』の欧州での直販サイトの価格を、ユーロ圏で329.99ユーロから299.99ユーロに引き下げた」と報じられており、これが嫌気された。記事によると、値下げは卸売価格の変更に伴う対応で、為替変動を考慮した調整という。
■フィット <1436> 1,315円 +300 円 (+29.6%) ストップ高 本日終値
フィット<1436>がストップ高。同社は投資家向けコンパクト太陽光発電設備の販売を主力としている。政府主導で再生エネルギー市場に関心が高まるなか、需要は旺盛で足もとの業績は大幅な伸びを示している。13日取引終了後に発表した21年5~7月期の営業利益は1億6700万円(前年同期実績は単独ベースで5700万円)と急拡大した。22年4月期通期見通しの3億円に対する進捗率も第1四半期時点で56%に達していることから、通期見通しの上方修正期待も膨らんでいる。
■エクスモーション <4394> 1,300円 +245 円 (+23.2%) 一時ストップ高 本日終値
エクスモーション<4394>が急動意。自動車分野向け中心に組み込みソフトの導入提案事業を手掛けており、筆頭株主は金融機関向け受託開発を主力展開するソルクシーズ<4284>で、同社の過半の株式を保有している。21年11月期営業利益は前期比60%増の1億4200万円と大幅な伸びを見込む。株式需給面では買い残が枯れた状態で上値が軽い。2018年7月の上場だが、時価は過去3年さかのぼっても大底圏に位置しており、底値買いの動きがにわかに活発化している。
株探ニュース