来週の株式相場に向けて=自民党総裁選に視線集中
秋の連休である「シルバーウイーク」入りした今週は立ち会いが3日のみだった。様子見姿勢が強まってもおかしくない日程だったが、週初の21日は日経平均株価が660円安と急落する一方、週末の24日は609円高と急伸する目まぐるしい展開となった。
中国恒大集団の債務問題に対する警戒感が高まり、20日のNYダウ急落を受けた東京市場は一気にリスクオフ姿勢に入った。ただ、中国恒大が人民元建て債の利払いを実施することを表明したこともあり、週末には売り方の買い戻しが流入した。10月以降も中国恒大の社債の利払い日が到来するだけに楽観視はできないものの、中国は1日の国慶節から7連休に入る。市場からは「新たな動きが出るとすれば国慶節の連休明け後」(アナリスト)との声が出ている。「中国版リーマン・ショック」の懸念を膨らませた中国恒大問題は、しばらくは一服状態も見込める。それだけに、東京市場は巻き戻し相場が期待される。
こうしたなか、来週の最大の焦点は29日の自民党総裁選の結果だ。当初、独走状態となるかに見えた河野太郎氏はやや失速気味であり、岸田文雄氏と高市早苗氏の3つ巴での争いとなりそうだ。誰が新総裁に選ばれるかはもちろんだが、得票率などどんな勝ち方をしたかで市場の反応も分かれそうだ。いずれにせよ、野村総合研究所<4307>などデジタルトランスフォーメーション(DX)関連株やウエストホールディングス<1407>など環境関連株が物色される流れが続きそうだ。
来週は28日の9月末の権利付き最終日。29日が権利落ちとなるが、配当再投資に絡む先物買いの動きも注目されている。10月1日には9月日銀短観が発表される。27日にしまむら<8227>、28日にスギホールディングス<7649>、29日に西松屋チェーン<7545>、30日にニトリホールディングス<9843>が決算発表を行う。28日に東証マザーズにROBOT PAYMENT<4374>が上場するなど30日までに7社のIPOが登場する。海外では、1日に米ISM製造業景況感指数が発表される。来週の日経平均株価の予想レンジは2万9800~3万900円前後。(岡里英幸)