29日の米国市場ダイジェスト:NYダウ90ドル高、金利が安定
■NY株式:NYダウ90ドル高、金利が安定
米国株式市場はまちまち。ダウ平均は90.73ドル高の34390.72ドル、ナスダックは34.24ポイント安の14512.44で取引を終了した。金利上昇が一段落したため、寄り付き後、上昇。8月中古住宅販売成約指数が予想以上に伸びたため、回復期待にダウは堅調に推移した。ただ、債務上限問題への懸念がくすぶり、引けにかけて上げ幅を縮小。金利先高感が根強く、ハイテク株の売りが続き、ナスダック総合指数は下落した。セクター別では公益事業、医薬品・バイオテクが上昇した一方で、半導体・同製造装置が下落。
ディスカウント小売りのダラー・ツリー(DLTR)は1ドル以上の商品を販売する計画や自社株買い計画が好感され、大幅高。航空機メーカーのボーイング(BA)は空軍と軍用輸送機「C17」納入で合意したほか、アナリストの投資判断・目標株価引き上げが好感され、上昇した。製薬会社のイーライリリー(LLY)や食品メーカーのコナグラ・ブランズ(CAG)はアナリストの投資判断引き上げで上昇。電気自動車メーカーのルシード・モーターズ(LCID)は10月後半に高級セダンを出荷する計画を発表し上昇した。航空会社のユナイテッド(UAL)はCEOがビジネス関連の予約がピークをつけた6月以来で最高水準に戻したと楽観的な見解を示し堅調に推移。
アイウェア小売りのウォービーパーカー(WRBY)はNY証券取引所に直接上場(ダイレクトリスティング)し、基準価格を大幅に上回り引けた。
Horiko Capital Management LLC
■NY為替:米住宅関連指標の改善などを意識してドル買い強まる
29日のニューヨーク外為市場でドル・円は、111円39銭から112円05銭まで上昇し、111円99銭で引けた。米8月中古住宅販売成約指数が予想を上回り、米連邦準備制度理事会(FRB)による早期の資産購入策縮小観測を背景とした金利先高感に伴うドル買いに加えて、日本銀行の黒田総裁が欧州中央銀行(ECB)のフォーラムで大規模緩和を維持する方針を示したため、日米金利差拡大観測に伴う円売りに拍車がかかった。
ユーロ・ドルは1.1659ドルから1.1589ドルまで下落して1.1596ドルで引けた。ユーロ・円は129円75銭まで弱含んだのち、130円04銭まで反発。ポンド・ドルは1.3490ドルから1.3412ドルまで下落した。英国のスタグフレーション懸念、英国の3社のエネルギー供給会社が破綻したとの報道を嫌気し、ポンド売りに拍車がかかった。その後、ガソリンスタンドを運営する石油会社のBPやエクソンモービルが「ガソリン不足は解消されつつある」と言及し、警戒感を受けたポンド売りは一服した。ドル・スイスは0.9288フランから0.9355フランまで上昇した。
■NY原油:続落で74.83ドル、ドル高などを嫌気した売りが強まる
NY原油先物11月限は続落(NYMEX原油11月限終値:74.83 ↓0.46)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物11月限は、前営業日比-0.46ドルの74.83ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは73.74ドル-75.79ドル。アジア市場で73.74ドルまで下落した後、ニューヨーク市場の中盤にかけて75.79ドルまで戻す場面があったが、主要通貨に対するドル高や原油需要増大の思惑はやや後退していることから戻り売りが優勢となった。通常取引終了後の時間外取引で74ドル台半ばまで反落する場面があった。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 43.07ドル -0.09ドル(-0.21%)
モルガン・スタンレー(MS) 99.55ドル -2.49ドル(-2.44%)
ゴールドマン・サックス(GS)384.89ドル -4.61ドル(-1.18%)
インテル(INTC) 53.49ドル -0.51ドル(-0.94%)
アップル(AAPL) 142.83ドル +0.92ドル(+0.65%)
アルファベット(GOOG) 2690.42ドル -33.26ドル(-1.22%)
フェイスブック(FB) 339.61ドル -1.04ドル(-0.31%)
キャタピラー(CAT) 197.87ドル -2.68ドル(-1.34%)
アルコア(AA) 50.58ドル -0.40ドル(-0.78%)
ウォルマート(WMT) 140.44ドル -0.06ドル(-0.04%)
《ST》