株価指数先物【寄り前コメント】 NTロングによるスプレッド狙いのスタンスを想定
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 29750 +130 (+0.43%)
TOPIX先物 2050.0 +11.0 (+0.53%)
シカゴ先物 29705 +85
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
29日の米国市場はNYダウ、 S&P500が上昇する一方、ナスダックは下落。米長期金利の上昇が一服したことを背景に買い直された。また、8月の中古住宅販売成約指数が7カ月ぶりの高値水準となったことも材料視され、NYダウの上昇幅は一時280ドルを超す場面もみられた。ただし、米連邦政府の閉鎖やデフォルトに陥る可能性などが重荷となり、上げ幅を縮めている。また、金利の先高観は根強く、半導体株は引き続き弱含みの値動きとなった。
S&P500業種別指数は医薬品・バイオテクノロジー、食品・飲料・タバコ、家庭用品・パーソナル用品が上昇する一方、半導体・同製造装置、消費者サービス、運輸が下落。
シカゴ日経平均先物清算値は日中大阪比85円高の2万9705円で取引を終えた。日経225先物のナイトセッションは日中比60円高の2万9680円で始まり、2万9850円まで上値を切り上げている。その後は軟化し、米国市場の取引開始後には2万9610円と下落に転じる場面もあった。ただし、売り込む流れとはならず、2万9660円~2万9800円水準での保ち合いを経て、2万9750円で取引を終えている。
本日はシカゴ先物にサヤ寄せする形で、やや買い先行から始まることになろう。米国ではNYダウが反発したが、米連邦政府の債務上限問題に対する警戒感から戻りは鈍く、半導体株の弱い値動きなども神経質にさせる。日経225先物は前日の下落局面で直近安値を下回り、支持線とした25日移動平均線水準まで調整したことから、いったんはリバウンドが意識されるものの、上値追いは慎重になりそうだ。
また、岸田新政権が発足することにより、政策期待は高まりやすく押し目買い意欲は根強い。ただし、金持ち優遇と批判があった金融所得課税の見直しを意識する声も聞かれるなか、海外への資金逃避といった思惑が高まる可能性には注意しておきたいところだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.52倍だった。一時14.48倍に低下したものの、その後は底堅い動きをみせており、75日線水準での攻防を続けている。25日線と75日線とのカイ離は縮小傾向にあることもあり、チャート形状としては一段と煮詰まり感が台頭している状況だ。積極的にはロングに傾けづらい需給のなか、NTロングによるスプレッド狙いのスタンスを想定しておきたい。
なお、VIX指数は22.56に低下している。ただし、前日の高値水準に位置していることもあり、不安感はくすぶっている状態であろう。
株探ニュース