はてな Research Memo(2):UGCサービスのパイオニア、高い技術力を強みに法人向けサービスへ事業拡大(1)

特集
2021年10月7日 15時02分

■事業概要

はてな<3930>は2001年に創立したインターネットサービス企業で、個人向けにユーザーが文章や画像などのコンテンツを発信・閲覧・拡散するプラットフォームを提供するコンテンツプラットフォームサービスからスタートした。2014年からは同サービスで蓄積した技術・ノウハウを生かして、法人向けのコンテンツマーケティングサービスやテクノロジーソリューションサービスへと展開し、事業領域の拡大を図っている。また、法人向けビジネスでの経験がコンテンツプラットフォームサービスの強化などにも役立っており、3つのサービス領域でシナジーを高めながら、成長を続けている。

1. コンテンツプラットフォームサービス

コンテンツプラットフォームサービスでは、ユーザーがコンテンツを発信・拡散するUGCサービスとして「はてなブックマーク」「はてなブログ」等のサービスを展開している。任意のWebページにユーザーがコメントを簡潔に付けることができる「はてなブックマーク」があることで、「はてなブログ」の記事に他のユーザーの意見や批評が集まりやすいことや、長い文章や論考、コラムのようなものを発信するITリテラシーの高いブロガーが比較的多いことが「はてなブログ」の特長となっている。

売上高の8割前後は、「はてなブログ」等の無料ユーザーの画面に掲載するアフィリエイト広告収入となり、そのほか有料サービスとして機能と利便性の向上を図った上位版サービス「はてなブログPro」や、2020年9月より法人向けに提供を開始した「はてなブログBusiness」がある。アフィリエイト広告収入に関しては、PV数×広告単価で決まる。広告単価に関してはその時々の需給によって決まるものの趨勢的には低下傾向となっており、PV数をいかに伸ばせるかが売上成長のカギを握る。PV数については、サービスの登録ユーザー数や月間ユニークブラウザ数※の伸びなどが参考となる。2021年7月期末の登録ユーザー数は1,150万人、月間ユニークブラウザ数は1.26億UBとなっている。

※ユニークブラウザ数:ある一定の期間内にWebサイトに訪れた、重複のないユーザーの数。1人のユーザーが何度も同じWebサイトを訪れても1人と数えられる。「訪問数」ではなく「訪問者数」を表し、Webサイトの人気や興味の度合いを判断する指標として重視される。「ユニークユーザー」と同義。

主要サービスは以下の3種類である。

(1) 人力検索はてな

2001年に開始した同社の最初のサービスであり、社名の由来ともなっている。検索エンジンで解決できない疑問があるときや簡単な統計を取りたいときに有用なQ&Aサービスで、ナレッジコミュニティサービスの草分け的な存在である。

(2) はてなブックマーク

2005年に開始した国内最大級のソーシャルブックマークサービス。気になったWebページを、感想やタグとともにオンライン上で簡単に管理できる。共有されたブックマーク先のページを見ることで、インターネット上で盛り上がっている話題を知ることができる。

(3) はてなブログ

2003年にサービスを開始した「はてなダイアリー」を進化させたサービスで、2013年に開始している。シンプルなデザインに、執筆を助ける機能が充実したブログサービスで、長い文章をじっくり書いて発信したいハイエンドブロガー向けのサービスとして定評がある。

有料サービスの「はてなブログPro」では、使用可能ストレージ容量が無料プランの10倍となるほか、独自ドメインの設定や管理機能の強化、モバイル環境下での高速表示、画面上の広告配置も自由に設定することが可能(非表示も可)となるなど、機能を拡充している。料金プランは月額1,008円、1年プラン8,434円(月額703円相当)、2年プラン14,400円(同600円相当)の3コースで提供している。また、スタートアップ企業(設立5年以内)または小規模法人(資本金5千万円以下)向けには、「はてなブログBusiness」サービスを提供しており、料金プランは月額4,980円、1年プラン41,800円(月額3,483円相当)、2年プラン71,700円(同2,988円相当)の3コースとなる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《YM》

提供:フィスコ

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