この記事はプレミアム会員限定です

20年前から4.4倍に負担増、携帯料金は乗り換えで4分の1に減らせる!

特集
2021年10月21日 10時00分

清水香の「それって常識? 人生100年マネーの作り方-第37回

清水香(Kaori Shimizu)
FP&社会福祉士事務所OfficeShimizu代表
清水香1968年東京生まれ。中央大学在学中より生損保代理店業務に携わるかたわらファイナンシャルプランナー(FP)業務を開始。2001年に独立後、翌年に生活設計塾クルー取締役に就任。2019年よりOfficeShimizu代表。家計の危機管理の観点から、社会保障や福祉、民間資源を踏まえた生活設計アドバイスに取り組む。一般生活者向けの相談業務のほか執筆、企業・自治体・生活協同組合等での講演活動なども幅広く展開、テレビ出演も多数。 財務省の地震保険制度に関する委員を歴任、現在「地震保険制度等研究会」委員。日本災害復興学会会員。

前回記事「最大で30万円の給付や140万円の貸付も~新型コロナに関連して受け取れるお金 その2」を読む

NTTドコモの利用者の方は、お困りだったのではないでしょうか。

10月14日の夕方から発生した同社の通信障害で、音声やデータ通信はもちろん、同社の「d払い」などの決済サービスもできない事態に陥り、少なくとも200万の利用者に影響が出たと言われています。

今やそれなしに暮らせない、と言っても過言ではないスマートフォン。2010年頃から急速に普及が進み、世帯保有割合が2019年に8割を超えました。

ただ、スマホで日々の暮らしが便利になった一方で、その利用料金は高止まりしています。2020年の携帯電話の年間料金は約13万円。2000年の約2万8000円から、なんと4.4倍にも増えています。

■1世帯当たりの各通信の年間支出(2人以上の世帯)

【タイトル】

出所:「令和2年家計調査年報」(総務省)

携帯電話のほかにネット接続や固定電話、そしてNHKやケーブルテレビ、さらに郵便料などを含めた広義の通信費も増加しています。2020年は年間22万円を超え、20年前より約8万円も増えています。

このうち5割以上を占めるのが携帯電話の料金です。それが高止まりしているのはNTTドコモ、KDDI<9433>、ソフトバンク<9434>のキャリアと呼ばれる大手3社が、シェアの9割を占めていることがあります。

3社寡占の中で、各社は途中解約するとペナルティーが生じる長期割引を導入、また他社に契約を移す際に手数料を徴収していることなどから、顧客が囲い込まれて競争が進みにくい構造になったのです。

乗り換えないのは「面倒くさいため」

そこに、携帯電話料金の値下げを公約した菅・前政権が誕生。3社に料金の見直しを要請すると、各社は今年3月から20GB月額3000円程度で、オンライン契約専用の新ブランドの導入で反応しました。

政府によれば、新料金プランの契約数は5月末時点で合計約1570万となり、これによって年間4300億円の国民負担が軽減したとの試算も公表されました。

とはいえ、課題もあります。総務省が実施した6月のユーザー意識調査では、新ブランドの料金サービスが始まっても、今のサービスから乗り換える意向がないと答えた人は、63%に及びます。

【タイトル】

別の調査でも乗り換えを考えていない、あるいは乗り換えたくないとの回答が7割弱。理由のトップは「手続きが面倒くさいため」です。

これには激しく頷いてしまいます。新ブランドの料金は似たり寄ったりですが、従来の主力ブランドで適用している割引と比較すると、一体どちらがおトクなのかが、容易に判断できないのです。

適切なプランを選択するためには、相当骨が折れます。料金プランや契約先の見直しは、利用者にとって高いハードルがそびえています。

ただし、乗り換えをしやすくするルールの策定も進んできました。現在、MNP(番号持ち運び制度)手数料を多くの事業者が無料にしています。

乗り換え時にかかる違約金の上限は1100円以下に。また、他社の回線で使えなくするSIMロックもこの10月から原則禁止となりました。将来的には、乗り換え後もキャリアメールが利用できるようになる見込みです。

そして、個々のユーザーの使い方に合うよう、割安にもなる料金プランを広がってきました。

コロナ禍で在宅勤務が増えて携帯電話の使い方が変わっていたら見直し時かもしれません。そこで今回、通信費負担の現状を踏まえ、乗り換えやプラン変更を考えるときのポイント、注意点をお伝えします。

自宅にWi-Fi環境があるなら1か月3ギガ以内でほとんど足りる

携帯電話の料金を減らすには、GB数や通話の利用が実際にどの程度なのかを、確認するのが出発点です。

総務省によれば、大手3社のユーザーの4割程度は月20GB以上のプランを契約しているものの、実際に月20GB以上使用しているのは10%に過ぎない、といいます。

Wi-Fi環境のある自宅なら、ほとんどの場合月3GB以内で済むのだとも。多くの人は、利用実態に合ったプランを選択できていません。

そこで、大手3社の主力サービスの契約から他に乗り換えるケースを考えてみます。

乗り換える例としては、

大手キャリア3社が今春から開始したオンライン契約専用の新ブランド、

3社のうち2社が提供している割安料金のサブブランド、

新規参入した4社目のキャリアである楽天グループ<4755>の楽天モバイル、

格安SIMと呼ばれるサービスで、ここでは関西電力<9503>傘下のオプテージ(大阪市)が提供する「mineo」を例にします。

次のページに、大手3社の主力ブランドと新ブランド、そしてサブブランド、および今回比較する楽天モバイルとmineoの料金プランの概要をまとめ、比較しました。

次ページ 他社に乗り換えなくても4000~6000円ほどの節約になるが…

 

こちらは株探プレミアム限定記事です。プレミアムプランをご契約して読むことができます。
株探プレミアムに申し込む (初回無料体験付き) プレミアム会員の方はこちらからログイン
プレミアム会員になると...
株価情報をリアルタイムで提供
企業業績の表示期数を拡大
限定コラムが読み放題

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.