話題株ピックアップ【夕刊】(3):日本郵政、東電HD、キヤノン

注目
2021年10月27日 15時27分

■日本郵政 <6178>  888.8円  +10.2 円 (+1.2%)  本日終値

日本郵政<6178>は全般地合い悪に抗して続伸、一時16円あまりの上昇をみせ895円まで上値を伸ばす場面があった。商いも引き続き活況で午前10時現在、全上場企業の中で第3位に食い込んでいる。第3次売却発表で株価は需給面の緩みを警戒して大幅な調整を強いられたが、前日に売り出し価格が決定したことを契機に急速に切り返しに転じた。前日は7日ぶりに反発し40円以上の上昇をみせたが、きょうもその余勢を駆って上値を見込んだ買いが優勢となっている。PERやPBRなどが割安なほか、配当利回りが5.6%前後と高いことが同社株のセールスポイントとなっている。

■スタンレー電気 <6923>  2,935円  +33 円 (+1.1%)  本日終値

スタンレー電気<6923>が続伸。同社は26日取引終了後、22年3月期第2四半期(4~9月)連結売上高が1791億900万円(前年同期比15.0%増)、営業利益が129億7700万円(同49.9%増)、純利益が93億3400万円(同2.5倍)で着地したと発表しており、材料視された。業績は新型コロナウイルスの影響から回復しているが、第2四半期(7~9月)においては世界的な半導体不足による自動車生産台数の減少、樹脂材料や部品など調達費用高騰の影響を大きく受けた。なお、22年3月期の業績予想は世界的な半導体不足を背景に算定が非常に困難であるとして22日に取り下げており、引き続き非開示としている。あわせて、100万株(発行済み株式総数に対する割合0.62%)または20億円を上限とする自己株取得枠を設定すると発表した。取得期間は10月27日~11月17日で、株主への利益還元と企業環境の変化に対応した機動的な資本政策などの遂行を可能とするためとしている。

■カワチ薬品 <2664>  2,196円  +22 円 (+1.0%)  本日終値

カワチ薬品<2664>は続伸。26日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、営業利益を75億円から80億円(前期比24.2%減)へ、純利益を55億円から58億円(同18.4%減)へ上方修正し、あわせて45円を予定していた期末一括配当予想を50円に引き上げると発表しており、これが好感された。売上高は従来予想の2820億円(同0.9%減)を据え置いた。上期において、前年同期に発出された緊急事態宣言下で内食需要などが急増した反動の影響があったものの、改装や営業時間の延長を図りドラッグストアとしての機能強化に努める施策が奏功し、感染予防関連商材などが堅調に推移していることが寄与する。同時に発表した第2四半期累計(3月16日~9月15日)決算は、売上高1443億8400万円(前年同期比2.8%減)、営業利益44億5800万円(同31.8%減)、純利益32億5600万円(同29.4%減)だった。

■山崎製パン <2212>  1,792円  +17 円 (+1.0%)  本日終値

山崎製パン<2212>、日清製粉グループ本社<2002>、昭和産業<2004>など食品株が前半軟調地合いのなか強さを発揮、業種別でみても「食料品」は業種別騰落率で東証1部33業種中値上がり率2位。コモディティ市況の高騰が続くなか、世界的にコストプッシュインフレを警戒する動きが出ている。日本国内では物価上昇圧力は弱いが、それでも企業側は原料高騰の影響を受けており、潜在的な値上げ圧力が意識される状況にある。そうしたなか食品セクターでは製品販売価格の値上げが相次ぐ状況にあるが、環境面から比較的値上げが受け入れられやすいことは強み。今後収益面での改善が見込まれ、株式市場ではコスト高への対応を評価する形で関連株に投資資金が流入した。

■日本車輌製造 <7102>  2,103円  +13 円 (+0.6%)  本日終値

日本車輌製造<7102>は4日続伸。26日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、売上高を920億円から930億円(前期比6.5%減)へ、営業利益を54億円から61億円(同32.6%減)へ、純利益を48億円から53億円(同33.2%減)へ上方修正したことが好感された。鉄道車両事業や建設機械事業、エンジニアリング事業が堅調に推移していることに加えて、製品構成の変化により利益率が向上していることが要因としている。なお、同時に発表した第2四半期累計(4~9月)連結決算は、売上高425億1200万円(前年同期比6.1%減)、営業利益28億2600万円(同11.2%減)、純利益24億4500万円(同2.9%減)だった。

■エイチーム <3662>  1,610円  +2 円 (+0.1%)  本日終値

エイチーム<3662>が3日ぶりに反発。同社は午後1時ごろ、グループ会社のエイチームエンターテインメントがスクウェア・エニックス(東京都新宿区)と共同開発中のスマートデバイス向けバトルロイヤルアクションゲーム『FINAL FANTASY VII THE FIRST SOLDIER』の事前登録受付を開始したと発表しており、材料視された。『FINAL FANTASY VII』の世界観のバトルロイヤルゲームで、プレイヤーがソルジャー候補兵となって最大75人のプレイヤーの中から生き残りをかけて戦うという内容。

■東和薬品 <4553>  3,060円  -335 円 (-9.9%)  本日終値  東証1部 下落率2位

東和薬品<4553>が大幅続落。同社は26日取引終了後に、22年3月期連結売上高が1650億円から1667億円(前期比7.6%増)へ、営業利益が174億円から193億円(同3.1%減)へ、純利益が120億円から154億4000万円(同10.6%増)へ当初の見通しを上回りそうだと発表したが、決算期待で25日に3560円まで買い進まれ、引き続き年初来高値圏にあったことから材料出つくしの売りに押されたようだ。上方修正は国内において市場からの安定供給要請への対応を可能な範囲で行ったことや、研究開発費など販管費が抑えられたため。なお、純利益の増額はデリバティブ評価益を営業外収益に約22億円を計上する見込みであることも反映したとしている。

■FDK <6955>  1,043円  -108 円 (-9.4%)  本日終値

FDK<6955>が3日ぶりの大幅反落となっており、一時は前日比10%超安となる1030円まで下落した。同社は26日取引終了後に、22年3月期第2四半期(4~9月)連結営業利益が13億9200万円(前年同期比44.5%増)だったと発表したが、通期計画19億円(前期比9.0%増)に対する進ちょく率が73.3%であるにもかかわらず、通期見通しが据え置かれたため、失望売りに押されたようだ。電池事業のアルカリ乾電池、電子事業の液晶ディスプレイ用途向け各種モジュールの売り上げが減少したものの、電池事業のニッケル水素電池とリチウム電池、設備関連ビジネス、電子事業のモビリティ用途向け各種モジュールの売り上げが増加したとしている。

■東電HD <9501>  316円  -21 円 (-6.2%)  本日終値  東証1部 下落率7位

東京電力ホールディングス<9501>が後場一段安の展開で、一時は前日比6.5%安の315円まで下げ幅を広げた。日本経済新聞電子版が昼ごろに「東京電力ホールディングス(HD)の2022年3月期の連結最終損益は140億円前後の赤字(前期は1808億円の黒字)と、670億円の黒字を見込んでいた従来予想から一転赤字になることが分かった」と伝えており、これが嫌気されたようだ。記事によると、最終赤字は9期ぶり。原子力発電所の再稼働が遅れ、火力発電に頼るなか、燃料高で調達コストも一時的に膨らむとしている。同社はきょう午後に決算を発表する予定。なお、同社は午後2時15分に同報道に対して「これは当社が発表したものではありません」とするコメントを発表している。

■キヤノン <7751>  2,566.5円  -160.5 円 (-5.9%)  本日終値  東証1部 下落率8位

キヤノン<7751>が大幅に5日続落。株価は一時、前日に比べ6%超安に売られた。同社は26日取引終了後に決算発表を行い、21年12月期の連結営業利益予想を2830億円から2720億円(前期比2.5倍)に減額修正したことが嫌気された。半導体などの値上がりによるコスト増などが響くようだ。市場には、足もとの円安も寄与し3000億円前後への増額を予想する見方もあっただけに、今回の下方修正はネガティブ視された。

●ストップ高銘柄

INCLUSIVE <7078>  1,051円  +150 円 (+16.7%) ストップ高   本日終値

グローバルウェイ <3936>  7,590円  +1,000 円 (+15.2%) ストップ高   本日終値

アスタリスク <6522>  11,440円  +1,500 円 (+15.1%) ストップ高   本日終値

など、5銘柄

●ストップ安銘柄

なし

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