ファナック嫌気も75日線を支持線とした底堅い展開を意識/オープニングコメント

市況
2021年10月28日 8時27分

28日の日本株市場は、売り先行後の底堅さを見極める相場展開になりそうだ。27日の米国市場はNYダウが266ドル安だった。クレジットカード大手ビザの10-12月期見通しが嫌気され、NYダウを押し下げる格好となった。一方でマイクロソフトやアルファベットは昨日引け後に発表した予想を上回る決算や長期金利の低下を受けて堅調に推移した。シカゴ日経225先物清算値は大阪比360円安の28640円。円相場は1ドル113円70銭台で推移している。

シカゴ先物にサヤ寄せする格好から売り先行で始まろう。決算が本格化するなか、国内でもファナック<6954>の下方修正を嫌気した流れに向かいやすく、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の重荷となる可能性はありそうだ。日経平均は直近では小動きの中で25日線が支持線として底堅さを見せていたが、米株安の流れや主要企業の決算を受けた値動きにより、25日線を割り込んでくるだろう。ただし、75日線が28550円辺りに位置しているため、同線での底堅さを見せてくるかが注目される。

また、本日はTOPIX浮動株比率の定期見直しに伴う、TOPIXパッシブ連動資金のリバランス需給が発生する。この需給を見込んだ先回り的な物色が見込まれるため、売り一巡後はこう着感が強まりやすくなりそうだ。75日線水準での底堅さが見られるほか、ファナックが売り一巡後に下げ渋る動きを見せてくれば、押し目買いの動きも出てくる可能性はあるだろう。

また、米国の下げについても決算を嫌気した下落であり、一方で好決算を発表した銘柄は買われている。米長期金利の低下を背景にハイテク株の一角も物色されているため、センチメントを悪化させる下落ではないだろう。そのため短期的には売り仕掛けの動きも出やすいものの、業績に安心感のある銘柄や調整一巡感が見られている銘柄などへは押し目買いに向かわせそうだ。

その他、31日に投票日を迎える衆院選挙では、自民党が議席を減らすものの、単独で過半数を獲得するといった報道もある。結果判明の前でショートポジションを積み上げる動きも考えづらく、売り仕掛け的な動きに対しては、その後のカバーを狙った押し目買いスタンスになりそうである。

《AK》

提供:フィスコ

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