話題株ピックアップ【夕刊】(2):積水化、ベイカレント、信越化
■第一工業製薬 <4461> 3,370円 +200 円 (+6.3%) 本日終値
第一工業製薬<4461>が後場急伸。同社はきょう午後2時頃に、22年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比37.7%増の24億4700万円となり、従来予想の20億円から上振れたことが好感されたようだ。売上高は同8.5%増の303億8700万円(従来予想は300億円)で着地。光硬化樹脂用材料が苦戦したものの、太陽電池用途の導電性ペーストや環境配慮型の合成潤滑油の売り上げが伸びたことが好業績につながった。なお、通期業績予想は売上高615億円(前期比4.0%増)、営業利益51億円(同13.7%増)とする従来計画を据え置いている。
■積水化学工業 <4204> 1,848円 +84 円 (+4.8%) 本日終値
積水化学工業<4204>が後場一段高。同社はきょう午後1時30分頃に、22年3月期通期の連結業績予想修正を発表。営業利益見通しを前期比33.7%増の900億円(従来予想は860億円)に引き上げたことが好感されたようだ。売上高の見通しも同9.4%増の1兆1555億円(従来予想は1兆1326億円)に上方修正。売値改善や高機能品の販売拡大による構成改善、コスト削減などが寄与するとしている。一方、航空機向け炭素繊維強化プラスチック(CFRP)など複合材成型品を手掛ける米子会社について減損損失を計上することから、純利益予想は同18.2%減の340億円(従来予想は600億円)に引き下げている。
■SBIIG <7326> 1,298円 +56 円 (+4.5%) 本日終値
SBIインシュアランスグループ<7326>は大幅高で3日ぶりに反発。27日の取引終了後に発表した第2四半期累計(4~9月)の連結決算速報で、経常収益438億600万円(前年同期比7.8%増)、経常利益33億700万円(同51.4%増)、純利益11億5400万円(同49.3%増)と大幅な増収増益となったことが好感された。すべての事業における保有契約件数が堅調に増加したことが寄与した。なお、決算発表は11月10日を予定している。
■サムティ <3244> 2,588円 +104 円 (+4.2%) 本日終値
サムティ<3244>が全体地合い悪に抗して8連騰と異色の上昇波動を形成、連日の上場来高値更新となった。首都圏や関西エリアを地盤に投資家向け中古マンション再生など不動産流動化ビジネスを展開するほか、ホテル事業にも力を入れている。21年11月期は物件放出を抑制していることもあってトップラインが2ケタの減収を予想、営業利益段階で前期比4割強の減益を見込むなど低調だ。しかし、株価的には織り込みが進んでおり、ホテル事業の回復が見込める22年11月期は収益が急回復に向かう可能性がある。時価は最高値圏を走るが、株価指標面では依然としてPER8倍台と割安で、今期年間配当90円を計画し、配当利回りにして3.5%と株主還元姿勢も評価される。信用買い残も軽い。法人筋とみられる継続的な実需買いが観測され、株価を押し上げている。
■ベイカレント <6532> 48,650円 +1,950 円 (+4.2%) 本日終値
ベイカレント・コンサルティング<6532>が続伸。岩井コスモ証券は27日、同社株の投資判断を新規「A」でカバレッジを開始した。目標株価は6万円に設定した。同社は企業の経営戦略やIT分野に強みを持つ国内最大級の総合コンサルティング会社。コンサルティングからITシステム構築・運用までワンストップで提供し、デジタルトランスフォーメーション(DX)やESG(環境・社会・企業統治)などの様々な課題に取り組む企業のコンサルティング需要拡大を追い風に高成長を続けている。2022年2月期の連結営業利益は会社予想の160億円に対し200億円(前期比47.6%増)への上振れを予想。同社への中期的な成長期待などが株価の上昇材料になる、とみている。
■日本特殊陶業 <5334> 1,813円 +71 円 (+4.1%) 本日終値
日本特殊陶業<5334>が大幅に3日続伸。同社は27日取引終了後、22年3月期連結業績予想について、売上高は4920億円から4820億円(前期比12.7%増)へ当初の会社計画を下回る見通しであるものの、営業利益は500億円から685億円(同44.5%増)へ、純利益は373億円から488億円(同27.2%増)へ、年間配当は74円から96円(前期は60円)へ上回る見通しだと発表しており、材料視された。自動車メーカーの半導体不足による減産影響を受けて新車組付用市場は厳しい状況にあり、売上高は下振れる見通し。一方、スパークプラグの補修用部品市場、半導体製造装置用部品が好調に推移していること、及び為替の円安影響や費用抑制により、利益は上振れる見通し。あわせて発表した22年3月期第2四半期(4~9月)連結営業利益は339億2100万円(前年同期比2.0倍)だった。
■東京ガス <9531> 1,952.5円 +70.5 円 (+3.8%) 本日終値
東京ガス<9531>が後場上げ幅拡大。同社は午後2時に、22年3月期連結業績予想について、売上高を1兆9520億円から1兆9700億円(前期比11.6%増)へ、営業利益を920億円から1000億円(同28.7%増)へ、純利益を600億円から670億円(同35.3%増)へ、年間配当予想を60円から65円(前期は60円)へ上方修正すると発表しており、好感された。業績予想の上方修正は第1四半期決算の発表時に続き、今期2回目となった。
■ニューラルポケット <4056> 3,025円 +102 円 (+3.5%) 本日終値
ニューラルポケット<4056>が反発。きょう午前11時ごろ、三菱地所<8802>が開発・運営する物流施設「ロジクロス海老名(神奈川県海老名市)」にAI解析技術を活用した倉庫運営ソリューションを提供開始したと発表しており、これが好感されたようだ。この取り組みでは、物流施設内に設置したAIカメラが作業員の動線などを可視化し、庫内作業の効率化や安全性の向上を目指す。また、ニューラルの駐車場向けサービス「デジパーク」の技術を活用し、トラックバースの利用状況をリアルタイムで解析し、改善点を抽出することでトラックの待ち時間解消を実現する。
■信越化学工業 <4063> 20,500円 +575 円 (+2.9%) 本日終値
信越化学工業<4063>は全般地合い悪に抗して3連騰、一時895円高の2万820円と9月28日以来1カ月ぶりに2万円大台を回復した。塩ビ樹脂及び半導体シリコンウエハーの世界トップメーカーで足もとの業績は極めて好調に推移している。世界的に旺盛な半導体需要を背景にシリコンウエハーが需給逼迫状態にあり同社の商機が高まっている。また、塩ビ樹脂も需要活発で、値上げ効果の浸透もあり利益を押し上げている状況だ。同社の決算は業界動向を占ううえでマーケットの注目度も高かったが、27日取引終了後に発表した21年4~9月期の最終利益は前期比57%増の2209億400万円と同期間の過去最高利益を更新した。これを評価される形で投資マネーを呼び込んでいる。
■アルゴグラフィックス <7595> 3,175円 +75 円 (+2.4%) 本日終値
アルゴグラフィックス<7595>が反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は27日、同社株のレーティングの「バイ」を継続するとともに、目標株価を3740円から3840円に引き上げた。第1四半期(4~6月)の連結営業利益は前年同期比11.4%増の17億4900万円と堅調。大手メモリメーカー向けなどの半導体製造工程管理システムが大きく貢献したほか、主力の自動車業界向けの引き合いも回復傾向にあることなども寄与した。同証券では、第1四半期決算を受け22年3月期の連結営業利益を従来予想の64億円から65億8000万円(会社予想60億6000万円)に上方修正した。23年3月期も半導体製造工程管理システムの大型案件が見込めるとみており、同利益は74億8000万円への増益を予想している。
株探ニュース