29日の米国市場ダイジェスト:米国株式市場は続伸、押し目買い強くインフレ懸念を払しょく
■NY株式:米国株式市場は続伸、押し目買い強くインフレ懸念を払しょく
ダウ平均は89.08ドル高の35,819.56ドル、ナスダックは50.27ポイント高の15,498.39で取引を終了した。
9月個人消費支出(PCE)デフレーターや7-9月期の雇用コスト指数の上昇で、インフレ懸念が重しとなり寄り付き後、下落。昨日引け後に発表された携帯端末アップル(AAPL)やオンライン小売のアマゾン(AMZN)の決算が予想に満たず失望感から両社株が売られ全体指数を一時押し下げた。しかし、押し目買い意欲も強く、引けにかけて回復。下げを消し主要株式指数は史上最高値を更新し終了した。セクター別では自動車・自動車部品が上昇した一方で、テクノロジー・ハード・機器がが下落。
ユナイテッド・ステイツ・スチール(X)は第3四半期決算で1株利益が予想を上回ったほか、増配を発表し上昇。エネルギー会社のシェブロン(CVX)は原油高が奏功し、四半期決算で2013年以降初めての黒字を計上したことが好感され上昇した。不動産関連会社のロケット(RKT)はソフトウェア会社のセールスフォース(CRM)との提携を発表し上昇。製薬会社のファイザー(PFE)は当局が同社製新型コロナワクチンの5歳から11歳の子供への緊急使用を許可したとの報道が好感され買われた。
一方、コーヒーチェーンのスターバックス(SBUX)は従業員の賃金引き上げなどコストの上昇が影響し第3四半期決算で利益が予想を下回ったほか、中国の既存店売り上げが7%減と予想以上に落ち込み、アナリストの目標株価引き下げも嫌気され下落。携帯端末のアップル(AAPL)は昨日引け後に発表した決算で、サプライチェーンの混乱が影響し売上高が予想に満たず失望感から下落した。デジタル・ソリューション・プロバイダーのウエスタンデジタル(WDC)は決算で悲観的な見通しが嫌気され下落。
イエレン米財務長官は訪問中のイタリアで、「物価上昇は正常化すると確信している」と述べた。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:米インフレ上昇でドル買い強まる
29日のニューヨーク外為市場でドル・円は、113円72銭まで下落後、114円10銭まで上昇し、104円01銭で引けた。米9月コアPCE価格指数は予想を下振れたものの、高い伸びを維持したほか、7-9月期雇用コスト指数は伸び率が市場予想を上回っており、米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利上げ観測も強まり、ドル買いが優勢となった。月末に絡んだドル買いも観測された。
ユーロ・ドルは1.1648ドルから1.1535ドルまで下落し、1.1560ドルで引けた。欧州中央銀行(ECB)は理事会で早期の利上げの可能性を否定し、慎重な姿勢を維持したため、ユーロ売りが続いた。ユーロ・円は132円69銭から131円61銭まで下落。ポンド・ドルは1.3790ドルから1.3668ドルまで下落した。ドル・スイスは0.9109フランから0.9176フランまで上昇した。
■NY原油:強含み、需給ひっ迫の懸念は解消されず
29日のNY原油先物12月限は、強含み(NYMEX原油12月限終値:83.57 ↑0.76)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物12月限は、前営業日比+0.76ドルの83.57ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは81.41ドル-83.74ドル。アジア市場で83.29ドルまで買われた後、ニューヨーク市場の中盤にかけて81.41ドルまで反落した。石油輸入国などが主要産油国に対して増産を要請しているとの見方が広がり、原油先物は一時下落したが、需給ひっ迫の懸念は解消されず、通常取引終了後の時間外取引で83.74ドルまで戻している。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 47.78ドル 0.00ドル(0.00%)
モルガン・スタンレー(MS) 102.78ドル +0.28ドル(+0.27%)
ゴールドマン・サックス(GS)413.35ドル -1.47ドル(-0.35%)
インテル(INTC) 49.00ドル +0.92ドル(+1.91%)
アップル(AAPL) 149.80ドル -2.77ドル(-1.82%)
アルファベット(GOOG) 2965.41ドル +42.83ドル(+1.47%)
フェイスブック(FB) 323.57ドル +6.65ドル(+2.10%)
キャタピラー(CAT) 204.01ドル -0.08ドル(-0.04%)
アルコア(AA) 45.95ドル -0.50ドル(-1.08%)
ウォルマート(WMT) 149.42ドル +0.97ドル(+0.65%)
《ST》