富田隆弥の【CHART CLUB】 「日米とも過熱信号が灯る」

市況
2021年11月6日 10時00分

◆11月3日のFOMC(米連邦公開市場委員会)は11月からのテーパリング(資産購入ペースの縮小)を決めた。だが、同日、NYダウは5日続伸し過去最高値を3万6178ドルに、ナスダックは8日続伸で1万5821ポイントに伸ばした。パウエルFRB議長の「いまは利上げの時期ではない」との発言を、マーケットは「利上げを急がない」と解釈し、株式市場に運用マネーの流入が続いた。

◆10月に2万8000円台後半で煮詰まりを見せていた日経平均株価だが、10月31日衆院選での与党勝利を確認して上放れ、11月4日は一時360円高の2万9880円まで上げた。こうなると、3万円回復から9月14日の高値3万0795円へ挑戦する可能性も出てくる。企業業績は好調で、年末商戦で盛り上がる12月初旬まで上昇基調が続いてもおかしくない。

◆そんな雰囲気が漂う株式市場だが、10月初旬の安値から1カ月が経過して日足のRCI(順位相関指数)はNYダウ、ナスダック、日経平均株価のいずれも高値圏に集まり、テクニカル的にはそろそろスピード調整がほしいタイミングだ。

◆原油(WTI)と国際商品先物指数のCRB指数は10月26日に高値をつけて調整局面にある。バルチック海運指数は10月7日の高値5650ポイントから調整入りし、暗号資産(仮想通貨)のビットコインは米国でビットコインETFが上場(10月19日)した翌日に高値を付けている。大きく高値を伸ばした他商品のマーケットがすでに頭打ちから調整に転じていることは、マネーの流れの変化を示唆するものであり、「次の調整は株式市場」という見方もできる。

◆期待される年末商戦はまだ先(ブラックフライデーは11月26日)で、サプライチェーン(供給網)の混乱やインフレ懸念はまだ解消していない。楽観ムードが漂う株式市場だが、皆が強気になる相場には注意が必要だろう。上げた銘柄では利食いを忘れず、ここからの個別株投資は機敏に対応していきたい。

(11月4日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.