【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─旅行関連株の本格見直しを先取る!

市況
2021年11月7日 9時30分

「旅行関連株の本格見直しを先取る!」

●投資は常に3~6カ月先を考える

緊急事態宣言が解除され、新型コロナウイルスの新規感染者数も日々減少を続け、最近では東京都でも1日30人以下という日もあるのに、コロナ禍を恐れて株価が下げ続けた銘柄の回復力は極めて鈍い。

ところが、土日・祝日には、全国各地の行楽地に多くの観光客が押し寄せている。特に京都や日光など、紅葉が美しい行楽地では宿の予約が取れないところが多いという。

実はわが家でも旅心が騒ぎ出して「どこかへ行こう」となって、京都や奈良、金沢、伊豆、箱根、平泉…など全国各地の行楽地の名前を挙げては、あれこれ検討するのだが、結局「まだ早いんじゃない?」と見送っている。これでは出かけるチャンスを失ってしまいそうな気もするが、いまは紅葉見物は諦め、来年初夏の新緑に期待しているところだ。

その間、2進1退で水準を高めるだろうと見ているのが、 旅行関連株になる。私は紅葉見物は諦めたが、年末にかけて首都圏から地方へ、地方から首都圏へと旅行する人が急増し、正月を沖縄で迎えるという家族も増えることはまず間違いない。

市場全体に勢いがある場合は、それを先取る動きがあるのが普通だ。しかし、残念ながら今の市場は盛り上がりに欠けている。そのため、先取りの買いは入りにくいのだが、投資では常に3~6カ月先を考えたい。

●外国人旅行者の来日復活に向けて曙光兆す

こんな観点から旅行関連株は今後本格的に見直される日が来ると見てよく、いまはそれに先回りしておきたい局面だ。

ただ、年末年始に再び新規感染者が増える恐れはある。その場合、株価は売られることもあるかもしれないが、これまでほど深刻なものにはならないと見てよい。ワクチンの2回接種の効果が見込めるからだ。

政府はこのほど新型コロナの水際対策を緩和すると発表した。原則停止していた外国人の新規入国に関し、ビジネス目的の短期滞在や留学生・技能実習生を対象に認める方針だ。

具体的には、短期ビジネス目的の入国者についてはワクチンを接種済みなら入国後の待機期間を最短3日間に短縮する。現在はワクチン接種済みでも入国後10日間の待機を求めているが、それが半分以下に短縮されることになる。

それによって旅行者が増えるわけではない。しかし、来年半ば以降の外国人旅行者たちの来日に道を開くものになると考えてよい。

こんなことも考慮すると、投資対象銘柄はまずは日本空港ビルデング <9706> がある。羽田空港の家主であり、国内旅客が増加中であることを考えると、悪化した収益も最悪期を乗り切りつつあると見るのが自然だ。

旅行比較サイト「トラベルコ」を運営するオープンドア <3926> も、今後の利用者増が見込める企業になる。格安航空券やツアー、ホテル、高速バス、レンタカーなどまで価格比較が可能で、女性たちの利用が多い点でも株価は期待が持てる。

国内航空券中心の予約サイト「スカイチケット」を運営するのはアドベンチャー <6030> [東証M]。社名を覚えやすいこともあって、利用者増は必至。いずれ海外旅行も回復するだけに、それを見越して投資しておきたいところだ。

航空券予約サイトではエアトリ <6191> が運営する「エアトリ」もある。これまた今後の利用者増は揺るがない。まだその兆しも見えない段階ながら、腰を据えての投資なら、現在水準辺りでよい。

ホテル、旅館など宿泊施設向け予約管理システムに強い手間いらず <2477> も、なかなか株価が浮上しない。システムを利用する宿泊施設が減少してしまったためだが、予約システムは、ワクチン接種者と未接触者を分けるなど、複雑化しているだけに、新たな利用が見込める。現在の株価は評価が低すぎるのではないだろうか。

旅行先の宿泊施設はどうか。全国でビジネスホテル、リゾートホテルを運営する共立メンテナンス <9616> がある。中国でのホテル展開に乗り出した星野リゾート・リート投資法人 <3287> [東証R]も時間をかけてのゆっくり投資ならお勧めだ。

2021年11月5日 記

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.