来週の株式相場に向けて=11月は「株高」のアノマリー継続か
11月第2週(8~12日)の日経平均株価は前週末比1円60銭安と、わずかながら3週ぶりに反落した。ただ、12日に332円高と急伸したこともあり、11月の月間ベースでは717円(2.5%)高と現時点で上昇している。
日経平均株価を月足の陰線と陽線で判断する月間騰落率でみてみると、11月の勝率は1969年以降で65%と1年のうちでは4月の69%の次に陽線となる率の高い月だ。続くのは12月の62%であり、11月から12月にかけては年末相場が演じられてきたことが分かる。特に、12年以降は昨年まで11月は9年連続で陽線となっている。
この年末高のアノマリー(経験則)が続くかだが、今年は11月序盤に衆院選の自民党勝利の追い風で好スタートを切った格好であり、このまま年末高に向け上昇相場が期待できそうな気配が強まっている。その大きな要因に、11月1週の海外投資家が現物で日本株を買い越すなど外国人買いの動きが垣間見えるほか、様子見姿勢を続けた国内機関投資家も選挙と決算が一巡するとともにそろそろ買い姿勢を強めてきそうなことが挙げられる。
週明けの15日には、リクルートホールディングス<6098>や三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>など90社強が決算発表を予定しているが、これで決算ラッシュは終わる。今年の中間決算は「全体的には堅調な内容だった」(市場関係者)とみる声が少なくなく、その内容を検証したうえで買い基調を強めてくるとみられる。
来週は、15日に米中首脳のオンライン会談が開催される可能性があるほか、19日に政府が経済対策を決定する見込みだ。また、海外では16日に米10月小売売上高が発表されるほか、17日にエヌビディア<NVDA>、18日にアプライド・マテリアルズ<AMAT>の決算が発表される。国内では15日に7~9月期国内総生産(GDP)の発表がある。18日にGRCS<9250>、19日にAB&Company<9251>がともに東証マザーズに新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは2万9400~3万円。(岡里英幸)