注目銘柄ダイジェスト(前場):ポート、FRONTEO、チェンジなど
テスホールディングス<5074>:2874円(+284円)
急伸。前日に第1四半期決算を発表、営業利益は32.2億円で着地、通期計画49.1億円に対する進捗率は66%で高進捗率となった。エンジニアリング事業は、福岡みやこメガソーラー向け再エネEPC(開発型)が順調に進捗し、売上及び利益に大きく貢献。受託型EPCでも、顧客の脱炭素ニーズを受けて太陽光発電が前期に引き続き堅調に推移。また、エネルギーサプライ事業は減収となったが計画通りの推移となったもよう。通期計画は据え置いているが、第1四半期時点での高進捗率を受けて、今後の上方修正への期待感が高まっている。
リクルートHD<6098>:7834円(-237円)
大幅反落。前日に上期決算を発表、累計の営業利益は前年同期比3.0倍の2229億円、7-9月期も同2.5倍の1182億円と大幅増益で市場予想の970億円を上回った。通期計画は従来の2700~3400億円から3500~3800億円、レンジ上限で前期比2.3倍にまで上方修正。HRテクノロジー事業では引き続き高い採用需要に起因した有料求人広告利用の増加が寄与。人材派遣事業も欧州、米国などでの増収がけん引。ただ、株価が上場来高値圏にあるなか、上方修正値が市場予想を小幅に上回る程度におさまっていることもあり、利益確定売りが優勢となっている。
ソーダニッカ<8158>:704円(+77円)
急騰で年初来高値更新。前日に発行済株式総数に対する割合4.23%に相当する100万株を上限とした自社株買い実施を発表。取得期間は21年11月16日から22年3月31日まで。株主への利益還元及び経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行が目的。今年5月にも発行済株式総数の6%に相当する自社株買いを発表しており、短期間での立て続けの高水準の自社株買いを評価する動きが優勢に。
チェンジ<3962>:2270円(+321円)
急伸。前日に21年9月期本決算を発表、営業利益は前期比42.4%増の59.9億円となった。NEW-ITトランスフォーメーション事業では大企業や官公庁向けのデジタル化プロジェクトやデジタル人材育成関連の案件が拡大。パブリテック事業では、ふるさと納税プラットフォームビジネスでの手数料率の引き上げ、地方自治体向けSaaSビジネスの有償化などが寄与した。前期の上振れ着地に伴い、22年9月期は中計で掲げていた65億円から68億円、前期比13.6%増に増額修正した。
トレックスセミ<6616>:3280円(+383円)
急伸。前日に上期決算を発表、累計の営業利益は前年同期比6.8倍の17.8億円で、7-9月期は同18倍の11.47億円と増益率が急拡大。通期予想は従来の25億円から27億円、前期比2.2倍にまで上方修正。電子化ニーズの高まりやライフスタイルの変化に伴い、産業機器関連市場やデジタル機器関連市場などが引き続き好調に推移する見通し。為替の円安傾向も寄与するもよう。年間配当金も40円から44円へと増額するとしており、好決算を素直に評価する動きに。
FRONTEO<2158>:3445円(+500円)
ストップ高。22年3月期の営業損益を従来予想の12.00億円の黒字から18.00億円の黒字(前期実績5.07億円の黒字)に上方修正している。上半期にリーガルテックAI事業が好調だったほか、AIソリューション事業の利益が下半期に増加すると見込む。期末配当も従来予想の5.00円から7.00円(前期末実績は無配)に増額修正した。第2四半期累計(21年4-9月)の営業損益は12.06億円の黒字(前年同期実績1.60億円の赤字)で着地している。
ポート<7047>:1248円(+182円)
年初来高値。次世代のマッチングサービスとして、メタバース(アバターなどを利用して活動する仮想空間)を活用したマッチングDX事業の実証実験を開始したと発表している。初期段階として、メタバース内での就職相談イベントの開催やメタバースを活用したバーチャル合同説明会の開催などを模索する。今後、就職領域以外への拡大についても検討する。メタバースはテーマ性があるとの見方も買い材料になっているようだ。
タスキ<2987>:2989円(+174円)
大幅に反発。12月9日を基準日として1株につき2株の割合で分割すると発表している。投資単位当たりの金額を引き下げ、株式の流動性向上と投資家層の拡大を図ることが目的。22年9月期の期末配当予想を56.00円から28.00円(前期末は52.00円)に見直すが、株式分割に伴うもので実質的な変更はない。最近の値上がりで1月26日に記録した年初来高値(3390円)に株価が接近していることも先高期待につながっているようだ。
《ST》