株価指数先物【寄り前コメント】 VIX指数は10カ月ぶりの30台に上昇、市場のセンチメントは十分弱気に傾いた
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 27450 -730 (-2.59%)
TOPIX先物 1903.0 -55.0 (-2.80%)
シカゴ先物 27420 -760
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
1日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。前日の大幅な下落に対する自律反発狙いの買いが先行し、NYダウは一時500ドルを超える上昇をみせた。ただし、米国で新型コロナウイルスの変異型(オミクロン型)の初の感染者が確認されたと伝わると、感染拡大への警戒感から下落に転じ、引けにかけて下げ幅を広げた。また、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が下院金融サービス委員会での証言でテーパリング(量的緩和の縮小)の加速を再表明したことも重荷となった。S&P500業種別指数は家庭用品・パーソナル用品、公益事業が上昇する一方で、自動車・同部品、食品・生活必需品小売、消費者サービスが下落。
シカゴ日経平均先物清算値は日中大阪比760円安の2万7420円で取引を終えた。日経225先物のナイトセッションは日中比60円安の2万8120円で始まり、その後2万8230円と上昇する場面もみられた。ただし、戻りは鈍く、買い一巡後は2万8000円~2万8200円水準での保ち合いを継続。米国市場が下げに転じた流れを受けて軟化すると、引けにかけて下落幅を拡大。2万7450円とナイトセッションの安値で取引を終えた。
本日の日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする格好から売り先行で始まろう。前日は710円高と大幅な反発となった反動もあり、ヘッジ対応の売りが集中することから、パニック的な動きが警戒されやすいだろう。NYダウは10月上旬以来の水準まで下落してきたことで、日経225先物も10月7日につけた安値2万6980円(ナイトセッションを含む)が意識されそうだ。
VIX指数は31.12に上昇した。終値で30を超えたのは2月1日以来で、10カ月ぶりの高水準となった。一段の株安警戒によりリスク回避姿勢が強まる状況であろう。一方で、市場のセンチメントは十分弱気に傾いたとの見方もできそうだ。NYダウは52週移動平均線に接近しており、いったんはボトム形成の可能性も意識させてくるだろう。また、日経225先物も10月安値との2点底形成も期待される。総悲観のなかで値振れの大きい相場展開となろうが、底入れを想定した動きも出てきそうだ。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.39倍に低下し、支持線として意識されていた75日線を割り込んだ。パニック的な売りの影響から一段の低下が見込まれるものの、底入れを想定したNTロングのポジションを積み上げるタイミングとして、ここは冷静に対応したいところであろう。
株探ニュース