話題株ピックアップ【昼刊】:アドウェイズ、ニチコン、海運株

注目
2021年12月2日 11時38分

■VIX短先物 <1552>  2,339円  +160 円 (+7.3%)  11:30現在

国際のETF VIX短期先物指数<1552>が5日続伸。同ETFは「恐怖指数」と称される米VIX指数とリンクしており、米国市場の波乱時には上昇する特性を持つ。1日の米VIX指数は前日に比べ3.93(14.45%)ポイント高の31.12と急伸。終値ベースで2月1日以来、10カ月ぶりに30台に乗せた。新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染者が1日に米国で初めて確認されたことが嫌気され、同日のNYダウは急落した。これを受け、この日の東京市場ではVIX短先物が上昇する展開となっている。

■アドウェイズ <2489>  827円  +52 円 (+6.7%)  11:30現在  東証1部 上昇率10位

アドウェイズ<2489>は急伸。同社は1日取引終了後、株主還元及び経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行するため、600万株(発行済み株式総数に対する割合14.29%)もしくは30億円を上限とする自己株式の取得枠を設定すると発表した。取得期間は21年12月10日から22年5月9日までとしている。

■ニチコン <6996>  1,254円  +63 円 (+5.3%)  11:30現在

ニチコン<6996>が上値追い基調が鮮明。ここ全体相場は新型コロナウイルスのオミクロン株が与える影響が懸念され波乱の様相を余儀なくされているが、そのなか同社株の強さが際立つ。11月10日にマドを開けて急騰したが、その後も売り物を吸収し1000~1200円のボックス圏を上放れてきた。アルミ電解コンデンサーを主力とするコンデンサー大手だが、最近は電気自動車(EV)用フィルムコンデンサーの売り上げが急増している。世界的にEVの普及加速が見込まれるなか収益面での追い風が強い。22年3月期営業利益は従来予想の40億円から46億円に大幅増額、これは前期実績比でほぼ3倍の水準となる。

■日本郵船 <9101>  7,980円  +390 円 (+5.1%)  11:30現在

日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>の大手海運株が全般軟調地合いのなか強さを発揮、いずれも大きく上値を追っている。また、業種別騰落率で海運セクターは5%を超える上昇となっており、東証1部33業種中で断トツの上昇率となっている。ばら積み船市況の値動きを示すバルチック海運指数の戻り足が顕著で直近3000の大台に乗せたことが追い風材料。市場では「中国の景気が思ったよりも強いという背景が意識されていると思われる。最近では(海運株は)信用買い残など株式需給面の重さが嫌気されたものの、配当利回りの高さやPERの安さが魅力であることに変わりはない。加えて直近はモルガン・スタンレーMUFGによる大手海運会社の目標株価引き上げが観測されており、これも買い有利の流れを作っている」(準大手証券ストラテジスト)という。

■大阪ソーダ <4046>  2,729円  +107 円 (+4.1%)  11:30現在

大阪ソーダ<4046>はプラス圏に再浮上。同社は午前11時に、山形大学及び同大学発のベンチャーであるBIH(山形県米沢市)と進めていた次世代リチウムイオン電池の共同開発について、大阪ソーダの特殊ポリエーテルを用いたゲル状電解質により高い安全性を示す半固体電池を開発したと発表した。これまでのスマートフォンなどの電源として用いられているリチウムイオン電池は、低粘度の液体の電解質を使用しているため、液漏れや発火など安全性に課題があった。今回開発した半固体電池は、大阪ソーダの独自技術による特殊ポリエーテルを用いて電解液をゲル状にすることで安全性を大幅に向上させるだけでなく、充放電サイクル数の増加や充電時間の短縮といった高い電池性能を両立しているとしている。

■日本ハム <2282>  3,940円  +135 円 (+3.6%)  11:30現在

日本ハム<2282>が5日ぶりに反発している。1日の取引終了後、22年2月1日から一部商品の規格変更と納品価格改定を実施すると発表しており、これが好感されているようだ。対象は家庭用のソーセージや加工食品など173品目のほか、業務用商品232品目、冷凍食品19品目。値上げ幅は5%から12%という。主原料や小麦粉・食用油などの副資材の高騰に加え、エネルギーコストや物流費の増加などを販売価格に転嫁する方針だ。

■日本ケミコン <6997>  1,853円  +42 円 (+2.3%)  11:30現在

日本ケミコン<6997>が続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が1日付で、同社の投資判断「オーバーウエート(強気)」を据え置き、目標株価を3200円から3300円に引き上げたことが好材料視されている。レポートでは、22年3月期上期はマレーシアの操業度低下や原材料・物流費上昇の影響を受けながら、営業利益34億9200万円の好決算だったと評価。アルミ電解コンデンサは世界的な自動車減産により受注は減速中だが、第3四半期中に下げ止まるとみる。今後は操業度上昇と価格是正の進展、生産性の改善に伴い、四半期業績は再び力強い拡大基調に戻ると予想している。

■TKC <9746>  3,315円  +75 円 (+2.3%)  11:30現在

TKC<9746>が3日ぶりに反発。同社は午前10時ごろ、千葉銀行<8331>と「海外ビジネスモニター(OBM)」についてのビジネスマッチング契約を締結したと発表した。この取り組みは、千葉銀が海外展開を行う取引先企業に対してOBMを紹介し、その導入サポートをTKC全国会海外展開支援研究会に所属する約630名の税理士・公認会計士が担うというもの。これにより、千葉銀の取引先企業の海外展開を支援し、業績管理や会計処理のミス・不正を発見・牽制する。千葉銀との契約により、全国9金融機関とOBMのビジネスマッチング契約を締結したことになるとしている。

■アステラス製薬 <4503>  1,794円  +39 円 (+2.2%)  11:30現在

アステラス製薬<4503>は5日ぶりに反発。同社は1日取引終了後、11日から14日にかけて米国アトランタ市で開催される「第63回米国血液学会」の年次総会において、急性骨髄性白血病(AML)及び鎌状赤血球症に関する新たなデータを報告すると発表した。AMLに関する演題には、ギルテリチニブを評価した2つの第3相試験の結果が含まれ、AMLの症状、生活への影響、治療に関する患者インタビューと患者報告のアウトカムに基づいた研究も発表する予定。鎌状赤血球症に関する演題では、胎児型ヘモグロビンを誘導する可能性のある新規BACH1阻害剤「ASP8731」の新たな前臨床試験のデータを発表する予定。アステラスではAMLに関する11演題と鎌状赤血球症に関する口頭発表1演題の計12演題を発表するとしている。

■小森コーポレーション <6349>  652円  +14 円 (+2.2%)  11:30現在

小森コーポレーション<6349>は3日続伸している。1日の取引終了後、自社株買いを実施すると発表したことが好感されている。上限を150万株(発行済み株数の2.67%)、または10億円としており、取得期間は21年12月2日から22年6月30日まで。株主還元及び資本効率の向上と経営環境に応じた機動的な資本政策の遂行を図るためとしている。

■住友倉庫 <9303>  1,867円  +38 円 (+2.1%)  11:30現在

住友倉庫<9303>、澁澤倉庫<9304>など倉庫株に買いが集まっている。コンテナ船市況の高騰で大手海運株の業績がさま変わりしたが、グローバル物流の回復は倉庫株にとっても追い風となる。足もとでは新型コロナウイルスの変異株であるオミクロン株の感染拡大が警戒されているものの、ばら積み船市況はバルチック海運指数が急速な戻りをみせるなど市況改善の流れにある。また、商船三井<9104>による港湾運送会社の宇徳<9358>へのTOBなど大手海運会社の事業多角化の布石が表面化しており、倉庫など港湾周辺の銘柄は再編の動きも意識され株価が刺激されやすい。

■キユーピー <2809>  2,346円  +33 円 (+1.4%)  11:30現在

キユーピー<2809>が続伸。同社は1日、家庭用と業務用のマヨネーズやドレッシングなどの値上げを実施すると発表した。22年3月1日から実施する。食用油の価格上昇などを背景としており、マヨネーズは7月に続く再値上げとなる。この値上げを市場では前向きに評価しているようだ。

■山陽特殊製鋼 <5481>  1,852円  +26 円 (+1.4%)  11:30現在

山陽特殊製鋼<5481>が続伸。SMBC日興証券が1日付で同社の投資判断「2(中立)」を据え置くとともに、目標株価を前回の1950円から2400円に引き上げており、これを好感する買いが入っている。欧州特殊鋼メーカーOvakoの業績への貢献度を高めている点を考慮した。中国から欧州域内への鋼材輸入が、同国の粗鋼減産政策で減少したうえ、Ovakoは世界の鉄鋼企業の中では早期に脱炭素を実現する見通しであり、環境意識の高い欧州の需要家が同社製品を選好していると評価。23年3月期も実質レベルで増益の可能性が高いと報告している。

■Chatwork <4448>  1,104円  -155 円 (-12.3%)  11:30現在

Chatwork<4448>は急反落。1日の取引終了後、海外募集による185万株の新株発行を実施すると発表しており、株主価値の希薄化を懸念した売りが出ているようだ。これにより調達する資金約19億6900万円は、広告宣伝費や人件費、M&Aなどに充てるとしている。

■ソフトバンクグループ <9984>  5,575円  -325 円 (-5.5%)  11:30現在

ソフトバンクグループ<9984>が5日連続安と下値模索の動きを強めている。前日は日経平均先物を絡めたインデックス買いも効果なく、終値ベースで10月7日以来約2カ月ぶりにフシ目となっていた6000円大台を割り込み年初来安値を更新した。きょうも売り圧力は止まず一段と水準を切り下げる展開。売買代金はトップでマーケットの注目度は高い。前日の米国株市場では主要株3指数が後半波乱含みの下げとなったが、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数の下落率が一番大きかった。米ハイテク株に積極的に投資する同社は同指数との連動性が高い。最大1兆円の自社株買いに対する期待感はあるものの、11月下旬以降は信用買い残が再び増勢にあり、株式需給悪が嫌気されている部分もある。

■Gunosy <6047>  651円  +100 円 (+18.1%) ストップ高買い気配   11:30現在

Gunosy<6047>は全般リスクオフ相場のなかで大量の買い注文を集め、カイ気配スタートで一気に水準を切り上げる展開となっている。同社はスマートフォン向けニュース配信など情報キュレーションアプリを展開する。1日取引終了後、デジタルクレジットカードサービスを提供するGaragePreneurs Internet(本社インド共和国)の強制転換条項付優先株式を取得することを発表、GaragePreneursはGunosyの持ち分法適用関連会社となる見込み。これを評価する形で投資資金が集中する格好となった。

●ストップ高銘柄

ダイビル <8806>  2,164円  +400 円 (+22.7%) ストップ高買い気配   11:30現在

コムシード <3739>  479円  +80 円 (+20.1%) ストップ高   11:30現在

アミタホールディングス <2195>  9,150円  +1,500 円 (+19.6%) ストップ高買い気配   11:30現在

宇徳 <9358>  716円  +100 円 (+16.2%) ストップ高買い気配   11:30現在

など、5銘柄

●ストップ安銘柄

マーチャント <3121>  630円  -150 円 (-19.2%) ストップ安   11:30現在

グローバルウェイ <3936>  706円  -150 円 (-17.5%) ストップ安売り気配   11:30現在

以上、2銘柄

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