日本株は大きく下げ小さく上げる?/後場の投資戦略

市況
2021年12月3日 12時13分

日経平均 : 27692.34 (-61.03)

TOPIX  : 1937.06 (+10.69)

[後場の投資戦略]

前場の日経平均は下落。前日のNYダウが600ドル超と大きく反発したのに比べるとあまりに弱い。東証1部全体では8割以上の銘柄が上昇しており、TOPIXは+0.55%と上昇しているが、上昇率はやはり相対的に物足りない。そもそも直近下落が続いていたとはいえ、史上最高値圏からまだ調整したに過ぎない米国株に対し、日経平均などは年初来安値圏にあり、立ち位置が異なる。それにも関わらず、下落する時は日本株の方の下落率が大きく、反発するときは日本株の方の上昇率が小さいとは、なんとも悲しい光景だ。オミクロン株が話題に上る前に3万円回復が目標とされていた日経平均はいまや27000円台にあり、28000円の回復すら遠く及ばない水準だ。この日本株の独り負け状態は歯がゆいばかりである。

前日、東京証券取引所が発表した11月第4週(11月22~26日)の投資主体別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合計で4800億円超、うち現物株で2200億円超も売り越していた。週末にオミクロン株の報道があり、相場は急落していたとはいえ、買い戻しが前提の先物だけでなく、現物株でも大きめに売り越していたことは気になる。世界的な株価指数構成銘柄からの日本株の除外や、岸田政権による金融所得課税引き上げなど、色々とあわせて考えると、海外投資家はどんどん日本株から遠ざかっている気がしてならない。

市場関係者の間では、海外投資家の年初来からの大幅な売り越しポジションに着目し、日本株の買い戻し余地は大きいということを投資の論点としてよく挙げる。しかし、思い返してみれば、昨年末や今年初めの時点でも既に、「直近2~3年の海外勢は日本株を大量に売り越しているため、今年は大幅な買い戻しが期待される」といった話が出ていた。

しかし、結果として、海外勢は今年も今のところは大きく売り越しだ。思わず、海外勢はもはや日本株を見放しているのではないだろうか、と勘ぐってしまうほどだ。企業業績の動向などは当たり前だが、それ以外のところで、やはり、もっと大きな枠組みとして、日本経済の具体的な成長戦略を描くなど、国としての成長力をしっかりと示すことなどが必要なのではないだろうか。政治面での大きな動きなど、企業業績以外のところでの変革を、海外投資家は求めているような気がしてならない。

さて、ややテーマが大きすぎる話になってしまったが、後場の日経平均は引き続き冴えない動きが続きそうだ。香港ハンセン指数が下落しているほか、時間外の米株価指数先物も軟調に推移。今晩の米雇用統計を前に様子見ムードが強まりやすいなか、持ち高調整や手仕舞い売りに押されやすいだろう。

《AK》

提供:フィスコ

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