中外薬が大幅続伸、コロナ薬として「アクテムラ」への注目度増す
中外製薬<4519>が大幅続伸、一時5.6%高に買われ3800円台まで上値を伸ばした。同社はスイスの製薬大手ロシュ傘下で業績高成長路線を走っている。オミクロン株など変異ウイルスの登場で新型コロナウイルスの感染拡大に対する警戒感が拭えないなか、EU(欧州連合)の医薬品規制当局であるEMA(欧州医薬品庁)が新型コロナ重症患者向けにロシュの関節リウマチ薬「ロアクテムラ(トシリズマブ)」を治療薬として使用できるように勧告したことが報じられている。同医薬品は欧州でロシュの子会社が販売しているが、中外製薬が開発した「アクテムラ」と同じもので、既に米国では6月にFDA(米食品医薬品局)が新型コロナ治療薬として緊急使用許可を出した経緯がある。今後、欧州でもコロナ薬として使用可能となれば、中外薬の業績への寄与が見込めるとの見方で買いを誘導している。